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三角猫の巣窟

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2021.09.17
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最近はポケモンカードの値上がりに投資家や転売屋が目を付けて秋葉原のヨドバシカメラに大人が行列を作っていたのが話題になったように、現代は子供だけでなくて大人も子供向けコンテンツにはまるようになっている。というわけで子供向けコンテンツについて考えることにした。

●子供向けコンテンツの役割

大人は自分の価値観を元にして芸術を鑑賞をする。その一方で、人生経験や知識が乏しい子供は判断基準をもっていないので、作品の内容を鵜呑みにしてしまう。それゆえに子供向けコンテンツは単に面白ければよいというものではなくて教育としての役割を担っていて、勇気や優しさや努力や協力などの社会的に好ましい価値観や社会の仕組みなどの良識を子供に教える内容になっている。性的なものや暴力的なものはレーティングで年齢制限されて、子供の発達段階に応じてふさわしいコンテンツが提供されるようになっている。文字を覚えていない児童には絵本で文字と意味を教えたり、喧嘩したら謝るとかおもちゃで遊んだら片付けるとかの様々なシチュエーションを展開して社会の慣習を覚えさせたりして、文字を覚えた小学生は漫画やアニメやゲームなどのストーリー性があるコンテンツを消費するようになって、ある程度社会常識を身に着けた中学生や高校生は恋愛や冒険や戦闘などの大人っぽい要素があるコンテンツを消費するようになる。

●良い子供向けコンテンツの特徴

・歴史や伝統を受け継ぐ

現代に伝わっている昔話はたいてい江戸時代や明治時代頃に創作されたりしたものだけれど、山で芝刈りだの川で洗濯だのと昔の生活の様子を伝えている。童謡は明治時代に教育目的で作られたものが多いけれど、日本音階が残っている。これは日本人としてのアイデンティティの形成に役立つ。

・現実世界に興味を向けさせる

コンテンツ内で完結せずに、そこから現実世界に興味を持たせて子供の行動や成長につながるのがよいコンテンツと言える。例えば『ムシキング』とかの実在の昆虫をテーマにしたゲームは、現実世界の昆虫採集や自然観察にも興味を向けさせる可能性がある。
宮崎駿は『となりのトトロ』で子供たちに現実世界に興味を持って外で遊んでほしかったようだけれど、逆に子供たちは家でトトロのDVDを見るようになってしまってうまくいかなかった。現実世界の森にはトトロがいないし都会には大きな森がないので、子供たちが外で遊ぶ動機付けとしては失敗したのかもしれない。

・依存させない

たいていの大人は子供の頃に読んだ絵本の内容を忘れているし、絵本を後生大事に取っておいたりしない。これはコンテンツに価値がないわけではなくて発達段階に応じたレーティングがちゃんと機能している証で、歳をとって成長するほど幼稚なコンテンツに興味がなくなって執着しなくなる。例えば『アンパンマン』は一話ごとに完結していてストーリーの続きが気にならないし、キャラクターデザインもかわいくなくてグッズが欲しくならないし成長したときにアンパンマングッズを持っているのが恥ずかしくなるので、依存性がないという点でよいコンテンツである。『ONE PIECE』みたいに少年漫画なのに何十年も連載してキャラクターグッズを売ったり、『新世紀エヴァンゲリオン』みたいに何度もリメイクしたりして消費者を長期間依存させているのはだめである。

・創意工夫させる

『Minecraft』のようなサンドボックスゲームはストーリーやクエストがなくて、建物を作ったりして各自好きなように遊んでいて、創意工夫することでデザインの能力や発想が鍛えられる。

●悪い子供向けコンテンツの特徴

・変な価値観を刷り込む

絵本作家ののぶみは母親の承認欲求をターゲットにして子供の不安を煽る内容の絵本を作っていて、子供のトラウマになったと母親から批判されている。親が死ぬ話とかの子供の発達水準に合っていない内容を刷り込むのは子供向けとしては不適切である。

・過去作品を改変する

昔話は現代と価値観が違って暴力的だという理由で、例えば桃太郎が鬼を倒さずに話し合いで解決するように改変される場合がある。ディズニーとかの昔の作品のリメイクでもキャラクターがLGBTとかの多様性に配慮して大幅に改変される場合があって、最近だと「チップとデールのパークライフ」でセクシーで女性らしいクラリスがモヒカンに改変されたそうな。作品は作られた当時の時代背景を表すからこそ時代を経ても鑑賞する価値があるわけで、過去作品が気に入らないなら改変せずにオリジナルの別の作品を作ればいい。

・子供の経験を先取りする

自分でやってみて考えたり失敗から気づいたりすることが子供の成長には重要なので、何でも正解を教えればよいというものではない。子供に考える時間を与えずに正解を提示してしまうと、自分で現実世界を探索していろいろな新しい物事を体験したり発見したりする動機付けがなくなってしまう。

