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三角猫の巣窟

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2019.04.22
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YouTuberが出てきた当初は一生続けられる仕事じゃないよと冷ややかな目で見られていたけれど、小学生がなりたい職業の上位がYouTuberになったり、代々木アニメーション学院がYouTuber科を作ったり、サラリーマンを辞めてYouTuberになる人が増えたりして、それなりに職業として定着しつつあるようである。というわけで、YouTubeについて考えることにする。

●YouTubeはどうやって優位性を得たのか

・テレビ局のネタ切れ

テレビ局はネタ切れして、ネットのおもしろ動画を紹介して芸能人がリアクションする低品質な番組さえ作るようになった。ネットを使っていない一部の老人にとってはまだ需要があるかもしれないものの、いまどきは老人でもテレビでYouTubeを見るので、だったら最初からYouTubeでおもしろ動画見ればいいじゃんという話になる。

・暇つぶし需要の増大

電話とメールだけのガラケーから高性能のスマホになって、外出時にスマホでできることが増えて暇つぶしの需要が出てきた。頭の固いテレビ局の経営者がネット進出に出遅れた間にすっかりスマホで暇つぶしできる環境が整って、誰もワンセグを使わなくなってスマホでテレビ番組を見るよりもゲームをしたりLINEをしたり動画を見たりするようになった。スマホの手軽さに慣れてしまうと、もう決まった時間に家に帰ってテレビを見るというのが面倒くさくなる。

・他の動画サイトの凋落

2000年代後半の動画共有サイトの黎明期はどのサイトも似たようなもので、たいていは違法コピーされたテレビ番組や映画などが投稿されていた。独自のコメント機能があるニコニコ動画が頭一つ抜けていて、ボーカロイドやMADやオタ芸やゲーム実況者などの新しいことに興味があるアーリーアダプターのユーザーが集まっている感じで、それに対してYouTubeはニコニコ動画からの転載が投稿されている程度で特に見どころがないサイトだった。
しかしYouTubeはGoogleの資金力で設備投資されて動画を再生しても途切れなくなって他のサイトよりも動画が見やすくなったし、動画をブログに埋め込んで共有したりする設定もやりやすくなった。それに加えてGoogleの傘下になったことでSEOで上位に出てくるようになって、検索で優位に立てることになった。動画を投稿する人は大勢の人に見てほしいから投稿するわけで、必然的にSEOに有利なプラットフォームのユーザー数が増えることになる。さらに広告で収益化できることでオリジナルコンテンツが増えた。ミュージシャンがYouTubeを公式SNSとして使って高品質のPVを投稿したりするようになると、もはや画質が荒い違法コピー動画ばかりの他の動画共有サイトは競合相手ではなくなって、DailyMotionの動画とかはほとんど検索に出なくなった。
ニコニコ動画は有料チャンネルで固定ファンを囲い込む戦略だったものの、アニメのオンデマンド配信とかのオタク向けのコンテンツばかりで一般人受けするコンテンツがなくて、設備投資をしなかったので無料会員は生放送から追い出されたり動画が途切れたりして使いづらくて無料会員のユーザーが離れていったうえに、サブスクリプションサービスが出てくるとそっちのほうが便利になって有料会員も離れていった。

●YouTubeは新しい需要を発掘した

・日常の価値を発掘した

今までのテレビは主にプロフェッショナルを映してきた。プロの料理人のレシピ、プロのメークアップ、プロのファッションコーディネート、プロのお笑い芸人の漫才とか、専門性が高い人による価値のある情報を番組にするわけである。『アタック25』や『新婚さんいらっしゃい』や『学校へ行こう』や『ぽつんと一軒家』のような素人参加型の番組もあったけれど、司会は芸能人がやってディレクターが面白い部分を編集して、素人臭さがつまらなさにならないようにプロが制作を主導しているという点で素人のコンテンツとはいえない。
それに対してYouTubeは普段はテレビでは見られない、日常生活というコンテンツを発掘した。一般人がどういうメイクをしているのか、どういうDIYをしているのか、どういう子育てをしているのか、どうペットを飼っているのか、どこに旅行に行ったのか、どうキャンプをするのか、どう釣りをするのか、友達と普段どういう会話をするのかなど、視聴者は着飾った金持ちの芸能人ではない一般人の日常生活に興味を持つようになった。例えば所ジョージが金をかけて自動車いじりをする番組を見るよりも、庶民が低予算でやりくりしながら自動車いじりをするYouTubeの動画を見るほうが庶民には参考になる。これは視聴率だけしか考えていないテレビ局ではできなかった発想だった。
芸能人のカリスマ性が落ちてテレビの影響力が低くなったのと比例して、スマホの普及とオンデマンドの暇つぶしの需要の増加とともにYouTuberの人気が高まってきた。たまに中学生や高校生の間で変なものが流行ったりするけれど、その動画の投稿者やトピックに興味がある人にとって役に立ったり面白かったりすれば、他の大多数の視聴者にとってつまらなかったり投稿者に専門性がなかったりしてもコンテンツとして成立する。子供は家族や親戚や同級生の生活しか知らないので、大人のYouTuberがどういう生活をしているのか興味を持って、私生活が不明な気取った芸能人よりも、より身近に感じられる若いYouTuberの真似をしたがるわけである。

