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海と空とDMと・・・

海と空とDMと・・・

DM FIGHT その「ニ」

ドタバタの第四話

一回戦を辛くも勝利した竜也、今回の戦いは一体どうでしょうか・・・?

なお、これをかいている時はスケルトンバイス等がプレミアム殿堂入りしていなかったので使用されています。悪しからず・・・



=第四話・セカンドインパクト=




第二回戦

竜也:マナ4、手札1、シールド5

場:ポッポ弥太郎パッピー、風来の又佐ビワノシン(エメラルド・クロー着き)


相手:マナ3、手札6、シールド4

場:なし


「ビワノシンでシールドをブレイク。同時に『竜装 ザンゲキ・マッハアーマー』を手札に」
一回戦の手札事故は無くなり、先行をとった事によってさらに気合の増す竜也。
その気迫に押されてか、相手はすでにシールドが三枚になっている。
「弥太郎パッピーでもう一枚ブレイク!」
追加ブレイクで相手のシールドは風前の灯。
マナを見ると『腐敗聖者ベガ』や『アクア・サーファー』等があり、光闇水の構成のようだ。デッキ特有の序盤の鈍さが響いているのか、場には何も無い。
(いける・・・)
この調子で押せば、たとえ『デーモン・ハンド』や『アクア・サーファー』が来ても対応できる。
「ヤバ・・・ドロー、4コストでサイバー・ブレイン使うぜ。ターンエンド」
このターンはドローのみで終わり、いよいよ竜也の番となる。
「よし、さっき手札に加えたマッハアーマーを場に出し・・・ビワノシンでブレイク、同時に『インフィニティ・葉隠・ドラゴン』を手札に加えます。そして弥太郎パッピーで・・・」
「チョイ待ち!」
「!?」
竜也は何かミスをしたのかと焦った。しかし、次第に状況が飲み込めてきて、青ざめる。


このタイミングで止められるのは一つしかない・・・


「S・トリガー、ですか・・・?」
「へへ、ついてらぁ。呪文『ヘブンズ・ゲート』発動。手札から『竜仙ロマネスク』と『悪魔精霊バルホルス』を場に出すぜ・・・ヒヒヒ」
(ロマネスク!?)
発動したのは『ヘブンズ・ゲート』。相手のデッキが全色であることもさながら、ロマネスクによって増やされた驚異的なマナの数に驚いた。
「弥太郎パッピーは自爆、こっちのターンだな・・・よし、これでもどうだ『スケルトンバイス』発動。その手札を両方とも破壊だ」
葉隠ドラゴンと『フォーチュン・ボール』が墓地に送られる。
「おまけに『腐敗聖者ベガ』召喚、これで残りシールドは二枚に戻った。ほら、そっちのターンだ」
竜也は一回戦のような奇跡は起こらないと思う傍ら、どこかでもう一度訪れるのではないかと期待していた。しかし、天はそうさせてくれなかったようだ・・・
(『ボルバルザーク・紫電・ドラゴン』・・・ここで来るのかよ)
もちろんの事、マナは足りない。仕方がないのでビワノシンを犠牲にしてそのままターンを返すことに・・・
「いくぜ。『インフェルノ・ゲート』発動だ。墓地から『パーフェクト・ギャラクシー』を場に。シリウスでT・ブレイクだぜ」
「S・トリガー発動、アクア・サーファー召喚。バルホルスに戻ってもらいます」
ふむ、とうなずいてバルホルスを手中に収める。
しかし相手にはパーフェクト・ギャラクシーとロマネスクがあり、こちらはサーファー一体だけ。マナを溜めても6マナ、紫電ドラゴンは出せない・・・
「ドロー、5マナ使って『無頼勇者ウインド・アックス』召喚。同時にシリウスを破壊」
トップで引いたカードはウインド・アックス。これで相手のシリウスを退かせる事には成功した。しかし・・・
「パーフェクト・ギャラクシーがウザイだろ、え?」
(くっ・・・)
言い方は気に食わないが、確かにその通りだ。これをどうにかしないと攻撃が届かない。
「(まずはクリーチャーを並べないとな・・・)ターンエンドです」
「ん。じゃあ・・・呪文『デーモン・ハンド』発動。ウインドアックスを墓地に」
またクリーチャーを減らされた。このままではジリ貧負けしてしまう・・・
「ギャラクシーでW・ブレイクだ」
「くっ・・・一枚目、S・トリガー発動『母なる大地』!」
竜也は一枚目のシールドが母なる大地であったことに感謝した。この調子なら、逆転できるかもしれない。
「こちらのアクア・サーファーを戻して再び召喚。ロマネスクを手札に戻してください」
「あ・・・まぁいい、二枚目はどうだ?」
もしこのシールドがアクア・サーファー、もしくは地獄スクラッパーのようなトリガーであれば、まだ逆転の可能性はある。
(何か・・・出ろよっ!)
竜也がめくったカードは・・・








「二回戦終了だ~!さぁ、これで残り人数は4分の1になったぞ。残念ながら負けてしまった選手のみんな、次の大会で頑張ってくれ!」
大会進行者デュエルジャッカー・ショーの合図とともに、二回戦で敗北した者達(総勢64名)がぞろぞろと退場していく。

「あ、たつ君・・・」
英司は、退場していくデュエリストの中に親友がいるのを見て取った。
彼がここで落ちてしまうとは、やはり今年の大会のレベルは例年とは違ったようだ。
(あ~あ、帰ったら愚痴を聞かされちゃいますね・・・)
そんな彼は順調良く二回戦も勝ち進み、次の対戦相手と対戦カードを交換していた。
(まぁ、初めて数週間では荷が重かったのでしょうか?)
自分が逆の立場だったらどうだろうか。と逡巡しようとしていると、相手がカードを書き終えたようだった。
「あの・・・書けましたか?」
「あ、すいません。えぇっと、名前はっと・・・」





