時のそよかぜ。

2009/08/30(日)08:48

「日本人と韓国人の歴史観の違い」について。(mixiより転載・加筆)

韓国関連(291)

今までいろいろな韓国に関する書物を読んできて感じる事なのですが、「日本となぜこうまで歴史観が違うのか?」 と言う事に関して、私の考えを書きたいと思います。 遠い昔から、その地域の支配者が変わると日本でもヨーロッパでも支配者にとって自分たちに都合の悪い歴史は書き換えられてきたと言う事は知っています。 しかしなぜこうもお隣の国韓国と日本の歴史認識が違うのか。 これが日本と韓国(朝鮮)の中世から現代までの政治的な歴史の流れの違いが大きいと考えています。 まず日本ですが、遠く戦国時代に織田信長が現れ、その事業を引き継ぐ形で豊臣秀吉、徳川家康が天下を統一しました。 そして280年あまり経過し明治政府に受け継がれてきたわけですね。 日本の場合、前任者の事業を引き継ぎ継続発展させてきた側面が強いように感じます。 明治維新は世の中が180度変わりましたが、天皇中心にいわば昔帰りしたような部分もあります。 ですので天皇を中心とした記録物は改竄される事なく、2000年弱の記録が内容を書き換えられることがあまりなく残っているのだと思います。 しかしお隣の国、韓国は違います。 戦乱が多く、記録物が焼失してしまっているという面を割り引いても、時の政権によって何度も記録物の改竄が為されてきています。 まず李王朝時代でも、王様が変わるたびにそれまで記録されてきた内容が大きく書き換えられたり、全部を作り直されたりしていて、歴史学者は幾つかの資料からなにが本当かを判断せねばなりませんでした。 朝鮮王朝実録も王様によってはいくつも存在しますし、書かれている内容も後から書かれたものが前の記録を全否定する物であったりするために、その時々の権力者に都合のいいように解釈されてきています。 例をあげると、豊臣秀吉の朝鮮出兵時に韓国の英雄とうたわれたイスンシン将軍についての記述でも、朝鮮王朝実録宣祖と修正朝鮮王朝実録宣祖に書かれている内容には大きな隔たりがあります。 元々の朝鮮王朝実録では血気にはやるイスンシン将軍よりウォンギュン将軍の方が知略的で有能な将軍と書かれていましたが、仁祖の時代に書き直された修正朝鮮王朝実録では二人の将軍は正反対の評価になっています。 仁祖という王様は、宣祖から政権を引き継いだ光海君をクーデター(仁祖反正)で追い出して王様になった人物です。 その取り巻きを含め、前政権を全否定しないと自分たちのクーデターの正当性が無くなってしまうという理由で、修正朝鮮王朝実録を作ったわけです。 その中で先に出てきた、イスンシン将軍は英雄扱いされ、朝鮮王朝実録宣祖にイスンシン将軍と同等に英雄として書かれていたウォンギュン将軍のことを、修正版では完全に卑怯者扱いし逆にイスンシン将軍の足を引っ張った人物として書かれています。 これはウォンギュン将軍の関係者が前政権の光海君派だったことが大きく影響していると言われています。 クーデター(仁祖反正)を起こした者にとっては光海君の関係者は全部が悪人でないといけないわけです。 でないと、光海君の関係者を死刑にした理由がなくなってしまうので、自分たちの都合のいいように朝鮮王朝実録を書き換えたわけです。 韓国(朝鮮)ではその後も王様が代わるたび同じような事が大なり小なり繰り返されてきました。 王様ではなくその時に権力を握った大臣達が、自分たちが権力を握る正当性(名分)にために書き換えるのです。 ですので自分たちの都合のいいように歴史を変えるということに、何の罪悪感も持っていないのです。 この精神は現在にも受け継がれています。 いい例がパクジョンヒ大統領のやったことを全否定したキムヨンサム大統領です。 昔から政治に継続性がまったくありません。 朝鮮戦争で歴史的な書物や遺跡などが破壊されたり消失したりして、それ以前の資料があまりに少ないため、と言う事情があるにせよ、歴史を自分に都合のいいように変えるということに関しては、日本人の感覚では理解しきれない部分があると思います。 そして韓国の歴史ドラマ、韓国国内でも人気がありますが、歴史考証はまったくされていません。 庶民の暮らしぶりなどは、まったくのウソで塗り固められています。 日本のようにしっかりした時代考証に沿ったドラマやドキュメンタリーは、韓国では今まで制作されたことがありません。 こういう部分でも、自分の国の歴史を権力者が大きく変えてくるのが当たり前の国と、商店一つの歴史にしても創業何百年と歴史を大切にしてきた国での、歴史に対する考え方の違いが出ているのだろうと考えます。 結論は・・・歴史を自分の先祖達が築き上げた積み重ねてきた伝統と感じるのか、時の権力者が自分の都合で頻繁に書き換える国との違い、すなわち自分たちの先祖の積み重ねてきた歴史に敬意を持っているか否か・・・と言う事だと感じています。

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