逆襲のシャア 全せりふ 後半

逆襲のシャア

シャア 「ようし、モビルスーツ部隊、アクシズを偵察」
  「ライル、私も出るぞ」
ライル 「はっ」

ムサカ艦長 「ルナ2の核爆弾をアクシズと一緒に叩き込めば、地球のエリートどもは、ふふふふっ」
ナナイ 「ロンド・ベルの艦隊がアクシズに着く方が、早いかもしれませんよ」
ムサカ艦長 「そりゃそうだがさ」
クェス 「あれー?」
ナナイ 「戦闘配備中になんて格好」
オペレーターA 「出てってくれ」
クェス 「散歩したっていいじゃない」
ムサカ艦長 「…戦闘配備でみんながピリピリしているんだぞ」
ナナイ 「了解」
  「遊び場じゃないぞ」
クェス 「失礼ね」
ナナイ 「クェス」
クェス 「…」
ナナイ 「パイロットスーツに着替えて、所定の場所で待機」
  「…」

チェーミン 「ハサウェイ、連絡ないね」
ミライ 「マイクロウェーブだって非常時体制でしょ」

ハサウェイ 「…宇宙に慣れるのが遅すぎるってママは言ってたもんなぁ。もう少し我慢しないと、どこかのコロニーに降ろされちゃうからな」

アストナージ 「オーライ、オーライ」
ケーラ 「よーし、これで自分ひとりでシャアを叩き潰せる」
アストナージ 「そういうのやめてください。中尉に怪我をされるのが心配で」
ケーラ 「アストナージ、言ってくれちゃって」
オペレーターA 「艦隊確認、連邦軍の船だ」

ケーラ 「だまし討ちにあったのか?」

ジェガン隊A 「アデナウアー・パラヤ閣下以下、メインブリッジの方は全滅で」
ブライト 「シャアの艦隊は?」
ジェガン隊A 「ルナ2の核貯蔵庫に潜入したようですが、…」
ブライト 「各コロニーにいる艦隊も、コロニーの暴動を恐れて出てこないし」
メラン 「これじゃあコロニーも地球も、シャアに味方をしているみたいなもんじゃないですか」
アムロ 「アクシズにネオ・ジオンの全艦隊が集結したわけじゃない」

クェス 「行くのよ」
ギュネイ 「クェス」
  「どうするの?」
クェス 「あんな女、嫌いだ」
ギュネイ 「大佐に取り入ってニュータイプ研の所長と、戦術士官の地位を手に入れた女なんだから」
クェス 「それを大佐に確かめる」
ギュネイ 「ああっ」
  「大佐には近づくなって」
クェス 「あんたのやきもちなんか聞けないよ」
ギュネイ 「違うって」
クェス 「ハッチ開けろ」

ムサカ艦長 「ナナイ」
ナナイ 「任せます」
ムサカ艦長 「被弾したヤクト・ドーガなど放出しろ」

ブライト 「ダミーミサイル、発射用意」
オペレーターA 「ミサイル発射用意」
オペレーターB 「以後の管制は、戦闘ブリッジに移行」
オペレーターC 「ミノフスキー粒子、戦闘濃度散布」

オペレーターA 「総員、有視界戦闘用意、監視機器開け」

ブライト 「第一波ミサイル、発射」

オペレーターA 「各員、発進用意。各員、発進用意」
ケーラ 「各部隊、員数いいな?」
ハサウェイ 「あてっ」
ケーラ 「ん?」
ジェガン隊A 「なんだ?」
アムロ 「ケーラのリ・ガズィに続け」
  「ハロ」
ケーラ 「ノーマルスーツも着ないで、窒息死したいのか?」
  「アムロ」
アムロ 「ハサウェイ」
ハサウェイ 「ア、アムロ」
アムロ 「これは僕の方で処理する。ケーラは第一波の先鋒だ、行ってくれ」
ケーラ 「はい」
トゥース 「ハッチ解放5分前、ノーマルスーツ、確認」

ブライト 「第二波、行け」
オペレーターA 「第二波、発射」
オペレーターB 「よし」

オペレーターA 「移動熱源接近」
ライル 「迎撃戦用意。戦闘ブリッジ開け。アクシズの大佐に連絡」

シャア 「そうか、来たか」
  「核パルスの調整が済んだら点火しろ」
技師A 「あと10分だけもたしてください」
シャア 「了解だ」

シャア 「意外に遅かったな」
  「モビルスーツ部隊はアクシズの北舷より攻撃。味方にやられるな」
  「あれか?」
  「…」
  「ええい」
  「当たれっ」
  「ミサイルの中に核があった?やるな、ロンド・ベル」
  「…第二波、すぐに来る」

