2011/02/14(月)18:54
告白:湊かなえ
愛美は 事故で死んだのではありません。
このクラスの生徒に殺されたのです。
第29回小説推理新人賞受賞。
内容(「BOOK」データベースより)
この作品は後味が悪い、と聞いて敬遠していたのですが、映画化されたし、話題になることも多く、読んでみようと思いました。
先がどうなるか知りたくて、読まずにはいられません。
嫌な話ですが、やめられずに グングン読みすすめました。
担任の森口悠子が、生徒たちを前に、教室で話をしている場面から、この作品は始まります。
彼女の子どもが学校で死んだこと、そして、クラスの生徒に殺されたらしい、というショッキングなことを、淡々と語り続けます。
さらに、かなり恐ろしいことまでも……。
学校の場面は終わり、次の章では別の人物が語り手となります。
語り手が代わるたびに、見方が違うため、思っていた人物像にずれが生じ、それが違和感となって、とげのように残ります。
登場人物は誰もが、自分の思いを 胸の中で燃やし続けています。
身勝手な論理を振りかざし、人の気持ちを思いやることが ありません。
思いやろうとしないのではなく、人としての感情が 欠けているようにさえ感じられます。
だから、現実にはあり得ないことだ と思いながら、こんな人たちがいない、とも言えない気がして、怖くなります。
思ったより後味は悪くありませんでしたが、
最後まで読んで、復讐を完全否定できなかった自分も、怖くなりました。
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