薮内正幸の世界展
吉祥寺美術館に、「動物画の奇才 薮内正幸の世界展」を観に行きました。たぶんほとんどの人がそんな画家は知らないといわれると思いますが、実はほとんどの人が見たことのある作品を書いた画家です。徳島動物園のプレート。野鳥の会の会報誌の表紙。サントリーの鳥の描かれたポスター。福音館書店の「かがくのとも」や「たくさんのふしぎ」。福音館書店の『冒険者たち』などガンバの冒険シリーズの挿絵。学研などの図鑑の挿絵。もしかしたら、目にした本物そっくりの鳥や動物の絵の半分くらいはこの人の作品だったかもしれません。本当に緻密な絵を描かれる人でした。横行を卒業して以来、ずっと、動物の絵を描くために生きてきたような人でした。60歳の若さで亡くなってしまったと知って、ショックを受けました。どんどん自然が生活から遠ざかっていく時代に、またこのような動物画の画家が出るのだろうかと考えるとさびしくなります。