ブライト 「…」
ハサウェイ 「…」
ブライト 「お前まで戦場に出てきたら、母さんとチェーミンはどうなるんだ」
アムロ 「男の子はこのくらいの方がいい」
ブライト 「ちゃかすな」
アムロ 「クェスに会いたいのか?ハサウェイ」
ハサウェイ 「クェスを取り戻すんです」
ブライト 「…」
アムロ 「ハサウェイ」
ブライト 「すぐに出るぞ」
アムロ 「ああ」
  「クェスの感じすぎる才能がシャアに利用されているんだ。無理だよ」
ハサウェイ 「利用だなんて、そんな」
アムロ 「あの子の才能は強化されて、今はシャアの道具に成り下がっている」
ハサウェイ 「そんな」
アムロ 「人の死に乗った世直ししかできないのがシャアだ。そんな男に利用されるクェスも、死んだ者の力に引かれて悲惨な結末に」
ハサウェイ 「クェスは死にません、その前に取り戻します。その為にモビルスーツの操縦だって習ったんです」
アムロ 「そんなことじゃあ、ハサウェイだって死人に引っ張られるぞ」

トゥース 「ミサイル第四波に続いて、モビルスーツ部隊第一波発進」
アストナージ 「ケーラ、とっておきのサラダ、作っとくからな」
ケーラ 「愛しているよ」
  「リ・ガズィ、行きます」
アストナージ 「なんて言った?」

シャア 「第二波が来た。モビルスーツ部隊は機雷源の上に」
  「ふん…」
  「アクシズ、行け。忌まわしい記憶とともに」
  「まだ来る」
  「やった」

メラン 「ああっ」
オペレーターA 「ああっ」
オペレーターB 「アクシズに火がつきました。地球に降下開始です」
ブライト 「第五波ミサイル、発射」
オペレーターA 「てえぃ」
オペレーターB 「総員、第一戦闘配置」
オペレーターA 「ダミー放出」
ブライト 「同時に回避運動用意」

チェーン 「何かあった時はインターカムで連絡する」
ハサウェイ 「はい」
  「それ、なんですか?」
チェーン 「サイコフレーム。まだ、性能的に調べたい事があってね」
ハサウェイ 「へぇ」
L・B兵A 「ほれ」
ハサウェイ 「あ」

シャア 「これにも核ミサイルが一発だけ。やるな、ブライト」
  「ナナイ、早く来てくれよ」

ナナイ 「クェスを殺したくなければ、大佐と合流するまで離れるんじゃない」
ギュネイ 「はっ」
ナナイ 「艦長」
ムサカ艦長 「出させろ、アクシズの戦闘空域に入る」
ナナイ 「はっ」

ギュネイ 「言われなくったって、クェスは大佐には渡すもんか」

オペレーターA 「この熱源がアクシズ、左は核反応です。敵艦隊はダミーを放出していて、数はわかりません」
ムサカ艦長 「ダミーを焼き払えばいい」

クェス 「あ…」
  「あそこがアクシズ?大佐がいる」
  「大佐」

メラン 「右に熱源、敵です」
ブライト 「ルナ2からの増援か?」
  「第二波、出てくれ。艦隊は直援部隊でもたせる」
アムロ 「頼む」

アムロ 「ガンダム、行きます」

ナナイ 「さらに30秒間、援護射撃をする」
レズン 「まめなこった」

ナナイ 「各員の健闘を祈る」
レズン 「あいよ」

ケーラ 「核ノズルを破壊する前に、艦隊が出てくるか」
  「なんとしてもアクシズの足を止める」

クェス 「あ、光?あの光の中にいるの?」

ギュネイ 「クェスは?あっちか」
  「迂闊だぞ、クェス」
クェス 「ギュネイ」

オペレーターA 「モビルスーツはアクシズの北上で交戦中」
ブライト 「ようし。第六波、本命を叩き込め」

レズン 「ふっ、ロンド・ベルなら鈴を鳴らしてりゃいいんだよ」
  「生意気やっちゃって」

クェス 「あそこだ。大佐、あんな所に隠れて」
ギュネイ 「クェス」
  「ロンド・ベルのモビルスーツ?」
  「ミサイルか」
  「こいつら、核ミサイルじゃないか」
  「ええい、ファンネル達、一番熱量の高いミサイルだ。当たれーっ」
  「…やった」

クェス 「…すごい。大佐」
シャア 「ギュネイが敵の核ミサイル群を阻止してくれた。あれが強化人間の仕事だ」
クェス 「大佐、ナナイがあたしをぶったのよ」
シャア 「暴力はいけないな。ナナイには言っておく」
  「クェス」
クェス 「…」
シャア 「クェス、パイロットスーツもなしで」
クェス 「ほんとだね?ナナイを折檻してやって」
シャア 「ああ、本当だ」
クェス 「なら、少し働いてくる」
シャア 「調子に乗るな」
クェス 「でも」
シャア 「実戦の恐さは体験しなかったようだな」
クェス 「恐さ?」
シャア 「ああ」
クェス 「気持ち悪かったわ、それだけよ。なのに、ナナイはやさしくなくって」
シャア 「それで、私の所に来たのか」
クェス 「大佐」
シャア 「その感じ方、本物のニュータイプかもしれん。いい子だ」