「くそう、最後のカードが武者レジェンドとは・・・」
結局最後のカードがS・トリガーではなかったため、ベガで止めを刺されてしまった。
(次はコントロールデッキでも使って・・・そんながらじゃねえよな)
そんなことよりも、と竜也は合い方を探した。
先ほどの退出者の中に英司がいないかどうか探したが、見当たらなかったので大会会場の中を探してみることにする。
「うぉ、あいつまだ勝ち残ってやがる・・・」
一目で見つけられたのは長年の付き合いだろうか。
竜也は一番近くで見える位置まで来て、英司に気づいてもらおうとアピールを試みる。
(気づくかな・・・あ、気づいた)
あちらもすぐに気づいたようで、片手をほんの少しだけ上げてくれた。
「さぁ、いよいよ三回戦の始まりだ。今回のカメラは・・・1カメさんがA-1、2カメさんがC-1を映してくれているぞ!」
何事かと周囲を見渡すと、ショーの前にテレビが二台置いてありそれぞれが別の卓上を映している。なるほど、これで特定のデュエルが近くで見えるという代物であろう。
(そういえばさっきの二回戦、妙にカメラが近かったような・・・?)
そこまで考えて、竜也は自分の憶測を否定した。まさか、ね・・・





「え、ここ映されちゃうんですか?」
「ごめんね、ちょっとやりづらいかもしれないけど・・・気にせずにデュエルしてくれたらいいよ」
気にせずって・・・と、英司は嘆息した。まさか、自分の卓上が映されるとは思っていなかった。
対戦相手はどうだろうか、と顔を覗き込むが、全く意に介してない様子だった。
「こういうの、慣れてるんですか?」
不意に英司は尋ねてみた。
「え?」
「カメラ、気になりませんか?」
あぁ、と相手も納得した表情を浮かべる。
「私、人の目とか気にならない方なんです。だから、こういうのもなんとも無くて・・・」
「はぁ・・・」
英司は引っかかりながらもうなずく。人の目が気にならない程度のものなのだろうか?
相手が―少女がコロコロと笑うのは、果たして本心で笑っているのだろうか?





「あれ、このテレビの映しているのって・・・」
テレビ1が映しているテーブルナンバーと、英司の座っているナンバーが同じである。
(このスリーブ、間違いなく英字のだ)
使い古され、デュエルマスターズの漫画のキャラクターが印刷されているスリーブ。これは英司が今日のために作ったデッキに使う予定だと言っていたものだった。
(対戦相手は・・・?)
ちょうどカメラマンの影になっていて相手が見えない。が、英司よりも小柄な輪郭が見えた。
(小さいな。中学生かな?中学生相手に英司なら・・・楽勝だな)
実は、竜也は未だに英司に勝ったことが無い。半端のない強さというのが一番形容的にあっているだろう。
そんな彼が年下とどんなデュエルをするのか・・・その時は楽しみだった。











「何だよ、これ・・・」
テレビ1の周りには、物凄い人だかりができていた。その中心、テレビの真正面に竜也は立っていた。
(英司・・・)



英司:マナ11、手札2、シールド3

場:アクアン、極上神プロティジー


相手:マナ7、手札6、シールド4

場:魔刻の斬将オルゼキア(タップ状態)、ピロロン、ミストリエス×3



(何で相手は3枚引いたり、1枚だけしか引かなかったり・・・)
英司の対戦相手の行動に、竜也は混乱状態に陥っていた。
「これじゃあまるで・・・」







(相手は・・・本当に人間の頭をしているんですか?)
「どうされました?そちらのターンですけど・・・」
「・・・」
英司は『デーモン・ハンド』を使ってオルゼキアを破壊してターンを返す。
「二つ目ね・・・『電脳封魔マクスヴァル』召喚。1枚だけドローします・・・でもって、ドローした『デス・スモーク』でプロティジーを破壊します」
まただ。さっきから相手は不規則にミストリエスのドロー能力を使う。しかし、引いたカードはたいていこちらを後手に回してくるものばかり・・・まるで次に来るカードが分かっているかのように。
(デッキの構築がいいから、では済みそうに無い問題ですね・・・)
英司の頭の中には、この奇怪な現象を起こせる方法が二つ思い浮かんだ。

一つは「マーキング」

カードの裏、もしくはスリーブ等につけるマーク法。
相手にばれないようなところに印をつけたり傷をつけることによってカードを見分ける方法。
ちなみに違法だ、証拠を提示すれば即刻退場させられるだろう。

しかし相手の行動を見るからに、マークのようなものを判断しているわけではないようだ。


だとすると・・・


「驚きました。どうやら本当だったのですね」
英司は対戦相手の少女に告ぐ。
「なにか?」
「不思議に思っていたんですよ・・・でも、さっきのドロー枚数で確信しました」
少女は明らかにうろたえ始めた。少々荒業だが、相手の戦法にはこれが一番だ・・・
「貴方、『ピロロン』によって山札の下に置いていったカードの配列を覚えていますね」
「!?」
「それも、相手のデッキを見て下に積んでいくカードを選び、その配列を覚えている。そして必要なカードまでたどり着くために、ミストリエスやスーパークズトレインが大量に入っているわけですか・・・」
「・・・」
「貴方の戦い方を以前どこかで見たことがあったのですが・・・お名前を見て思い出しました。日高 亜里沙さん」




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