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三角猫の巣窟

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純文学の小説を中心に読書録を書いています。基本的にネタばれしています。
小説の構成や描写技法を中心に考察しているので、小説家を目指す人にとっては参考になる部分もあるかもしれないし、小説家を目指すつもりでない人も次に読む本を選ぶ参考程度にはなるかもしれません。
古いほう読書録はほとんどこのブログへの訪問者がいなくて日記代わりに雑感をメモしていただけなので他の人が読むほどの内容じゃないです。自分で読書録を読み返してもあらすじを思い出せない本があって、もうちょいあらすじなり特徴なりを詳しく書いておけばよかったと反省したので、最近は時間をかけてちゃんとレビューするようにしています。
いち本好きとして良いと思った小説は賞賛して悪いと思った小説は罵詈雑言を浴びせているのですが、小説の感想というのは個人の知識や価値観を反映させるので、結局のところ自分で読んでみないと意味がないのです。
ネットの中をさまよって偶然この読書録にたどりついた人は、面白いと賞賛しているのを読んでみたり、逆に罵倒している小説がそんなにつまらないはずはないと読んでみたりするのもよいでしょう。
この読書録がきっかけとなって他の人にも本が読まれることで、小説の発展にほんの少しでも貢献できればよいと思っているのです。

 ∧ ∧
(=‘ω‘ =)つお勧め本
辻原登『東京大学で世界文学を学ぶ』
辻原登『東大で文学を学ぶ ドストエフスキーから谷崎潤一郎へ』

評価基準:
★★★★★:感動したニャー
★★★★☆:技術や感性に芸術性があって面白いニャー
★★★☆☆:暇つぶし大衆小説程度ニャー
★★☆☆☆:描写技術や知識が出版に満たないレベルニャー
★☆☆☆☆:ゴミニャー

 ∧ ∧
(=‘ω‘ =)<みかんの妖精のLINEスタンプを作ったのである。
2019.03.16
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最近は俳優の新井浩文が強制性交容疑で逮捕されて、ピエール瀧はコカインを使用して逮捕されて、過去作品が販売停止になることの是非が巷で議論されている。
出版業界は表現の自由や言論の自由を重視するので犯罪者でも出版できる。パリ人肉事件の佐川一政は小説家になってマスコミにもてはやされたし、暴力団員も原稿料や印税を寄付するという条件で自伝やエッセイを出版していたりする。それに比べて、なぜ映画やドラマは役者が一人逮捕されただけで犯罪をするまえに作られたすべての過去作品の販売を停止するのか、理由がいまいちわからない。というわけで犯罪者が制作にかかわったフィクションをどう取り扱うべきなのか、考えてみることにした。

●販売自粛される理由

・被害者に配慮して自粛

被害者や遺族は加害者の顔を見たくないし、人によってはPTSDの症状がでるので、被害者に配慮して犯罪者の映像作品を自粛するというのは道理が通っている。極楽とんぼの山本が未成年との淫行で被害届を出されて吉本興業を解雇されたけれど、これは被害者がいるので実刑を受けていなくてもなかなか復帰できずにいる。

・スポンサーに配慮して自粛

小説の場合は出版社が原稿料を払うだけで他に配慮するべきスポンサーがいないし、小資本で制作できるので、編集者の裁量で出版するか否かを決められる。
しかし映画やドラマの場合は1本の制作費が高いので協賛企業を複数集める必要があって、犯罪者が出演することによるイメージダウンをスポンサーが嫌う。映画会社はスポンサーの機嫌を損ねてもう出資しないと言われたら困るので、表現の自由よりもスポンサーのご機嫌伺いを優先して、さっさと公開停止にしてしまうのかもしれない。海外のアーティストが不祥事を起こしても日本で作品の販売を自粛しないのは、日本のスポンサーに気兼ねする必要がないからだろう。

・犯罪が利益につながらないように自粛

アメリカだと犯罪加害者が自らの犯罪物語を出版・販売して利益を得ることを阻止する目的でサムの息子法が制定された。YouTuberが金儲けのために注目されようとして迷惑行為や危険ないたずらをするように、反社会的行為が利益に結びつく状況を放置するのはよくないので、犯罪を二次的にマネタイズする手段を禁止するというのは社会的利益になる。

・犯罪撲滅のための社会的制裁として自粛

メディアは影響力が大きい分だけ社会的責任も大きいし、人気の芸能人の犯罪は社会的影響が大きいので、当事者間の問題では済まなくて犯罪撲滅の姿勢を示すために自主的に厳しい処分をしているのかもしれない。ピエール瀧の場合は薬物使用なので本人以外に被害者がいない犯罪だけれど、社会的制裁という意味合いで曲が販売自粛されたんじゃないかと思う。

●販売自粛や放送中止の対応への疑問点

・犯罪者でも刑期を終えたらテレビに出ていいのか?