ケーラ 「つかまえた」
  「飾りをやられただけなんだから」

ギュネイ 「この左上のプレッシャーはなんだ?」
  「ガンダムか」
アムロ 「ダミーか」
  「そこだっ」
ギラドーガ隊A 「本物の岩か」
  「うわっ」
ギュネイ 「岩を利用して左右から追いこめ」
  「間違いない、あれはガンダムだ。あれをやりゃあ、大佐だろうが総帥だろうが」
  「そこっ」

チェーン 「リモコンできなければ直接射撃すればいいでしょ」
L・B兵A 「や、しかし」
チェーン 「私が、やるわよ」
ハサウェイ 「チェーンさん、頑張ってんだ。あ、ああっ」

L・B兵A 「おおっ」

チェーン 「どうしたの?」
射撃手A 「コントロールセンターからリモコンできんのです」
チェーン 「来た…」

レズン 「ニュータイプだ強化人間だって、艦隊の足を止められなけりゃあさ」
  「よく見つけてくれた」

チェーン 「ダミー」
射撃手A 「はっ」
チェーン 「うーっ…あっ」
  「こっち」

レズン 「なんなんだこの力は?…あたしが直撃を受けている?」

射撃手A 「やったあ」
チェーン 「え?」
  「まだ」

クェス 「…なんか、あたしの中に人がいっぱい入ってくる。恐い、気持ちが悪い、ううううっ」

ハサウェイ 「…ク、クェス」

ケーラ 「突っ込みが足らない。ん?」
ギュネイ 「あの飛行機、一機で艦隊を潰す魂胆か?」
ケーラ 「こいつ」
アムロ 「何?ケーラ?」
ギュネイ 「行かせるか」
ケーラ 「うあっ…、まだもう一撃できる、アクシズを」
ギュネイ 「逃がすか」
ケーラ 「ああっ」
ギュネイ 「ガンダムもどきが」
ケーラ 「アクシズを、しまった」
ギュネイ 「ははっ、丸腰になった」
  「ガンダムもどきを捕獲する。また?」
ケーラ 「うあっ」
ギュネイ 「こいつは利用できるんだ」
ケーラ 「…なんなの?遊んでるんじゃないの?」
ギュネイ 「来たな、プレッシャー」
  「ガンダム同士、呼びあっているのか?」
ケーラ 「…脱出コックピット、始動しない?あっ」
ギュネイ 「それ以上動くな。抵抗すれば、このモビルスーツのパイロットを殺すぞ」
ケーラ 「アムロ、敵の動きは止まっています、狙撃してください」
アムロ 「ケーラ」
ケーラ 「ああっ、あっ…」
ギュネイ 「アムロってんだろ?ガンダムのパイロット」
アムロ 「光音声?」
ギュネイ 「ガンダムを放置すればこのパイロットを返してやる」
  『どうした?早くしろ。νガンダムを手に入れたら、それこそ俺はいつだってシャアを倒して、クェスを手に入れられる男になれる』
  「やれよ」
アムロ 「…曳航しようっていうのか?」
ギュネイ 「投降サインを出してライフルを捨てろ」
ケーラ 「私に構わずに」
アムロ 「やめろ、ファンネルをはずす」
ギュネイ 「ふざけるな、放熱板がなんだってんだ」
  「アムロは殺せ」
アムロ 「がっ」

シャア 「ん?」
クェス 「また」

チェーン 「アムロ」

ハサウェイ 「クェス」

ケーラ 「あっ」
ギュネイ 「抵抗したな、アムロ」
ケーラ 「ああっ…あああ」
アムロ 「…」
ギュネイ 「このギュネイ・ガスの警告を無視したから」
  「ファンネルだと?」
アムロ 「…ケーラ」
  「…おおっ」

クェス 「あたし…」
シャア 「第一波は引き上げたようだ」
クェス 「…あたし、パンクしちゃう」
シャア 「この子は、戦場のすべての動きを感知している」
クェス 「あたし、敵をみんな殺さなけりゃ…」

ブライト 「アンチミサイル粒子弾、大事に使えよ」
オペレーターA 「観測班、敵は?」
オペレーターB 「敵モビルスーツ、後退中」

アストナージ 「無理に着艦するな、ワイヤーで固定しろ」
アンナ 「アストナージ」
アストナージ 「なんだ?」
  「えっ、ケーラが?」
アンナ 「行ってやってください」
アストナージ 「ああ、ああ」
アンナ 「次、収容しろ」

アストナージ 「ああっ」
アムロ 「アストナージ、こないでくれ」
アストナージ 「アムロ、ケーラが」
アムロ 「見ちゃ駄目だ」
アストナージ 「ケーラ」
アムロ 「ファンネルが敏感すぎた。ストレートに防御に働いて」
アストナージ 「サラダを一緒に食べるんじゃなかったのか?」
メカニックA 「アストナージ」
  「運べってんだよ」
メカニックB 「はい」
アムロ 「僕のファンネルのコントロールも悪いが、シャアがいるからだ。奴を仕留めなければ死にきれるもんじゃない」
チェーン 「そんな不吉なこと言わないで」
アムロ 「覚悟を言ったまでだよ」
チェーン 「シャアの存在」

