小説2-2(・・・あれ・・・?んっと学校に遅刻しそうになって走っていたら光の柱が降りてきて入れられていきなり眠くなって・・・それで・・・?)リュウはベッドの上で目覚めた。しかしそこはいつもの自分が寝ているベッドではなく、自分がいる部屋も見慣れた自分の部屋ではなかった。 「ようやく目覚めたようじゃの。」 いきなり聞き慣れない声が聞こえた。焦って周りを見回すと、自分の一番近くにお婆さんが、その周囲にはたくさんの人間が集まっていた。そしてその中には自分を柱へ引き込んだ女の子もいた。 「ここは・・・何処だ?」 その質問にお婆さんが答える。 「ここは白魔導士の村じゃ。」 「何で俺をその「白魔導士の村」へ連れてきたんだ?」 「おやハルに聞いておらんのかい?この村を助けてほしいんじゃ。」 「へぇ、あの女の子はハルって言うのか・・・じゃなくて!何で俺がこの村を助けなきゃなんねぇんだよ!」 「そこからは私が話します。村長、いいですか?」 いきなり女の子の声が部屋中に響いた。その声が聞こえたほうを見ると、声の主はさっきの少女、ハルだった。 「そうかい。これは助かるわい。若い者の早口についていくのはこの歳では大変でのぅ・・・。」 そう言うとその場を退き、ハルがその場に来た。 「ありがとうございます。村長。」 そして令をすると、次にリュウに向かって、 「あんたの名前は?」 と、ぶっきらぼうに聞いた。 「おいおい、俺は来客だぜ?しかも無理やり連れてこられた。」 「なら私なんか無視してそのまま走っていけば良かったじゃない。で、あんたの名前は?」 「ぐ・・・リュウ。神風 リュウ。」 この口減らずな女めが・・・と思ったが怒りを抑えて答えた。答えてやった。 「リュウ、ね。私はハルよ。」 まぁそれは知ってたけどな、と思いながらリュウは質問をした。 「じゃあ、質問するぜ。何で俺がお前らの村を助けなきゃならないんだ?」 すると急にハルが深刻そうな表情になった。 「・・・最近ここにモンスターが襲ってくるようになったの。」 「え・・・」 「そしてこの村の食料を奪っていくの。それにこの村に住んでいるのは全員白魔導士。だからモンスターを撃退できるほどの力も魔法もないのよ・・・。だからこの村にあった「異世界への扉」と呼ばれる場所を使ってあなたを連れてきた。」 「異世界への扉・・・?」 「文字通り異世界へ行けると言われる扉よ。誰も信じてなかったけど、もうそれに頼るしかなかったの。」 なるほど・・・それで俺を連れてきたのか・・・。 「でも、それならこの世界にも大きな街くらいあるんだろ?そこから傭兵でも何でも雇えばいいじゃん。」 その言葉でさらにハルは暗くなってしまった。 「ここは街から遠い森のさらに奥にあるの。だからその兵を呼ぶ手段はないし、たとえ街と連絡がとれたとしても、街の重役達はこんな場所へ兵を派遣したりしないわよ・・・。」 「そうか・・・。」 今のリュウの心境は複雑だった。 自分はこの村とはなんの関係もないのだからまたその扉を通って帰ってしまえばいい。 しかしそうすればこの村は・・・ハル達は死んでしまう。 「・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・」 沈黙。 ズガアアアアァァァァァァァン!!!!! いきなり轟音が鳴り響いた。全員に緊張が走る。 外から男の声が響いた。 「大変だ!!またモンスターが来たぞおぉぉ!!!」 その掛け声が終わるか終わらないかのうちに部屋にいた全ての人々が外へ出た。 「・・・ッ!リュウはここで大人しくしてて!!」 ハルが叫び、外へと向かう。 その時には既に戦闘が始まっていた。 「グギャアアアアア!!」 「ぐはぁっ!!」 ベキャッ ガキッ ガスッ 人間の声、モンスターの声、何かが壊れる音。 いろいろな音の混ぜ合わせがリュウの耳に侵入してくる。しかし、 (ここで俺があそこへ行ったって役に立つ事なんてない・・・) そう自分に言い聞かせて自分の衝動を抑えていた。 その間も音が絶え間なく侵入してくる。そして、 (俺に何かできる事はないのか・・・!) リュウはベッドを抜け出した。 そしてハルの命令を無視し、外へ向かった・・・ -----第2話 完----- 加筆・修正のつもりがかなり変わっちゃいました。 まぁ自分的前よりはいい出来だと思います。 ジャンル別一覧
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