北野武はフライデー襲撃事件を起こして謹慎した後にテレビに出ているし、島田紳助は女性マネージャーへの傷害事件を起こして謹慎した後にテレビに出ているし、ホリエモンはライブドア事件で逮捕されて出所後にテレビに出ているし、板東英二は所得隠しが発覚してレギュラー番組は降板したけれどまたテレビに出ている。不倫をした芸能人はたくさんいて、民法上は違法行為だけれど刑事罰ではないせいか一時期は干されてもすぐに復帰する。
犯罪をしてテレビから消える人と、またテレビに出る人の基準がいまいちわからない。刑期を終えたり謹慎したり被害者と和解したりすれば罪を償ったのでもうテレビに出してよいという判断なら、新規の仕事をしない謹慎期間があれば過去作品まで販売自粛をする必要はないのではないか。

・犯罪者を一時的に排除したところで芸能界に自浄作用がない

もともと芸能界はやくざが興行を取り仕切っていて、薬物だけでなく枕営業や賄賂などの不祥事が多いし、上下関係が厳しいせいで新人や若手へのハラスメントも常態化している。今までは事件があっても表面化する前に金を払って被害者と和解してもみ消してきたのだろうし、週刊誌にたれこまれたりしてたまたま犯罪が露見した人だけを芸能界から排除したところで、それが芸能界の健全化につながるのか疑問である。
芸能人だって聖人君子でなくて人間なので、欲もあるし犯罪をする人もいるだろう。そこで芸能事務所が定期的に抜き打ちで薬物チェックをしていたら麻薬の使用は防げたかもしれないし、事務所が性欲を管理して合法的な風俗サービスをあっせんしていたら一般人や未成年に手をだして刑事事件になるのを防げたかもしれない。TOKIOの山口メンバーは事務所が素行を把握して管理していれば何もしないで帰らせることができただろうけれど、事務所に管理能力がないままでは山口メンバーを排除したところで同様の問題が起きるんじゃなかろうか。

・作品のテーマの矛盾

そもそも性や暴力や殺人といった犯罪をテーマにして映画やドラマを作っているくせに、出演者が実際に犯罪をしたら自粛するというのはやっていることがちぐはぐに思える。新井浩文やピエール瀧を映像から消していなかったことにするのでなく、そこで犯罪を掘り下げるドキュメンタリーでも撮ってさらに犯罪の核心に迫るのがクリエイターがやるべきことだろう。表現者として腹が据わってなくて現実の犯罪や批判と向き合うことから逃げるなら、最初から悪事をテーマにせずに悪役が一切出演しない健全なファミリードラマやコメディだけ作ればよい。うわべだけでしか善悪をとらえていない制作者はハードボイルドぶった作品を作る資格がないのではないか。

・ドラッグと芸術の是非

ビートジェネレーション、ヒッピー、レゲエ、サイケデリックミュージックとかはドラッグと結びついた芸術である。例えばビートジェネレーションの作家のウィリアム・バロウズの『裸のランチ』は作者がドラッグをやった体験を基にして書いた小説だけれど、日本では出版自粛されていないし普通に売っている。ピエール瀧がコカインや大麻をやりながら音楽を作ったり演技をしたりしたとしても、その作品を販売自粛しなければならない法的な理由はない。
大麻所持で有罪になった高樹沙耶をマスコミはキワモノのように扱っていたけれど、外国で合法なものが日本で違法であることの是非、あるいは逆に日本で合法なものが外国で違法であることの是非を考える前に、マスコミはドラッグは違法だからダメで思考停止しているように見える。ドラッグだからとダメと思考停止して片っ端から禁止していたら芸術や文化が育たない。例えば酒は合法の薬物なので、八代亜紀の「舟唄」もドラッグの歌ということになる。「舟唄」をいい曲だと思う人は他のドラッグ関連の作品だっていい作品として認めればよいし、作者と作品は別の存在なのだから、作者が逮捕されたとしても作品を販売自粛する必要はないではないか。

●私の意見

犯罪の被害者から加害者が出演している作品の販売を中止するように要請されたときに出演作品の販売を中止するというなら理解できるけれど、制作会社が過剰反応して視聴者に批判されているわけでもないのに反射的に販売を自粛するのは筋が違うんじゃないかと思う。
犯罪の是非と作品の是非は別の問題なので、表現の自由を尊重して、犯罪者が出演している映像作品を視聴するかどうかは個々の視聴者の判断に委ねたほうがよい。視聴者は面白い作品を見たいから金を払うのであって、監督が破産しただの俳優が不倫やDVしただののといった制作者の裏事情は気にしない。どうせ芸能界なんて胡散臭い連中の集まりなのだから、役者がひとり逮捕されたくらいでテレビや映画を見なくなるような人は最初から芸能人を起用したテレビや映画なんて見ない。
マスコミや所属事務所が犯罪者に社会的制裁を与えたいなら販売自粛でなく謹慎期間を設ければよいし、映像を差し替えたりモザイクを入れたりしなくても「この作品に登場する俳優は〇〇罪で逮捕されました」と注意書きを付け足す程度で視聴者の判断材料になる。逮捕された役者が制作中の作品や放映中の作品に対する損害賠償をするのは当然だとしても、過去作品まで販売自粛して巨額の賠償金を払わせるシステムは社会的制裁としてやりすぎで、賠償金が大きすぎると前科者の社会復帰に支障がでるし、どんなに才能があっても一度の失敗で再起不能になるのでは芸術が育たないし、視聴者にとっても得にならないと思う。







最終更新日  2019.03.16 13:52:36
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