シャア 「α・アジールのテストが間に合わないのか?」
ナナイ 「実戦テストをクェスにやらせばよいでしょう」
シャア 「意地悪い言いように聞こえるな」
ナナイ 「クェスが何か言いましたか?」
シャア 「そりゃあ、真面目すぎるナナイは嫌いだぐらいは言うさ」
  「どうだ?」
  「核を持った四番艦は、あと30分で接触する」
ナナイ 「ギュネイは、クェスを大佐に取られると過剰に反応しています。クェスと一緒にして前に出した方が、彼の能力を発揮します」
シャア 「αに乗せた。そうもいかんだろ」
ナナイ 「私は大佐に従うだけです」
シャア 「いいのか?」
ナナイ 「愛してくださっているのなら」
シャア 「いてくれなければ困る、ナナイ」
ナナイ 「シャア・アズナブル、いえ、キャスバル・ダイクンでいらっしゃりたいから疲れるのですか?」
シャア 「父の名前を継ぐのはつらいな。君のような支えがいる」

ギュネイ 「あれか」
  「αは完成してるじゃないか」
クェス 「大佐はあたしにやらせてくれるって」
メカニックA 「冗談じゃないよ」
クェス 「…みんなであたしをいじめんだ」
メカニックA 「違いますよ」
クェス 「何すんのよ」

ギュネイ 「大佐と一緒じゃなかったのか?」
クェス 「ナナイとミーティング」
ギュネイ 「大人同士何やってんだ」
クェス 「大佐は何もしないよ、あたしをだっこしてくれたんだから」
ギュネイ 「冷静になれって言ったろ」
クェス 「どうしてさ」

ギュネイ 「俺な、敵の核ミサイルを一気に狙撃したんだぞ。俺は大佐以上に働けるんだ、あんな男は気にするなって」
クェス 「何言ってんの?今は戦争だよ」
ギュネイ 「クェス、大佐がナナイと仲良くしてる訳を知らないのか?」
クェス 「仕事以外もう付き合わないって。ああっ」
  「…やーよ」
ギュネイ 「大佐は、ジオンの一年戦争の時に使ったパイロットの、ララァに憑り付かれているんだぜ」
クェス 「はぁ?」
ギュネイ 「けど大佐は、総帥らしく見せる為にナナイなんかとも付き合ってさ。ロリコンじゃないかって、ニュータイプ研究所の連中はみんな知ってんだぜ」
クェス 「だからって何よ、昔のことでしょう」
ギュネイ 「大佐のララァ・スンって寝言を聞いた女は、かなりいるんだ」
クェス 「…」
ギュネイ 「クェス」
クェス 「あたしがナナイとララァを追い出すんだから」
ギュネイ 「ララァをアムロに取られたから、大佐はこの戦争を始めたんだぞ」
クェス 「そんな事を言うから若い男は嫌いなんだ」

トゥース 「輪が艦隊はこのポイントで第二次攻撃をかけるが、アクシズはルナ2から運んできた核爆弾を地表近くで爆発させて、地球を核の冬にすることもできる」
アムロ 「だから今度の攻撃で、アクシズのノズルを破壊し、アクシズそのものも破壊する」
ブライト 「ということは艦隊攻撃しかないという事だ。我が方には核ミサイルは四発しか残っていない」
アムロ 「だから、その攻撃が失敗した場合は、アクシズに乗り込んでこの部分を内部から爆破する。ここは坑道が網の目のようにあるので、アクシズの分断は可能です」
トゥース 「そうすれば、アクシズの破片は地球圏外に飛び出していきます」
ブライト 「よし、三段構えだ。ルナ2から敵の援軍が来る前にけりをつけるぞ」
  「すまんが、みんなの命をくれ」

チェーン 「あのサイコフレームは、わが社の材料開発部のアイデアではなかったのです。開発部も断定はしていないのですが」
オクトバー 『開発部も断定はしていないのですが、あの技術はネオ・ジオンからの提供だということで』
チェーン 「こんな馬鹿なことないわ。サイコフレームは作動した。完全な物が敵から提供されるわけがない。オクトバーさん、なんで試料と一緒にこんな手紙を送ってきたのかしら?」
アムロ 「チェーン」
チェーン 「あ、はい」
アムロ 「どうしたんだ?」
チェーン 「ケーラやアストナージのこと、それにアムロの不吉な言葉、気になるわ」
アムロ 「…すまなかった。ファンネル、いいな?」
チェーン 「勿論です。これと大尉のサイコフレームが共鳴して、未知数の機能が引き出されるかもしれないって話、信じます?」
アムロ 「オクトバーの話か?それはないよ」
チェーン 「でも」
アムロ 「フィン・ファンネルで勝てるさ」
  「νガンダムは僕が基礎設計をして、君が整備をしているんだから」
チェーン 「そりゃあそうですね」