・創意工夫の機会を奪う

おもちゃを買ってもらえない子供がYouTubeで他の子供がおもちゃで遊んでいる動画を見て代償行為として満足しているけれど、本来はおもちゃがないのなら自分で創意工夫して遊びを見つけるべきである。子供は放っておけば一人で遊びだすもので、トランプが一組あればいろいろなゲームができるし、粘土でサイコロを作ってチラシの裏にすごろくを書いて遊ぶこともできる。子供の頃からYouTube漬けになると、誰かに与えられるのを待ったり誰かを眺めたりするだけで自分で行動しようとしない傍観者のような人生になりかねない。コンテンツ漬けになって自分で創意工夫しなくなるのは精神的肥満とでもいうようなものである。

・欲を煽る

子供は脳が未発達なので、欲を制御するのが難しい。それゆえに欲しいものが手に入らないことがストレスになって、買って買ってと泣きわめきながらだだをこねたりする。トレーディングカードゲームのオリジナルパックを数十万円分開封する動画やソーシャルゲームのガチャを数十万円分回す動画みたいに子供の欲を煽るコンテンツは欲しいものが手に入らないストレスを増大させてアノミー的自殺につながりかねない。

・著作権を侵害する

キッズ系YouTuberと呼ばれる子供向けの内容にコンテンツを絞っている人はアンパンマンやリカちゃん人形とかのおもちゃで寸劇をして大儲けしている。こういうのはおもちゃの人気に頼っていてクリエイター自身にはオリジナリティがないし二次創作で金儲けするのは著作権侵害だけれど、幼児はコンテンツの良し悪しを見抜けないので質の悪いコンテンツを作る素人でも金儲けできるわけである。
こういう低品質なコンテンツを子供に見せるのは子供のおやつに中国産ドッグフードを与えるようなもので、YouTuber任せにせずに親がまともなコンテンツを選択して子供に与えるべきである。

●なぜ大人が子供向けコンテンツを消費するのか

子供向けコンテンツを大人が鑑賞していけないわけではないけれど、いい歳をして子供向けのものに夢中になっている幼稚な人とみられてしまう。ではなぜ大人が子供向けコンテンツを消費しているのか。

・子供時代のやり直し

親にゲームを買ってもらえなかったり勉強漬けで同級生と遊ばせてもらえなかった子供が大人になってからオンラインゲームにはまって廃ゲーマーになったりするように、子供の頃に遊べなかった欲求不満を大人になってから解消するパターンがある。

・所有欲を満たす

駄菓子を箱買いするのが大人買いと呼ばれるように、子供向けのものはたいてい子供の小遣いで買える程度の安い値段なので、大人の財力だと大量に買えて満足度が高くなる。子供向けのアニメや特撮ヒーローとかはコンテンツ自体はテレビで無料で見れるのでおもちゃで稼ぐビジネスモデルなので、安くて高品質なおもちゃやキャラクターグッズが多い。ガンダムのプラモデルを組み立てないまま買い続ける人は、おもちゃとして組み立てて遊ぶよりも好きなものを大量に所有することが目的になっている。
子供向けコンテンツはキャラクターグッズが充実している一方で、大人向けコンテンツはキャラクターグッズがないので、作品を鑑賞したらそれで終わりで、子供の頃からコンテンツを見てグッズを買うのが慣習になってしまっている人は所有欲が満たせないと物足りないのだろう。

・子供相手に承認欲求を満たす

e-sportsだと反射神経が優れている子供が有利だけれど、トレーディングカードゲームだと金があってレアカードをたくさん持っている人が強いので、子供はどうやっても大人に勝てない。大人がレアカードをたくさん持っているとスゲースゲーと子供たちが群がってくるので承認欲求を満たせる。あるいはゲームで生意気な子供をぼこぼこにして泣かせて俺ツエーしている大人げない人もいる。

・子供相手に金儲けする

ゲーム実況は子供に人気で、子供はゲーミングPCを買えないし配信用のソフトの設定も難しくてできないので、大人がマインクラフトで鬼ごっこをするような知的レベルが低いゲーム実況がビジネスとして成立している。あるいは親子でゲームをする様子を配信して金を稼いでいる人もいる。

・子供向けコンテンツが大人も楽しめるくらい高品質になっている

昔の子供向けコンテンツはしょせん子供向けということでシナリオやキャラクターが雑で、初代ガンダムが納期を守るために質を犠牲にして作画崩壊したりクソゲーが粗製乱造されてアタリショックが起きたりしたけれど、最近は創作技術が進歩したり作品の寿命が長くなってシリーズ化したりして、そのぶんシナリオやキャラクターがしっかり作り込まれている。仮面ライダーとかの特撮は若手イケメン俳優が主役をやるようになって母親にも人気がでたそうな。任天堂のマリオを冠した作品は看板作品だけあってゲーム性が高くて年齢を問わずに楽しめるゲームになっていて、例えばマリオのステージを作れる「マリオメーカー」は子供の頃にマリオで遊んだ世代が大人ならではの凝った設計をしたステージを作っている。マーベルの映画はスーパーヒーローが悪者を倒す子供向けのコンテンツでストーリーはちょっと幼稚だけれど、CG技術が発達したことで大人でも面白く感じるくらい戦いの演出が派手になっている。

