ミステリの部屋

2011/02/14(月)18:54

告白:湊かなえ

日本ミステリ(ま行作家)(38)

愛美は 事故で死んだのではありません。 このクラスの生徒に殺されたのです。 第29回小説推理新人賞受賞。 内容(「BOOK」データベースより) この作品は後味が悪い、と聞いて敬遠していたのですが、映画化されたし、話題になることも多く、読んでみようと思いました。 先がどうなるか知りたくて、読まずにはいられません。 嫌な話ですが、やめられずに グングン読みすすめました。 担任の森口悠子が、生徒たちを前に、教室で話をしている場面から、この作品は始まります。 彼女の子どもが学校で死んだこと、そして、クラスの生徒に殺されたらしい、というショッキングなことを、淡々と語り続けます。 さらに、かなり恐ろしいことまでも……。 学校の場面は終わり、次の章では別の人物が語り手となります。 語り手が代わるたびに、見方が違うため、思っていた人物像にずれが生じ、それが違和感となって、とげのように残ります。 登場人物は誰もが、自分の思いを 胸の中で燃やし続けています。 身勝手な論理を振りかざし、人の気持ちを思いやることが ありません。 思いやろうとしないのではなく、人としての感情が 欠けているようにさえ感じられます。 だから、現実にはあり得ないことだ と思いながら、こんな人たちがいない、とも言えない気がして、怖くなります。 思ったより後味は悪くありませんでしたが、 最後まで読んで、復讐を完全否定できなかった自分も、怖くなりました。           【送料無料】告白 税込650円

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