ミライ 「待っていなさい、様子を見てくるわ」
チェーミン 「はい」
ミライ 「…」
男A 「こんな所じゃ、隕石がホンコンに落ちたらやられちまうぞ」
女A 「また隕石が落ちるって本当なの?」
男B 「核の冬なんて来ないよ」
ミライ 「迂回しましょう」
チェーミン 「え?」
ミライ 「戻ることになるけど」
チェーミン 「太陽」
  「ああっ」
ミライ 「…」
チェーミン 「ママ、何?」
ミライ 「あれ、シャアの隕石?」

オペレーターA 「敵艦艇らしい移動物体キャッチ。総員、第一戦闘配置」
ライル 「間違いないのか?」
オペレーターB 「四番艦ははっきりしています。しかし、ミノフスキー粒子散布前の写真ですが、この光の数」
ライル 「連邦の艦隊だというのか?」
オペレーターB 「サイド2、サイド5、ルナ2を脱出したものもあります」
ライル 「モビルスーツ部隊を前に出す。大佐に」

チェーン 「お早いお帰りを」

メラン 「艦長の許可が出たんだ。戦闘ブリッジには入れられんがここに座っていられる自信があるなら、観戦していい」
ハサウェイ 「は、はい」
メラン 「これに遺言状を書いてな。カプセルで放出するから」
ハサウェイ 「はい」
メラン 「髪の毛もはさんでおけよ」
ハサウェイ 「はい」
ブライト 「連邦軍が動いている?」
オペレーターA 「間違いありません」
アムロ 「νガンダム、行きます」
オペレーターB 「ラー・カイム、ラー・ケイム、発進続く」
オペレーターA 「サイド2と5からも出ていますが、援護してくれますかね?」
ブライト 「こっちの位置表示は定期的に出しておけ」

オペレーターA 「モビルスーツ部隊は艦隊の前に展開。102、どうぞ」
クェス 「大佐」
シャア 「どこに行っていた?」
クェス 「あたし、ララァの身代わりなんですか?」
シャア 「クェス」
  「誰に聞いた?いや、なんでそんな事が気になる?」
クェス 「あたしは大佐を愛してるんですよ」
シャア 「困ったな」
クェス 「なぜ?あたしは大佐の為なら死ぬことだってできるわ」
シャア 「わかった。私はララァとナナイを忘れる」
クェス 「…なら、あたしはαで大佐を守ってあげるわ、シャア」

メラン 「おお、お父さんの分まで書いてあるな。結構」
ブライト 「ハサウェイ、恐くなったら、奥に下りたらいい」
ハサウェイ 「はい、父さん」

シャア 「どうした?」
ギュネイ 「作戦士官と打ち合わせでありました」
シャア 「私がクェスに手を出すとどうして考えるのだ?」
ギュネイ 「自分が、でありますか?」
シャア 「クェスは、ナナイの命令でαに乗った。慣れるまで守ってやれ」
ギュネイ 「は、はい」
シャア 「私はネオ・ジオンの再建と打倒アムロ以外興味はない。ナナイは私にやさしいしな」
ギュネイ 「は、はっ」
メカニックA 「ギュネイ」
ギュネイ 「おお」
メカニックA 「ほら」
ギュネイ 「嘘かまことかすぐにわかるさ」

ライル 「戦闘ブリッジに管制切り替える」
シャア 「ご苦労」
ナナイ 「大佐を出さないで済ませます」
シャア 「そう願いたいな」
ナナイ 「クェスとαの相性は良いようです」
シャア 「そうか」
オペレーターA 「α・アジール発進用意。各員、第一戦闘配置へ」

ギュネイ 「α・アジール?」
クェス 「ふふっ、来る来る」
ギュネイ 「調子に乗るな、クェス」
クェス 「やることがいっぱいあるでしょ」
  「…」
アムロ 「敵意が無邪気すぎる。シャアじゃない、あの男でもない」
クェス 「何?壁になる奴がいる」
ギュネイ 「クェス、そいつはνガンダムだ、手ごわいぞ」
クェス 「なにが」
アムロ 「…」
  「…子供に付き合っていられるか」
クェス 「なんでさ?」
  「ううっ、邪魔すんじゃない」
  「なんなの?」
  「おっちろ、おっちろ、おっちろ」
ギュネイ 「クェス、ガンダムはこっちだ」
  「ううっ」
  「そこまでだ、ガンダム」
  「行けーっ」
アムロ 「…」
ギュネイ 「いつまで雑魚を相手にしているんだ」
クェス 「雑魚?」
アムロ 「ちぃっ」
ギラドーガ隊A 「うわあっ」
ギュネイ 「よけられるか」
アムロ 「…」
クェス 「大佐の所には行かせないよ」
アムロ 「邪気が来たか」
  「やられる?」
  「…三つの敵か」
クェス 「ううっ、うっ」
アムロ 「クェスならやめろ」
クェス 「ううっ、ギュネイ」
ギュネイ 「わかっている。ファンネルがなんであんなにもつんだ?」
クェス 「そんなんで大佐を困らせないでよ」

オペレーターA 「νガンダムだけ前に出すぎです」
ブライト 「援護モビルスーツはどうなってるの?」
オペレーターB 「頑張っていますが」
ハサウェイ 「罵り合っているだけじゃいけないよ、クェス。それじゃ駄目だよ」