・理想の大人像がなくなって大人が幼稚になった

芸能人はその時代の理想の人間像を表すもので、昭和の頃の大人像は石原軍団の俳優が典型的で、トレンチコートを着てサングラスをかけてバーでマッカランを飲んでる感じで芸能人にサブカル臭がなくて、漫画やアニメやゲームは子供っぽいオタク趣味という扱いだった。しかしオタクが経済力を持つようになるとアイドルとかがオタクに媚びるようになって、今どきの芸能人はインタビューで趣味を聞かれて漫画やアニメやゲームが趣味だと答えたり、人気のアニメのコスプレをしたりしている。大人は幼稚な趣味にうつつを抜かさずに仕事に専念して政治経済や天下国家を論じるというかっこいい理想像がなくなって、漫画やアニメやゲームなどの子供の頃の趣味を大人になってからも続けることが恥ずかしいという感覚がなくなったのだろう。逆に政治の話をすると右翼や左翼とレッテルを貼られて変な人みたいな扱いをされて大人が幼稚化して、世間知らずなおバカタレントは幼稚でかわいいものとしてもてはやされている。もはや幼稚な大人の崇拝の対象が芸能人である必要もなくなって、子供っぽく騒いでゲーム実況をするVTuberに人気が移っている。
小説や映画といった大人向けのコンテンツが衰退したのも、社会全体で大人が幼稚化していくなかでクリエイターも客も幼稚になったのが原因かもしれない。異世界転生のなろう小説や漫画原作の映画とかの幼稚なコンテンツはヒットしていて、売るためには客に合わせて幼稚にならないといけないという負のスパイラルになっている。

●コンテンツの精神年齢をあげるにはどうすればいいのか

私は大人が子供向けコンテンツを消費するのは個人の自由なので好きにすればよいと思うけれど、大人向けコンテンツが幼稚化しているのはなんとかしないといけないと思う。例えばよい恋愛ドラマは現実世界で恋をしたがる人を増やすけれど、異世界転生してモテモテになってハーレムを作るというのではご都合主義の現実逃避で現実世界で異性を理解して恋愛する動機付けにはならない。よい料理ドラマは行ったことがない飲食店を開拓したり作ったことがない料理を作ってみる動機付けになるけれど、異世界のレストランが繁盛する話だと現実世界に目を向ける動機づけにならない。それでは大人が成長する機会がなくなってしまう。ではどうすればコンテンツの精神年齢をあげることができるのか考えてみる。

・哲学的要素を入れる

コンテンツを消費して終わりでなくて、主人公の決断は正しかったのか、主人公はどう行動すればよかったのかと消費者が自分で考える部分があれば精神的成長につながる。

・教育的要素を入れる

大人でも政治経済について知らないことはたくさんあるので、新しい法律や条約で生活がどう変わるのかとか、マーケティングをどうするべきかとか、物語仕立てで社会の仕組みを学べるようにすると大人が楽しめるコンテンツになる。

・メンターを出す

異世界転生ものみたいに最初から主人公が最強で最高のリーダーという話だと主人公の成長がないけれど、主人公よりも優れた理想のメンターを出すことで消費者は主人公と一緒に成長することができる。例えば『鬼滅の刃』だと正義感があって面倒見がいい煉獄杏寿郎がメンター役として未熟な主人公の成長を導いた。『スパイダーマン:ホームカミング』だと常識がある大人のトニー・スタークが未熟な若者のスパイダーマンを責任感があるヒーローに導くメンター役をしている。大人でも傷病老死の問題で悩んでいるので、メンターがいると大人の成長につながる。

・古典を引用する

古典や伝統文化を引用するとコンテンツの知的水準が若干あがる。ただし古典だからといって正しいことを書いているわけでもないので、むやみに引用すればよいというものでもない。

・社会問題をテーマにする

社会問題をテーマにすると大人向けのコンテンツになる。例えばジャムおじさんにパンをもらったアンパンマンがおなかをすかせたカバオにパンをあげて意地悪なバイキンマンを殴る話は子供向けの幼稚なコンテンツだけれど、父親を介護しながらパン屋で働く独身のおっさんがネグレクトされた母子家庭の子供にパンをあげてDVする元夫を殴る話にして介護や貧困や児童虐待やフードロスをテーマにすると、プロットの構図は同じでも大人向けのシリアスなコンテンツになる。

というわけで子供向けコンテンツも大人向けコンテンツも低品質なものがあふれているので、もっと質が高くなってほしいものである。






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最終更新日  2021.09.28 20:18:18
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