・テレビに出ない専門家の需要を発掘した

ニコニコ動画はネットやアニメが好きなオタク向けというイメージで荒らしコメントやホモネタが多くてまともな一般人からは敬遠されたのに対して、YouTubeはインターネットミームに汚染されていないので、いろいろな分野の専門家がニコニコ動画よりも視聴者層のイメージのよいYouTubeを使うようになった。
例えば私はギターを弾くけれど、ギターの弾き方というのは本や楽譜を見てもいまいちわからない。しかしギターの専門家がギターの弾き方を解説するYouTubeチャンネルを見ればギターの弾き方がわかりやすい。テレビの音楽番組は演奏が中心で楽器の弾き方を解説する番組はなかったので、YouTubeが新しい需要を発掘したのである。他の分野のあまりテレビには出ない専門家もYouTubeで情報発信できるようになって、税理士や会計士による税金の解説とか、M&AコンサルタントによるM&Aのやり方の解説とか、大工による柱の継ぎ方の解説とか、手芸作家による小物の作り方の解説とか、ボディビルダーの食事や筋トレの解説とか、様々な分野で専門家による実用的な動画が投稿されている。こういうのはブログや本でも代替になるけれど、無料で動画を見られるというのは視聴者にとって大きなメリットになるし、特に金がない若者が知識や技術を身につけるのには役に立つ。投稿する人にとっても本業の宣伝になったり副業として収入源になるのでメリットがあって、例えば収入が低い保育士が経験を活かして子供をあやすオリジナルソングを投稿して収入を得られれば、金銭的な理由で保育士を辞めなくても済むかもしれない。

・テレビに出ないマイナーなスポーツや娯楽の需要を発掘した

競艇は独自の動画サイトを持っているのでYouTubeに頼らなくてもよいけれど、資金力が乏しいスポーツや娯楽は設備投資せずにYouTubeで配信できるのは大きなメリットになる。野球のリトルリーグの試合映像とか、大学のラグビーの試合映像とか、囲碁のライブ中継とか、テレビで放送したら視聴率がとれないようなマイナーなコンテンツでも数百人のファンや関係者は見るし、全国大会とかなら数万人は見るので、ニッチな需要を満たすことができるようになった。

・テレビに出ない芸能人の需要を発掘した

YouTubeは収益化しやすいという点で他の配信サイトよりも配信者にメリットがあるので、元SMAPの人がYouTuberになったり、お笑い芸人がYouTuberになったりして、芸能人が本格的にYouTubeに参入するようになって視聴者としてはテレビ以外でも好きな芸能人の動画を見られるようになって選択肢が増えた。
私は宇宙海賊のゴー☆ジャスがかっこいいと思うのだけれど、テレビでは見かけなくなったのでYouTubeで宇宙海賊が見られるのはよい。あまり面白くないので毎日見たいわけではないけれど、3年に1回くらい宇宙海賊が宇宙の惑星で略奪している元気な姿を見たくなる。

・地方の需要を発掘した

テレビだと地方局の番組は他の地域では見られないので、県外の人は観光情報を知りたいときにウェブサイトや本などのテキストの情報や写真に頼らざるをえなくて、十分な情報を持っていなかったりする。しかし地方都市在住のYouTuberが地元の祭りやイベントを動画にしたり、方言の意味を解説したりすることで、県外の人でもそこがどういう雰囲気の地域でどういう文化があるのかが分かりやすくなった。観光名所でないような地味な場所やマイナーなイベントの魅力もちゃんと発信されることで、観光客は旅行の際の選択肢が増えた。
例えば私の故郷はほとんど外国人観光客が来ない田舎なのだけれど、Abroad in Japanという120万人の登録者がいる人気の在日イギリス人YouTuberが街の紹介動画を作ったら、その動画を見た外国人がわざわざ退屈な田舎まで観光に来ていた。その観光客が旅行動画を投稿すれば、それを見た人がじゃあ行ってみようかなと第二第三の波及効果もでる。YouTubeは役所や観光協会がウェブサイトで公表している観光情報とは違うソースとして地方都市の観光需要を発掘しているわけである。