アストナージ 「チェーン、どうすんの?」
チェーン 「モビルスーツが足りないって」
アストナージ 「そりゃ駄目だ」
  「やめないか、チェーン」
チェーン 「メインエンジンのひとつは直しました」
アストナージ 「そういうことじゃ、うっ」
  「しっかりしろ、チェーン」
チェーン 「サイコフレームが多い方がアムロに有利なんです」
アストナージ 「チェーン、やめろーっ」
ハサウェイ 「…」

ナナイ 「四番艦、アクシズに入りました」
シャア 「よし、核爆弾は地球に激突する直前に爆発するようにセット、クルーは収容しろ」
ナナイ 「大佐、もうお止めしませんが、アムロを倒したら?」
シャア 「ああ、あとはナナイの言う通りにする。戦闘ブリッジに入ってくれ」
ナナイ 「はい」
シャア 「いい子だ」

ハサウェイ 「ああっ」
  「あっ」
  「…、あの光の中にクェスがいる。あ、これ動くじゃないか」
  「ううっ」
  「…」

ギュネイ 「ファンネルがもたないから」
  「クェス、無茶だ」
クェス 「あっ」
ギュネイ 「何?あっ?」
クェス 「ギュネイをやったの?」

メラン 「そろそろアクシズが最終加速をかけます」
ブライト 「核ミサイル」
オペレーターA 「来ました」
ブライト 「退避」
メラン 「ラー・チャターが盾になってくれています」
ブライト 「ターゲット、核ノズル」
オペレーターB 「ちょ、ちょっと待ってください」

オペレーターA 「四番艦のランチ収容」
ムサカ艦長 「核爆弾の自爆装置は?」
オペレーターA 「セットしたそうです」
ムサカ艦長 「ムサカ前に。ロンド・ベルの艦隊を撃滅する」

オペレーターA 「アクシズ、加速かけました」
ブライト 「その根元にぶち込めばいい。ううっ、ターゲット、修正急げ」
オペレーターA 「予測進路、来ました」
ブライト 「ようし、てぇっ」

シャア 「どれが核だ?」
  「ファンネル」
  「そんなに数はないはずだ。そこかっ」

チェーン 「核ミサイルが狙撃された?」
  「ハサウェイ?アムロ」

シャア 「まだ来る」
  「ブライト、やるな」
  「何?」
  「ええい…」

オペレーターA 「ラー・チャターが」
オペレーターB 「ミサイルが阻止されました」
オペレーターA 「盾になって」
ブライト 「ラー・カイラムをアクシズに衝ける。総員、陸戦用意」
オペレーターB 「総員、陸戦用意」
オペレーターA 「総員、陸戦用意」
ブライト 「ハサウェイ」

チェーン 「こっちは?いた、ハサウェイ」
ハサウェイ 「なんだ、これ?クェスじゃ」
クェス 「ふふふふっ、サイコミュが引っ張ってくれるから逃がしゃしないよ」
  「何?」
ハサウェイ 「クェスだろ?これに乗っているの」
クェス 「なれなれしくないか?こいつ」
チェーン 「駄目、死んじゃう」
クェス 「…あいつは」
  「なんだ?」
チェーン 「ハサウェイ、どきなさい」
クェス 「あれは」
ハサウェイ 「駄目だよクェス、そんなんだから敵だけを作るんだ」
クェス 「あんたもそんなことを言う。だからあんたみたいのを生んだ地球を壊さなくっちゃ、救われないんだよ」
  「何?」
ハサウェイ 「クェス、そこにいるんだろ?わかっているよ、ハッチを開いて。顔を見れば、そんなイライラすぐに忘れるよ」
クェス 「子供は嫌いだ、ずうずうしいからっ」
ハサウェイ 「あっ」
チェーン 「ハサウェイ、どきなさい、その子は危険よ」
クェス 「嫌な女。お前がいなければアムロの所にいられたのに」
チェーン 「アムロの所って、あの子が?」
ハサウェイ 「クェス、降りて」
チェーン 「ハサウェイ」
クェス 「直撃!?どきなさい、ハサウェイ」
ハサウェイ 「えっ?」
  「あっ、クェス」
  「クェース…」
チェーン 「ハサウェイ、大丈夫?」
ハサウェイ 「チェーン。チェーンか、やったのは?」
チェーン 「やめなさい、あなたのやっている事は」
ハサウェイ 「やっちゃいけなかったんだよ。そんなこともわからないから、大人って、地球だって平気で消せるんだ」
チェーン 「ハサウェイ」
ハサウェイ 「…」

サラミス艦長A 「おい、ロンド・ベルは援護がいるんじゃないのか?」
オペレーターA 「戦闘は始まってんでしょ」
オペレーターB 「ゲタで発進。戻りは気にするな、安心してロンド・ベルを援護しろ」
サラミス艦長B 「我に従ってアクシズに向かわれたし」

