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三角猫の巣窟

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純文学の小説を中心に読書録を書いています。基本的にネタばれしています。
小説の構成や描写技法を中心に考察しているので、小説家を目指す人にとっては参考になる部分もあるかもしれないし、小説家を目指すつもりでない人も次に読む本を選ぶ参考程度にはなるかもしれません。
古いほう読書録はほとんどこのブログへの訪問者がいなくて日記代わりに雑感をメモしていただけなので他の人が読むほどの内容じゃないです。自分で読書録を読み返してもあらすじを思い出せない本があって、もうちょいあらすじなり特徴なりを詳しく書いておけばよかったと反省したので、最近は時間をかけてちゃんとレビューするようにしています。
いち本好きとして良いと思った小説は賞賛して悪いと思った小説は罵詈雑言を浴びせているのですが、小説の感想というのは個人の知識や価値観を反映させるので、結局のところ自分で読んでみないと意味がないのです。
ネットの中をさまよって偶然この読書録にたどりついた人は、面白いと賞賛しているのを読んでみたり、逆に罵倒している小説がそんなにつまらないはずはないと読んでみたりするのもよいでしょう。
この読書録がきっかけとなって他の人にも本が読まれることで、小説の発展にほんの少しでも貢献できればよいと思っているのです。

 ∧ ∧
(=‘ω‘ =)つお勧め本
辻原登『東京大学で世界文学を学ぶ』
辻原登『東大で文学を学ぶ ドストエフスキーから谷崎潤一郎へ』

評価基準:
★★★★★:感動したニャー
★★★★☆:技術や感性に芸術性があって面白いニャー
★★★☆☆:暇つぶし大衆小説程度ニャー
★★☆☆☆:描写技術や知識が出版に満たないレベルニャー
★☆☆☆☆:ゴミニャー

 ∧ ∧
(=‘ω‘ =)<みかんの妖精のLINEスタンプを作ったのである。
2018.09.19
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カテゴリ:小説

妖に守られている病弱な若旦那が殺人事件に巻き込まれる話。

●あらすじ

廻船問屋長崎屋の若旦那の一太郎は体が弱くて祖父の遺言で犬神の佐助と白沢の仁吉や付喪神たちに守られて生活していて、過保護な親の目を盗んで外出したら殺人犯に顔を見られてしまう。岡っ引きの清七は武士の試し切りだというものの一太郎は納得がいかなかったので妖たちに事件を調べさせる。
一太郎は幼馴染の菓子屋の栄吉の愚痴を聞いたり街の様子を聞いたりして事件を推理していると、木乃伊を欲しがる変な客に襲われて、男は下手人として捕まるものの動機が腑に落ちない。
一太郎は内緒で奉公に行った兄の松之助に会いに行って行方不明になったので仁吉が探しに行くと、薬種屋が薬を欲しがる男に殺される事件が次々に起きる。一太郎は屏風のぞきに親が兄を疎んじている理由を聞きだす。
また薬種屋が殺されて犯人の動機が一様におかしいので、一太郎は妖絡みの事件だと思って妖たちに捜査をさせると、付喪神になりそこねた墨壺が人間にとりついたようだった。墨壺は付喪神になるための薬を欲しがって返魂香で生き返った一太郎を狙っていたので、一太郎たちは墨壺と対決する。

●感想

一太郎視点の三人称。著者は漫画家から小説家に転向したらしく、いかにも漫画チックな内容。殺人事件を調べていくうちに一太郎が夜中に外出をする理由や一太郎が妖に守られている理由が明らかになっていくというオーソドックスなミステリの構図。しかし妖に事件を捜査させるのなら岡っ引きが事件を語るのは蛇足になる。そのうえ前半は病弱な一太郎のペースに合わせて展開がのんびりもっさりしているのでサスペンス性が低くなるし、妖ならではという見せ場も少ない。せっかくいろいろな種類の妖が出てくるのだから、事件を調べる鳴家の視点だとか妖怪ならではの人間とは違う捜査方法や考え方を展開したらミステリとしてもっと面白くなったかもしれない。
言葉遣いは現代語なので、読みやすい反面江戸時代を舞台にする必然性も薄くなる。妖が当然のように存在する雰囲気づくりとして現代以外の舞台設定にしたいのだろうけれど、妖が怖い存在でなくて一太郎目線で親しい存在として書かれているので妖怪らしい不気味さがないし、妖が活躍する場面があまりないし、現代語なのでよけいにあっさりした雰囲気になっていて、雰囲気作りの演出がどこかちぐはぐな感じ。妖怪ならではのおどろおどろしい雰囲気がまったくなくて『ぬらりひょんの孫』系の人間に従属する怖くない妖怪で、いかにも腐女子受けしそうな感じなのでこの辺は好みが分かれるかもしれない。私はアニメの『モノノ怪』や『墓場鬼太郎』みたいな不気味な妖怪のホラーが好きなので、小粋で小回りが利く妖怪というのは魅力がない。人知で理解できない存在だからこそ妖怪に魅力があるわけで、人間が妖怪を理解して手懐けてしまったら人間やペットと大差なくなってしまう。そのせいかミステリでもなくホラーでもなく時代小説でもないファンタジーという感じになっていて、ジャンル小説になり損ねた消去法のようなファンタジーなのはよくない。
文体としても特徴がないので、これは小説でなくても漫画でもいいんじゃないのと思ったら、漫画版『しゃばけ』や、『しゃばけ漫画』もあるらしい。元漫画家の小説が原作の漫画というなんか変な展開で、結局は最初から漫画で出せばよかったんじゃないのと思う。

★★★☆☆

しゃばけ (新潮文庫) [ 畠中恵 ]​​

しゃばけ 1巻【電子書籍】[ 畠中恵 ]​​

しゃばけ漫画 仁吉の巻【電子書籍】[ 畠中恵 ]
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最終更新日  2018.09.19 15:21:14
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