・外国のニュース番組の需要を発掘した

今まで外国のニュース番組を見るには衛星放送やケーブルテレビを契約しないといけなかったけれど、YouTubeで外国のニュース番組が無料で見られるようになった。アメリカのBloomberg、カタールのAl Jazeera English、イギリスのSky News、ドイツのDW News、フランスのFRANCE 24 English、オーストラリアのABC Newsとかは英語のニュースをYouTubeでライブ放送しているので、世界で起きている出来事を日本のメディアを通さずに知ることができる。日本のメディアは外国に記者を派遣しているけれど、現地の情報をまとめるだけで独自情報はないし、情報を出すのが遅いし、バイアスがかかっていることがあるし、外国で大事件が起きていても日本では扱いが小さかったりするので、外国に興味がある人にとっては外国のニュース映像を直接見れるのは大事である。クリミア危機が起きた時は銃撃戦がライブ配信されていたけれど、こういうのは日本のテレビ局だと放送できない。

・特殊な映像の需要を発掘した

YouTubeだと24時間生放送を続けることができるので、アクアリウムのライブ映像の垂れ流しや作業用BGMの垂れ流しのようなテレビの深夜番組でもできないようなことができるようになった。GoProやドローンや360度カメラなどであちこちの風景を普段とは違う角度から撮れば面白い映像になるし、編集で効果音や特殊効果をつければもっと面白くなる。

●動画が収益化できるようになって問題が起きている

ニコニコ動画は目立ちたがりの人が家で花火をしたりして変なことを注目を集めて満足していたけれど、YouTubeは収益化ができるようになったせいで目立ちたがりの変人にいっそう拍車をかけたり、金儲けだけが目当てでまともにコンテンツを作る気がない人も集めることになって、様々な問題が起きている。

・コンテンツファームになる

子供のおもちゃ開封動画、ひたすらガチャを回す動画、100円ショップで買ってきたものを紹介する動画、Amazonで届いたものを開封する動画、コンビニの新商品を食べる動画、激辛のカップラーメンを食べる動画、他のYouTuberへ物申す動画、アニメを見た反応の動画、ワンピースの次の展開の予想の動画、TikTokの人気動画のコンピレーション、素人のカラオケ動画、ペットに餌をやる動画などは創造性や専門性がなくても誰でも簡単に作れるコンテンツである。ゲームの実況プレイの場合はe-sportsのように腕前や戦略に差がでるゲームなら専門性があるけれど、RPGのように誰がやっても同じストーリーになるゲームの場合は世界中のプレイヤーが似たような動画を投稿することになって差別化ができなくなる。
誰でも作れるコンテンツは広告の単価も低くなるけれど、そこで動画の質を上げるのでなくて量を増やして稼ごうとする人が出てくる。視聴時間が長いほど広告の単価が上がるので、金儲けのために動画の尺が伸ばされたり分割されたりして、元々価値が低いコンテンツがさらに水増しされて、面白い動画や役に立つ動画が見つけにくくなる。
クリエイターも毎日動画を投稿するとネタ切れしてマンネリになっている。売れない芸人がテレビに出ると爪痕を残そうとして張り切って芸を披露するけれど、YouTubeに出ている芸人はだらだらと会話をしてキレがなくなっている。ゲーム実況者は毎日何時間も同じゲームばかりやって飽きているけれど、他のゲームをやると再生数が落ちるので仕方なく人気のゲームを続けている。ヒカキンほど有名になってもコンビニの商品を食べるだけのなんのひねりのないつまらない動画を作ったり、どのYouTuberも太字原色字幕付きの似たような動画を作ったりして、YouTuberが初期にいろいろ試行錯誤していた頃の創造性が失われていて、もはや面白い動画を作って視聴者を楽しませる事よりも金儲けのために投稿し続けることが目的になっている。

