06/12/08【白鳥の湖】2006年12月8日 【白鳥の湖】(マリインスキー・バレエ) (於: 東京文化会館) オデット・オディール: ウリヤーナ・ロパートキナ ジークフリート王子: エフゲニー・イワンチェンコ 王妃: エレーナ・パジェーノワ 家庭教師: ピョートル・スタシューナス 道化: アンドレイ・イワーノフ ロットバルト: マキシム・チャシチェゴーロフ 王子の友人たち: ダリア・スホルーコワ(ゴールプの代役)、エカテリーナ・オスモールキナ、ウラジーミル・シクリャローフ 大不評のオケ。白鳥ではやめて欲しかったよ、ほへっ、てガスが抜けたみたいな音。絶対はずしてほしくないとこでも膝が抜けそうに音がダブってた。しゃべりで言うと、カミカミ状態。ちゃんと吹いてるのか?ちゃんと。 まるでエンコしながら走ってる若葉マークの軽自動車みたい。(オートマなのにエンコしてた友人がいたなぁ。一体どうやってエンコするんだ!) 幕が開く前の冒頭の演奏も、なんか、只今練習しております、みたいな雑な音の出し方で、いつもなら「いよいよ白鳥!」と気分が乗るところが「おいおいリハーサルしたのか?」と客を心配させる素人っぷり。音がね~。鳴ってないんですね。楽器は表現する道具なんだから、音出してるだけじゃダメじゃん。ダンサーは気の毒でしたが、つられずにある意味変な音は無視してました。(いいのか、そんなんで) せっかくの引越し公演なのに3軍選手を送り込むのはやめてほしい。いくらダンサーのパフォーマンスがメインでもオケがスカッてると気分も萎えるし、チケット代が高い分罪重いぞ~。 今回は疲れも溜まってたせいか、観た後の反応が我ながら鈍い。 世紀のプリマ・ロパートキナを観るのが初めてで、多分わたしの好きなタイプではないだろうと勝手に思っていたりしたのだけど、観なきゃ一生の損失みたいな評を見るにつけ、とにかくなんとかして見てみようと思ったのです。 そう決めてチケットを取ったのが公演2日前。座席は満席に近かったと思うので、よくぞ空いてました、2階正面。最近間際にチケットを購入してる気が...。今回は2日前になってやっとどうにか行けそうな一筋の光が見えたもので。公演中寝やしないかと心配でした。 会場に着くと、コルスンツェフ降板の貼り紙。がーーん。今回の公演中とても評判がよろしくて、ロパートキナとの絶妙のパートナーシップが見られると結構期待してたのに...。ついに一度も見られず仕舞い。 ロパートキナは身長もあり手足が長く、よく見ると筋肉質で、それでいてか細い印象。手と足が別々の生き物のようでした。彼女のオデットはとてもまろやかで、んー、なんと言ったらいいのでしょう。隙のないたおやかさというか、決して意思を前に押し出してはいないけど、弱々しいだけの存在じゃないというか。 百合のような可憐な花が、水中で音もなくゆっくりとつぼみを広げていくよう。腕はゆらめく波か風に揺れる枝垂桜(しだれざくら)のように自由。(羽のように?) こういう滑らかさって、訓練の賜物なのでしょうね。自分でやるとよく分かるけど、自分の腕でも自分の意思どおりには動いてくれないもので、カクカクしてしまいには肩を痛めてしまいそうになる。 実はこのあまりにもコントロールされた完璧さは、代役王子との愛のなさも手伝ってか、観ている時は『感動』に結びつかなかったのですが(この辺が鈍ってる)、どういうわけか、今になって度々思い返したりしています。 パートナーがコルスンツェフだったらどんな感じだったのでしょう。ふたりの距離感が近くて胸詰まる感じなのかな? 代役のイワチェンコは、いい人そうだけど、一目見て恋に落ちるには難あり。「いいお友達でいましょう」か、「とりあえず付き合ってみないとわからない」タイプ。 なので、オデットはオデットの物語をひとりで踊っていたように見えました。 この辺が孤高といわれる所以? ジャンル別一覧
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