『バンテージ・ポイント』
柔らかい陽射しに包まれた今日の午後,私は岐阜県内の某大型ショッピングモール内のシネマコンプレックスで映画『バンテージ・ポイント』を鑑賞した。 もとより私には映画鑑賞の習慣はない。映画館へ赴いたのも久しぶりのことで,約5年ぶりである。 そんな私が今回,『バンテージ・ポイント』を鑑賞するに至った最大の動機は,スペインの都市・サラマンカが舞台となっている点にある。 なぜなら,私の住む岐阜県とサラマンカ市は友好交流を行っており,同県内には「サラマンカホール」という施設まであるのだ。そういう訳で,自然と『バンテージ・ポイント』に対する親近感を覚えた私は,映画館へと導かれていったのである。 月曜日の今日はメンズデー。料金は\1,000。前売券よりも安価だ。座席を指定し,千円札1枚を女性スタッフに差し出す。 コーヒー(Sサイズ,\250)を片手に所定の上映室に入った私は,後部中央の座席に腰を下ろした。居合わせた観客は約10名と僅少。 米国大統領の狙撃を,8人の視点から描いているのがこの映画の特徴。したがって同じ場面が8回繰り返される訳だが,さすがに8回も大統領狙撃のシーンを見せられるのはいささか辟易する。 ただ,狙撃されるのは替え玉であり,本物の大統領は無事だったものの,まもなく誘拐される。 狙撃の直後に大統領に駆け寄ったと誤認されたスペインの刑事・エンリケはシークレットサービスに追跡される訳だが,車に跳ねられたのにもかかわらずよくも死なずに逃げ続けるなぁ,と息をのんで見守っていた。 テイラーがバーンズに追われる場面は壮絶なカーレースが展開されていたが,パトカーが普通乗用車に追われているのがなんとも面白い。普通は逆なのに。互いに発砲し合っていたが,車のタイヤをパンクさせてしまった方が手っ取り早いのでは…と思った。 容疑者は死亡してしまったが,大統領が無事に保護され,私は胸を撫で下ろした。1年前に引き続き,大統領の命を守りぬいたバーンズ。危険も恐れない彼の勇敢さには頭が下がる。