【アナニアシヴィリと世界のスターたち1】【アナニアシヴィリと世界のスターたち1】(DVD)(収録:1991年/Bunkamuraオーチャードホール) ガラは色々見られて楽しい。 個人的に最後に気になったのは、最後バジルなのにフィナーレで上半身裸のルジ。お~い、脈絡ないよ~。(嬉しいけど) 「ばらの精」 (ニーナ&ルジ) ルジってばピンクもお似合いになるのねっ!それも薔薇が滲んだようなピンクがっ!悩ましすぎるんですけど。どう見たって純粋に夢心地の乙女をバラの香りで舞踏会のワルツにいざなう、というより、薔薇の香りの媚薬でピンクの世界に誘惑する、の図ではないか?乙女の手を初めて取ったとき、陶酔するような半開きの口元がセクシーすぎますってば。 「白鳥の湖」第2幕より ”グラン・アダージオ” (イルマ・ニオラーゼ&ユーリー・ポーソホフ) イルマのイメージってこれまでシェヘラザードのこんなのとか、海賊のこんなのとか、こんなのだったので、クラシックの白鳥オデットはどうなのかな~と思ってた。 正直、あとのジゼルのほうが断然良かったように思う。映像での白鳥は、エッセンシャルバレエのマハリナが(妖艶すぎるけれども)一番好き。 「海賊」より 奴隷の踊り (インナ・ドリフェーエワ&ワジム・ピサレフ) ランケデムが奴隷市場でギュリナーラをみせびらかす場面なのだけど、どうもちょっと配役がいけてない。魅力に欠けるというか、みせびらかすほどでないというか、残念ながらキーロフのイェレーナ・パンコーワで可憐なギュリナーラを見ているせいか、採点不可です。顔のヴェールを取られたときに見るほうががっがりしちゃダメでしょう…。 「ラ・シルフィード」より パ・ド・ドゥ (オーゼ・ガッドゥ&アレクサンダー・カルピン) やはり地味だった。シルフの無邪気すぎる戯れと生身でない空気感があるといいんですけどねー。 「眠れる森の美女」第3幕より グラン・パ・ド・ドゥ (ニーナ&アレクセイ・ファジェーチェフ) ニーナはティアラと腕のフリフリ衣装が似合うこと。きらきらとお姫様オーラを発してました。どちらかというとソロの方が伸び伸びとしなやかに踊ってると思われる。ファジェーチェフは名パートナーとの解説があるのだけれども、ニーナが窮屈そうに思えたのは私の見る目がないからだろか。 「ムード」 (ニーナ&ファジェーチェフ) こういうの、ルジで見たかったな~。照明を落とした舞台に映し出される2人のダンサーの美しい造形美。ミニマムな衣装がこの振り付けにはぴったり。中盤で力強い跳躍を見せるニーナがかっこいい。 「白鳥の湖」第3幕より グラン・パ・ド・ドゥ (タチアナ・テレホワ&ユーリー・ポーソホフ) テレホワ先生の黒鳥オディール!先生!素敵です!これぞお手本ですね~。王子に向ける誘惑の眼差し、きりりとしたポーズ、どれも見惚れてしまいます。小さなティアラが王冠のようです。 「ゼンツアーノの花祭り」より パ・ド・ドゥ (ガッドゥ&カルピン) よ、よくわかりませんでした…。 「くるみ割り人形」第2幕より グラン・パ・ド・ドゥ (ドロフェーエワ&ピサレフ) ドロフェーエワという人は背中が全くしならないようなんですが。動作がひとつひとつ途切れるようで流れていかない気がします。なんと言うか、コンクールの課題発表を見てるような気分でした。お姫様はニーナが眠りのオーロラやっちゃったし、分が悪すぎるということもあるけれども(衣装もそっくりだし)、だがしかし(以下略)。 「ジゼル」第2幕より パ・ド・ドゥ (イルマ・ニオラーゼ&ユーリー・ポーソホフ) 素晴らしい!イルマが!何かに吊られているような無重力感や、ふわふわと浮いているような実態のなさ、お腹がぷるぷるしそうな体勢で全く力みを感じさせない安定感、風に吹かれただけで折れてしまいそうな華奢な手足、全てが「ジゼル」でした。美しい幻想を見ているようでした。 ポーソホフは、せっかくの跳躍がまるで映えない上下黒の衣装。舞台は足元以外照明を落として暗闇なのに、別の色のタイツはなかったんかい。リハーサルでそういう色のチェックとかしないのかな~。脚裁きとかよかったのに勿体無い。 「ドン・キホーテ」より グラン・パ (ニーナ&ルジ) 二人のパートナーシップに難アリとの評があるとおり、どちらもスターで忙しかったせいか今ひとつなところはあるものの、やっぱり二人とも得意とするドン・キとあって、華があります。 ルジの髪がオールバックじゃないところが嬉しい。キメのポーズが凛々しくて何度見てもホレます。跳躍がふわっと舞い上がり、おもわず「うぉっ!」と叫んでしまったですよ。二度も。 ニーナは大輪の花ですね。キトリはやっぱり真っ赤な衣装がいい。(どこぞのバレエ団ではくすんだ色をご採用ですが、情熱と太陽の国スペインという設定からも真っ赤のほうがよろしいかと) 扇子さばきもキレがあってよろしい。最後に「暑~」て感じで一瞬普通に扇いじゃったけど。高速回転は目が回るかと思いました。あんまり早くて止まれなくなることないんでしょうか。 ドン・キを見ていつも思うのは、たかが床屋のバジルが何故最後は悩殺衣装でキメキメなのでしょうか。スペインの伊達男がキメるといえばコレなのか? ~アンコール~ 「バヤデルカ」より ヴァリアシオン (タチアナ・テレホワ) またもテレホワ先生。素晴らしいです。普通のダンサーとは一線を画してます。 「ゴバック」 (ピサレフ) よくわからなかった。 「瀕死の白鳥」 (ニーナ) その腕のしなりは一体どうなってるのだ?軟体動物並みにくねくねと波打つ腕は、骨、入ってますか~?瀕死にしては勢いよく波打つので、最後疲れきって休憩、バタ、と見えました。プリセツカヤ(の若い頃)なんかはほんとに死にそうでぴくぴくして最後についに…という風でした。 ~フィナーレ~ やっぱり気になる。なぜここでルジは上半身裸なのか…。 |