・コンテンツが過激化する

似たようなコンテンツだらけになると他の動画と差別化するためにコンテンツが過激になって、危険ないたずらをしたり、炎上目当てで他人に絡んだり、ポルノもどきのASMRのコンテンツを作ったり、政治的なバイアスがかかったヘイトスピーチの動画を作るようになる。社会的に悪影響がある行為をするクリエイターにも金を払うGoogleに問題があるのだけれど、Googleが取り締まる気がない以上は過激なコンテンツが増え続けることになる。一部の広告主が怒ってYouTubeから広告を引き上げたのでGoogleも規約を若干厳しくして対応したけれど、私はGoogleの対応はまだぬるいと思う。

・モラル違反の手法が行われている

ブログの広告やアフィリエイトが儲かった2000年代は、コピーした内容、キーワード詰込みなどのブラックハットSEOを使って儲けようとする人が多くて、金儲けのためだけに作られた役に立たないウェブサイトが検索結果の上位を汚染していた。それが今度はYouTube上で行われている。
手間をかけずにコンテンツを作って再生数を伸ばす手法として、丸々コピーした動画、コピーした動画をつぎはぎしたコンピレーション、ウェブサイトからコピーしたテキストがスクロールする動画、キーワードやタグの詰込み、ミスリードするタイトル、誇張したサムネイルを使ったクリックベイトといった手法が使われている。UUUM系YouTuberがこぞって「この後衝撃の結末が……」「驚きの結果に!?」「涙が止まらない……」とかのタイトルをつけたり変顔をしたりサムネイルにモザイクをかけたりするクリックベイトをやって再生数を稼いでいるのは私はコンプライアンス違反だと思うし、UUUMは上場企業の割にコンプライアンスの認識が甘いと思う。私は釣り系YouTuberの動画を見ていたのだけれど、以前はまともに動画を作っていたのにどんどんクリックベイトがひどくなっていったので見るのをやめた。本来はGoogleが率先してクリックベイトをやめるようにUUUMに指導するなりするべきなのだろうけれど、Googleの日本法人は低品質なまとめサイトやキュレーションサイトを広告の収入源として優遇して野放しにしてきた実績があるのでGoogleのモラルは信用できない。最近はスクロールテキストの動画の収益化ができなくなったようだけれど、クリックベイトをしているYouTuberもいったん広告が剥げればもっとましな動画を作るようになるんじゃなかろうか。

・ステルスマーケティングに利用される

ウェブサイトには口コミサイトを装って商品のいい点だけ伝えて欠点は批判しないアフィリエイトブログとかがあるけれど、YouTubeでもスポンサーから無償提供された商品を褒めまくるだけのステルスマーケティングのような動画がある。
特にゲーム実況は企業案件が多いようで人気のYouTuberはたいていゲーム用のサブチャンネルを持っていたりするけれど、動画で視聴者を楽しませるのでなく、商品を宣伝するために動画を作るステルスマーケティングになりうる。「PR」や「広告」とちゃんと表示するならよいけれど、ステルスマーケティングならコンプライアンス違反である。

・うさんくさい人も参入した

YouTubeが儲かるとわかると企業舎弟やDQNやうさんくさい人も参入してきて、いろいろ問題を起こしている。マネジメント会社と所属YouTuberとの間でトラブルが起きてゲーム部プロジェクトというバーチャルYouTuberグループが運営への不満を暴露して解散したり、ゲーム機のプレゼント企画で子供の登録者を増やしても実際はプレゼントを発送していなかったり、オフ会で視聴者をナンパしようとしたり、マニュアル通りに動画を投稿すれば儲かるといって情報商材を売るうさんくさい企業が出てきたり、YouTuberを広告塔にして稼ごうとするうさんくさい企業が出てきたりしている。ラファエルというYouTuberがうさんくさい投資案件の紹介動画を作ったりしてメインアカウントをBANされてもすぐに別のアカウントを作って復帰したように、永久BANがないので悪質なYouTuberがいてもいたちごっこになっていてあまり自浄作用が働いていない。

