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ラメな毎日

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06/12/26【眠りの森の美女】


2006年12月26日【眠りの森の美女】レニングラード国立バレエ -全3幕 プロローグつき-
(於:東京文化会館)

オーロラ姫: エレーナ・エフセーエワ
デジレ王子: ドミトリー・ルダチェンコ

リラの精: イリーナ・ペレン
カラボス: アンドレイ・ブレグバーゼ
王: マラト・シェミウノフ
王妃: ナタリア・オシポワ
式典長: イーゴリ・フィリモーノフ
妖精/元気の精: エルビラ・ハビブリナ
   優しさの精: アナスタシア・ロマチェンコワ
   鷹揚の精: ヴィクトリア・シシコワ
   呑気の精: タチアナ・ミリツェワ
   勇気の精: オリガ・ステパノワ
4人の王子: ミハイル・シヴァコフ、アンドレイ・クリギン、ヴィタリー・リャブコフ、 デニス・モロゾフ
フロリナ王女: アナスタシア・ロマチェンコワ
青い鳥: アントン・プローム
宝石の精/ダイヤモンド: タチアナ・ミリツェワ
     金、銀、ダイヤモンド: アンナ・スホワ、ユリア・カミロワ、スヴェトラーナ・ロバノワ(カシチェーワの代役)
白い猫: ユリア・アヴェロチキナ
長靴をはいた猫: ラシッド・マミン
赤頭巾ちゃん: ナタリア・リィコワ
狼: ヴィタリー・リャブコフ
ファランドール: エレーナ・ニキフォロワ、デニス・トルマチョフ
子供たち: 高木淑子バレエスクール

指揮: アンドレイ・アニハーノフ
管弦楽: レニングラード国立歌劇場管弦楽団


   

今年最後のバレエはエフセーエワちゃんの【眠り】。
大変、タイヘン、たいへん、良かった。観どころいっぱいで忙しかった。なんか「年収めレニ国祭り」みたいだった。拍手に夢中で手が痛くなってしまった。

今日のオケ。指揮はアニハーノフさんで、とてつもなく素晴らしかった。
幕前の序奏で割れんばかりの拍手!なんて初めて見た。ヴァイオリンの音色があまりに秀逸で、アニハーノフさんも奏者(当然コンサートマスターと思われる)を立たせて挨拶(会釈)するほど。この奏者、1幕後の幕間にすらすらすら~とソロパートを弾いていて、かぶりつきでオケピに乗り出してる人までいました。それでも「あぁ、いい音~~」と聞き惚れていたのに、そのあとで本気モードの演奏を聴いたら、酔いしれてしまいました。うぅぅ、マジで全幕ヴァージョンのCD出して~!

今日のお目当てのエフセーエワちゃんは、文句なし。最高。カツラだけ難あり…。あんなにかわいいのに黄色い髪のカツラつける意味あるのか?ピンクの衣装と白い肌に思いっきり黄色が浮いてるし。3幕の白い衣装に白いカツラのほうが自然だった。
舞台用特殊アイメイクも最近見慣れたけど、変なアイラインはなくていいのに。誰に教わったのかなぁ。

花婿候補のシヴァコフ王子、いいっ!オーロラに興味なさそうなフリをしてるけど目の端で追ってるみたいな、ちょっとひねくれ王子。口ヒゲが意外と似合っていい味出してた。他の王子となにやら目配せしてる顔の演技が面白い。「姫は別嬪さんですな。」「貴様にホレるわけなかろうが。」なーんてけん制し合ってる風にも見えるし、「クリギン王子、そなたの好みであろう?」「先に挨拶されよ。手前は最後でよい(最後がおいしい役どころだから)。」などと友人ぶってる策士なのか、わかりやすくないところがいい。
ルダコ(デジレ)王子に最後姫を持ってかれたときは、内心「ひでー結末」と悪態ついてたんじゃ?隠してるけど唖然憮然といった顔に見えました。
2幕でルダコ王子の友人演ってるときは、貴婦人ポリョフコがお気に入り?で隅でおしゃべり(演技)。ポリョフコ、美人だしね~。

