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ラメな毎日

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06/6/20 【ラスプーチン】


2006年6月20日 【ラスプーチン】
(於: 新宿文化センター)

ラスプーチン: ファルフ・ルジマートフ
アレクサンドラ皇后: エレーナ・エフセーエワ



『ラスプーチン』って、楽しい作品だったんですね。語弊があるでしょうか?

いや、でももっとドロドロした血なまぐさくて重ーいのものだろう、とかラスプーチンの心理に入り込んだ作品かな?とも思ってたので。

チラシに始めっから書いてあるとおり、これはドキュメンタリーではない。おおまかなストーリーがわかっていればわりとシンプルで入りやすいものです。

見てて途中から楽しくなってにやにや笑ってました。いやー、だってファルフ様が、素敵なんです!かわいいという表現もおかしいだろうか。こういう作品にももっともっとご出演願いたいです。わかりやすい感想としては、カッコいい人はだらしなくてもカッコいいっ。これ、心の中で叫んでました。

酔っ払いのくせに、だらしないまま振りを合わせたとたん、誰より目を引くのは贔屓目だけじゃないと思う。ひとたび真顔で回転しだすとキレがよくて、この緩急がなんか快感。最前列にいた人はひょっとして回転音が聞こえたんじゃないでしょーか?

ルジの髪型も良かった。額出しすぎ?とも思っていたけど、今パンフ見ると賢者の秀でたおでこに見えるから不思議。激しく踊って髪が乱暴に額にかぶさり放題なのもますますセクシーだから困る。いや、いいんですけど。

配役見てまずびっくりしたのが、アレクサンドラ皇后がエフセーエワちゃんだったこと。ネタバレだったらすみません。皇后にしては若すぎじゃないの~、と思ったけど高貴な雰囲気もあったし意外と違和感なかった。なにより君はかわいい。良かった、カツラじゃなくて。

目が据わったファルフ様もたいそう魅力的。半開きの口元からは、本で語られているような品の無い言葉を発していたのだろうか。道徳とか秩序とはおよそかけ離れた、人として卑しいラスプーチンなのだけど。やっぱりね~、ルジがやると抗い難い魅力になってしまった。はは。

機械仕掛けのような独特の動きや、人を跨いだり人の上に立ったりとか、振り付けが新鮮でした。特にルジをひっくり返してリフトしたのにはびっくり。皇帝がルジをサポートしてたのは腰に悪そうでした。(腰痛もちとしては気になる)

一幕ではラスプーチンの『淫らな感じを与える笑い』がないな~、と思っていたら2幕へ来てついにルジ様はやってくれました。それそれ、きっとそれよ~~。でも本物よりカッコよすぎとは思う。いいのだ、ルジだから。

皇帝に促されて退場していく皇后を追いかけたいのか、行ったり来たりしてる人形みたいな動きのルジがかわいかった。

酒場でべたべたしてる女性群がうらやましかったですとも。「まったく、女どもはそんなにおれに構ってほしいのか?」という具合に今度はおふざけのお返しを。くちもとがゆるんだ笑い顔で踊る姿がたまらーん。この笑い顔ときたら、例のちょっと淫らでちょっと酔ったハイな感じのだらっとした笑いなんだな。目つきがしらふではないというか。

楽しいのでこのまま終焉なしにしてー、とか、凄惨な表現はやめてー、とか思っていたところ、残酷なことはなく、でもそれとわかるやり方で終わりへと向かったのでした。

二幕の陰謀の場面だったかしら。追い詰められた表現?か、ルジがめちゃくちゃに胸で十字を切ってるとこがあったと思うけど(そう見えたんだけど)、皮肉だな~と思いました。
救済を求めてた皇帝一家に、救い主のような存在だったラスプーチンが、自分の身の危険にはやはり神にすがるんだな~(救済を求めるんだな~)、なんて考えたので。
影を使ってラスプーチンを引きずり込んでいくような場面は、アメリカのちっとも怖くないホラー映画を連想してしまった...。

家に帰ってびっくりしたことには、顔がつやっつやになってました。もちろんテカってもいますが。ルジ効果はコラーゲンよりも効くらしい。

明日(もう今日)も見られるのがうれしい~。
それにしても、新宿文化センターは駅から遠い。シェヘラザードもここなのよね...。

□□□ □□□

にやにや笑いすぎて頬が緩みっぱなしだった。いや~、参ったな。そう来たか!って感じ。
単なる娯楽作品と片付けられないのは、ラスプーチンの幾通りもの別の顔をルジが生きてみせるから。
本当にこんな人だったのじゃないか。こんな魅力を持ち合わせていたのじゃないか。
そう思うと、歴史を動かしたのさえうなずける。


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