サラミス艦長A 「アクシズに直進すりゃあいいんだよ。間に合わせろ」

ジェガン隊A 「本当に拾ってくれるのかよ?」
ジェガン隊B 「行けってよ」

チェーミン 「飛べれば、宇宙に行けれるのにね」
ミライ 「そうしましょうか」
チェーミン 「あっ」

男A 「太陽だ」

青年A 「おい、久しぶりに太陽が見えるぞ」
  「クリスチーナ」

子供A 「おい、なんか聞こえなかったか?」
子供B 「いいや」

ナナイ 「…艦長、ロンド・ベルが来る。前に」
ライル 「下にまわりこんで前に出る」
オペレーターA 「モビルスーツ、来た。うわっ」
ライル 「うおっ」

ムサカ艦長 「ほかの船は?敵艦隊の動きを気付かないか?」
オペレーターA 「有線通信が切断されています。うっ」
ムサカ艦長 「うわあっ」
  「ギラ・ドーガ部隊、戻れ」

シャア 「来たか」
アムロ 「よけた?シャア」
シャア 「アクシズのノズルには接近させん」
  「はっ」
アムロ 「よけた」
シャア 「それでこそ私のライバルだ」
アムロ 「船がある」
  「なんだこれは?そうか、シャアめ」
シャア 「アムロ、まだ早い」
  「ファンネル」
アムロ 「シャア」
シャア 「ここで爆発したら、地球は汚染させられん」
シャア 「アムロ、地球上に残った人類などは、地上の蚤だという事がなぜわからんのだ?」

ライル 「…やられた」
ナナイ 「四番艦の核兵器の爆発」

陸戦隊A 「うわあっ」
ブライト 「なんの力だ?ラー・カイラム、状況知らせ」

メラン 「前方に巨大な閃光があります。原因はわかりません。ちっ、ワイヤーが切れちまった」

ブライト 「爆破作業、急いで」

シャア 「ガンダムはどこだ?ラー・カイラムに上陸された?」
  「ノズルを止めた?アムロ、これ以上はやらせん」

メラン 「正面上、迎撃」

アムロ 「何、チェーンか?来るのか?」
シャア 「アムロ」
  「ララァが死んだ時のあの苦しみ、存分に思い出せ」
アムロ 「情けない奴」
シャア 「何が」
  「貴様こそ、その力を無駄に消耗していると、なんで気がつかん?」
アムロ 「貴様こそ」
シャア 「パワーダウンだと?」

ブライト 「時間がかかりすぎるぞ」
陸戦隊A 「もうちょいです」
  「これでアクシズはばらばらになります」

アムロ 「てえぃっ」
シャア 「ラー・カイラムが。なんだ?」
  「何?」
  「ガンダムを捨ててでもアクシズを内部から爆破しようっていうのか。させるか」

シャア 「…」
アムロ 「ブライト達、まだ上がっていないか?」
  「ん?」
  「…」
  「てぃっ」
  「逃げられた?」
  「世直しのこと、知らないんだな。革命はいつもインテリが始めるが、夢みたいな目標を持ってやるからいつも過激な事しかやらない」
シャア 「四方から電波が来る」
アムロ 「しかし革命のあとでは、気高い革命の心だって官僚主義と大衆に飲み込まれていくから、インテリはそれを嫌って世間からも政治からも身を退いて世捨て人になる。だったら」
シャア 「私は世直しなど考えていない」
アムロ 「…」
シャア 「愚民どもにその才能を利用されている者が言う事か」
アムロ 「そうかい」
  「うっ」
シャア 「逃げた?ブライト達は?」

アムロ 「…」
  「…」
  「このくらい」
シャア 「サーベルのパワーが負けている?ええーい」
  「なんと」
アムロ 「シャア」
シャア 「貴様がいなければ」
  「ア、アムロ」
アムロ 「うおーっ」
シャア 「モニターが、死ぬ?何っ?」

ブライト 「レウルーラを撃沈しろ」
メラン 「こっちもばらばらなんです」
  「後退遅いぞ、アクシズと一緒に沈みたいのか」
ブライト 「時間だ」
メラン 「ええっ?」

シャア 「やられた?」
  「何、戻れというのか?ナナイ、男同士の間に入るな、うわっ」

ナナイ 「大佐、私達を見捨てるつもりなんですか?」

オペレーターA 「アクシズが割れます」
オペレーターB 「対空監視、気をつけろ」

アムロ 「逃がすかよ」
シャア 「捕まった?しかし、もう遅い」

オペレーターA 「レウルーラを追えばいい」
オペレーターB 「アクシズの破片が飛んでくる」
オペレーターC 「モビルスーツ部隊」
ブライト 「本当か?メラン」
メラン 「はい。前の方は地球から離脱しますが、うしろの部分が爆発でブレーキをかけられましたから」
ブライト 「軽くなって落ちないはずだ」
メラン 「アクシズを分断させる爆発が強すぎたのです」
ブライト 「シャアの手伝いをしたのか」