クリギンのわかりやすい演技も好き好き。仏頂面のシヴァ王子と対比で面白い。必要以上に深々とオーバーに姫にご挨拶~。「なんてラヴリ~」のマイム。ヴァイオリン弾きに「マ~ヴェラス!」つれない姫にショック…。(漫画だと「が~~ん」という文字が入るとこですね)

ミリツェワは「呑気の精」と「ダイヤモンド」の二役でどちらからも目が離せなかった。身体のラインと踊りのきれいさで目立つ目立つ。顔がまるいのと、すらりとした姿勢にきれいな肉付きが、ちょっとマハリナっぽい。

ハビブリナは身体がまだ重かった?腰まわりが緩んでる感じがしました。「元気の精」の衣装はかわいいとも言い難く(確か前もそう思った)、たまにはデザイン変えてみたらいいのに。

ステパノワの「勇気の精」。まぁ、なんて役名がぴったり。ピンクの衣装がコワモテ(失礼)のステパノワさんに思いっきり似合わない…。きりりとしたポーズのたびに、強すぎる視線。にらまれたら石に変えられそうだ。(メドゥーサじゃないって) 後姿も男らしい。間違いなくミルタ向きですね。(褒めてないけどけなしてるわけじゃありません。その個性がいいんです。)

マラト君の「王」はいい演技してました~。個性派キャラで輝くタイプだったんですね!?細かい演技がいっぱいあって楽しませてもらいました。随所で愛娘オーロラに目を細めてました。目の中に入れてもイタクナイというやつです。
王妃に促されて編み物女を解放するとき、目と手がワナワナして最後に「もう、知らん!」っとくるりと後ろを向いて「はい降参」みたいにお許しを出したりとか。
そのあとに式典長を軽く責めたりして、「(何かあったりしたら)分かってんだ・ろ・ー・な?」と指を突き立てたり。
3幕のカツラ「横巻きロール段々重ね」みたいなヘアスタイルも意外にすんなり似合ってて、髪型で王妃より目立ってました。

ロマチェンコワは「優しさの精」より「フロリナ王女」のほうがインパクトありました。濃い色の衣装も似合ってたし。

「青い鳥」のアントン・プロームが良かった。あの衣装があんなに似合うとは。ジャンプは跳んでました。それに浮いてました。騎兵隊の休日で見た素のままよりも、青い鳥のメイクのほうがよかったよ。

へたれルダコ。なんか一生懸命でした。エフセーエワの腰を支えて回転させるサポートは傾きがちだったけど、エフセーエワが自力で?立て直してたような。笑顔は絶やさず(うすら笑いぎみ)、ちょっと気弱すぎる王子だけど、前回よりはもたもたしてなかった気がする…。ヴァリエーションは頑張ってました。一生懸命だけどきっと自信がないんだな。しまいには応援モードに。(そんな王子でいいのか?>オーロラ)

ペレンの「リラの精」、なかなかよかった。慣れている役だけあって危なっかしいところがない。結構温かみもあり、毅然としたリラの精でした。

気配だけで逃げ出すカラボス達。「わー!リラの精が来たー!逃げろ逃げろ、ほら早く」一応部下が全員逃げるのを尻叩いて見届けて、最後にカラボスが逃げてゆく。えらいなー、ちゃんと「ボス」してるね。なんて変なとこに感心したりして。

ローズ・アダージオではあまりに完璧で泣けた。音楽との絶妙なハーモニー。震えもしない脚。バランスも気品も保ちつつ、愛らしい姫の大技、華のような笑顔つき。アニハーノフさんがタクトを一振りし音楽がやむと、嵐のような拍手……。素敵だった~。



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