どうなる参院選(中)

2007.06.18

テーマ：政治について(20190)

カテゴリ：政局

　今回は衆参同日選の可能性について論じたいと思います。

　衆参同日選とは，衆議院選挙と参議院選挙を同じ日に実施することを言いますが，現在その可能性がマスコミを中心に示唆されています。要するに，7月29日に参院選があるわけですが，それに合わせて安倍晋三首相は衆議院を解散して衆参ダブルで選挙を実施するのかどうか，ということです。

　衆参同日選は過去に2回ありました。1回目は1980年の大平内閣の時。社会党が提出した内閣不信任案が自民党・反主流派の欠席によって可決，「ハプニング解散」となり，憲政史上初めての衆参同日選となったのです。

　2回目は1986年の中曾根内閣の時。この2回の共通点は，いずれも与党・自民党が勝利しているということです。特に1回目の際は，選挙期間中の大平首相急死というハプニングもあり，同情票が集まって自民党勝利に結びつきました。

　安倍首相は今年の年頭記者会見で，同日選の可能性について「現在のところまったく考えていない」と否定していました。中曾根康弘元首相も「大義名分がない」と述べていました。

　ところが最近の安倍首相は，同日選の可能性について質問されると，完全には否定していないのです。つまり，安倍首相自身も同日選を視野に考え始めているということが読み取れる訳です。

　では，同日選となる場合，その誘因となることとして，どのようなことが考えられるのでしょうか。

　例えば，内閣不信任決議案が提出された場合。実際に野党は提出する構えですが，それで果たして解散に至らしめるのかは分かりません。ただ，野党としては解散を狙っているかも知れませんね。なぜなら，衆議院と参議院の選挙で野党が勝利すれば，政権交代が実現するからです。逆に言うと，与党にとって衆議院解散は極めて危険な行為と言えるでしょう。圧勝の自信があればいいでしょうが，ご存知のとおり，今は年金問題などで国民の不満は高まっており，内閣支持率も最低を更新しています。このまま同日選に突入すれば，与党が惨敗，下野する可能性が高い訳です。

　そのほかの例として，安倍首相が今国会での成立を目指している公務員制度改革関連法案が成立せず廃案となった場合。2005年の「郵政解散」になぞらえて，安倍首相も解散に踏み切り，小泉前首相のように強気の姿勢をアピールして勝利を目指すのかも知れません。

　しかし，これらの例は決して大義名分があるとは言えないですね。したがって私は，衆参同日選の可能性はないと予想しています。

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最終更新日 2007.06.20 16:30:00
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