ハサウェイ 「父さん、父さーん」

シャア 「ふふふふ、ははははっ」
アムロ 「何を笑ってるんだ?」
シャア 「私の勝ちだな。今計算してみたが、アクシズの後部は地球の引力に引かれて落ちる。貴様らの頑張りすぎだ」
アムロ 「ふざけるな。たかが石っころひとつ、ガンダムで押し出してやる」
シャア 「馬鹿な事はやめろ」
アムロ 「やってみなければわからん」
シャア 「正気か?」
アムロ 「貴様ほど急ぎすぎもしなければ、人類に絶望もしちゃいない」
シャア 「うわああっ…アクシズの落下は始まっているんだぞ」
アムロ 「νガンダムは伊達じゃない」

ブライト 「ラー・カイラムでアクシズを押すんだよ」
メラン 「無茶言わないで」
ブライト 「地球が汚染されるのを黙って見ているのか?」
メラン 「レウルーラの撃沈を確認していません」

ナナイ 「大佐、あなたは」

オペレーターA 「アクシズのうしろが加速してます」
ブライト 「モビルスーツの動き、チェック」
オペレーターA 「はい」
ブライト 「アムロ、お前はまだアクシズにいるのか?」

シャア 「命が惜しかったら、貴様にサイコフレームの情報など与えるものか」
アムロ 「なんだと?」
シャア 「情けないモビルスーツと戦って勝つ意味があるのか?しかし、これはナンセンスだ」
アムロ 「馬鹿にして。そうやって貴様は、永遠に他人を見下すことしかしないんだ」

ブライト 「な、なんだ?」
オペレーターA 「熱源、アクシズの温度が上がっているだけです」

ナナイ 「…た、大佐」
ライル 「ナナイ、どうした?」
ナナイ 「大佐の命が、吸われていきます、…」
オペレーターA 「敵の援軍を確認。連邦軍のモビルスーツが地球の向こうからも」
ライル 「コンピュータグラフィックスのモデルじゃないのか?」
オペレーターA 「リアル画像です」
ライル 「数を確認しろ」
  「地球の向こうのもか」
オペレーターB 「味方じゃありません」

オペレーターA 「左舷からも来ます」
ブライト 「地球連邦軍なんだな?」
オペレーターB 「間違いありません」
オペレーターC 「八八艦隊からです」
ブライト 「なぜだ?しかもみんな、アクシズに向かっている」
オペレーターA 「ラー・カイラムは損傷機の回収にあたられたし、です」
ブライト 「しかし、今頃になってどういう事なんだ?こいつら。ひょっとしたらあの光、チェーンの言っていたサイコフレームの光か?」
  「何をやろうってんだ?」

アムロ 「なんだ?どういうんだ?」
  「やめてくれ、こんな事に付き合う必要はない。さがれ、来るんじゃない」
シャア 「なんだ?何が起こっているんだ?ええい、完全な作戦にはならんとは」
ジム隊A 「ロンド・ベルだけにいい思いはさせませんよ」
アムロ 「しかし、その機体じゃあ」
  「ギラ・ドーガまで。無理だよ、みんな下がれ」
ギラドーガ隊A 「地球が駄目になるかならないかなんだ。やってみる価値ありますぜ」
アムロ 「しかし、爆装している機体だってある」
  「駄目だ、摩擦熱とオーバーロードで自爆するだけだぞ」
  「もういいんだ。みんなやめろ」
シャア 「結局、遅かれ早かれこんな悲しみだけが広がって地球を押しつぶすのだ。ならば人類は、自分の手で自分を裁いて自然に対し、地球に対して贖罪しなければならん。アムロ、なんでこれがわからん」
アムロ 「離れろ、…ガンダムの力は」
シャア 「こ、これは、サイコフレームの共振。人の意思が集中しすぎてオーバーロードしているのか?なのに、恐怖は感じない。むしろあたたかくて、安心を感じるとは」
アムロ 「何もできないで、おあっ」

オペレーターA 「光の幕のむこう、モビルスーツが跳ね飛ばされています」
ブライト 「もっとよく観測しろ」
  「何が起こっているんだ?」

シャア 「そうか、しかしこのあたたかさを持った人間が地球さえ破壊するんだ。それをわかるんだよ、アムロ」
アムロ 「わかってるよ。だから、世界に人の心の光を見せなけりゃならないんだろ」
シャア 「ふん、そういう男にしてはクェスに冷たかったな、え?」
アムロ 「俺はマシーンじゃない。クェスの父親代わりなどできない」
  「だからか。貴様はクェスをマシーンとして扱って」
シャア 「そうか、クェスは父親を求めていたのか。それで、それを私は迷惑に感じて、クェスをマシーンにしたんだな」
アムロ 「貴様ほどの男が、なんて器量の小さい」
シャア 「ララァ・スンは私の母になってくれるかもしれなかった女性だ。そのララァを殺したお前に言えたことか」
アムロ 「お母さん?ララァが?うわっ」

ナナイ 「…大佐が」
ライル 「おい、ナナイ、どうしたんだ?」
オペレーターA 「アクシズが地球から離れていきます」
ライル 「そんな馬鹿な」

オペレーターA 「アクシズ、進路変更確実、地球から離れます」




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