・子供に悪影響を与える可能性がある

テレビの場合はBPOがあるので、視聴者からクレームがきたらそれが製作者にも反映されて、ある程度自浄作用がある。しかしYouTubeの場合はよっぽど悪質な動画以外は野放しなので、クリエイターの自由度が高い分、視聴者にとっての危険も多い。判断力が乏しい子供にとっては一層危険である。道徳的で教育的な動画は子供にとってつまらなく映って、非道徳的で危険な動画は子供にとって面白く映る。例えば熱い飲み物をストローで飲むチャレンジをする動画をまねしてやけどを負った子供がいたし、子供向けのアニメ動画に自殺を促すメッセージが混ざっていたのも問題になった。おにぎりを三十秒で食べるチャレンジをしているYouTuberがいるけれど、動画配信中に赤飯おにぎりを一口で食べようとして喉を詰まらせて亡くなったYouTuberもいて、子供が真似したら危ない。ロリコンがキッズYouTuberに卑猥なコメントをしたのも問題視されて、未成年が出ている動画はコメント禁止になった。
子供から過剰なリアクションを得るために子供に大量のおもちゃやお菓子を与えたりする動画も子供の成長に悪影響を与えうる。キッズYouTuberの動画を見ない私でも、プリンセス姫スイートTV、かんあきチャンネル、キッズラインというのが人気らしいというのは知っている。そういう動画を見るのは子供の視聴者で、同年代の子供が毎日様々なお菓子を食べたり、毎日新しいおもちゃやゲームで遊んだり、休日のたびに遊園地やイベントに行ったりする様子をうらやましいと思って動画を見るのである。あるいは大人が金に物をいわせてソーシャルゲームでほしいキャラが出るまで何十万円分もガチャを回したり、トレーディングカードを何十万円分も大人買いしたりするのも子供に悪影響になる。これは自分で金が稼げない子供の物質的な欲求を肥大させて、欲しいものが手に入らない自分の生活を相対的に価値が低いものだとみなすことにつながるし、欲しいものが手に入らない苦痛がアノミー的自殺につながる。大人でも欲を押さえられなくてソシャゲ依存や買い物依存で自己破産したりするのだから、自制心がない子供にとってはいっそう悪影響になる。親が子供にゲームをやらせたくない教育方針でも子供にゲームの動画を見せていたら意味がないし、他の子供がやっていることを禁止するとかえって子供の欲求をこじらせることになる。悪いYouTuberはその子供の物欲をくすぐるようにゲーム機のプレゼント企画でチャンネル登録者を増やそうとするので、いっそう子供はYouTube依存から抜けられなくなる。あるいは人気者になりたいという承認欲求をこじらせると、授業中に髪を切る動画を撮ったりして反社会的行為をしたり、嘘をついたりしてでも目立とうとするようになって、自己愛性人格障害や演技性人格障害を悪化させることにつながる。
子役俳優が働いているように、キッズYouTuberがいること自体は別に良い。子供自らが動画クリエイターやレポーターを目指してまともな親の監督の元で動画を作るならよいけれど、ろくでなしの親が金儲けのために無理やり子供をYouTuberに仕立てようとする場合があって、アメリカでは親が子供に下剤を飲ませて苦しんでいる様子を動画にしたり、孤児を何人も養子にして無理やりYouTubeの動画を撮って虐待している親がいたりして、親が金儲けのために子供から搾取するのが問題になっている。
DQN親は子供にYouTubeを見させておけばおとなしくしているからといって子供に好き勝手に動画を見させているようだけれど、子供の人格形成にどれだけ悪影響があるのか計り知れないので、親が検閲して子供に見せても安全な動画を選ぶべきである。

●これからYouTubeはどうなるのか

YouTubeは規約がころころかわって広告を剥がされて投稿をやめるクリエイターもいるし検索も使いづらいし見たくないYouTuberがおすすめに出てくるしもうだめだという意見もある。しかし私はまだYouTubeは過渡期でこれからもっと良くなっていく可能性があると思う。理由としては、YouTubeの規約が次第に厳しくなって質の悪い動画やクリエイターを駆逐しようとしていること、ビデオカメラやパソコンパーツが安くなって比較的安価に高画質の動画を作れるようになったこと、5GやWi-Fiなどの高速通信網が整備されること、今後4Kテレビが普及したら大画面で高画質で見れる動画の需要が増えること、AIが仕事を効率化すると暇つぶし需要がさらに増えること、事業系YouTuberなどの高い専門知識を持った人が参入して競争が起きると動画の質が高くなること、企業が変なYouTuberとタイアップするよりも広報をYouTuber担当者にして独自のコンテンツを作ろうとし始めていることが考えられる。
Googleはいろいろなサービスに広告を表示するビジネスなので、広告と相性がよい動画のメディアを手放すことはないだろうし、スパム判定のアルゴリズムの精度が高くなればゴミ動画は次第に排除されていくと思う。YouTubeはちゃんと良質なコンテンツを作るクリエイターに広告収入が還元されるようにして、動画の投稿量を競うのではなくて内容を競うようにしてほしいものである。






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最終更新日  2021.09.28 21:04:52
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