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北海道のアウトドア!

詩作論 ☆修辞法編☆

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描画・松尾多聞


1、良い詩の存在的力量について

 良い詩、悪い詩なんてないかもしれませんが、あえて「ある」と仮定したお話を書きますね。「良い詩」とは、読んでいる者の記憶さえも掘り起こして存在を強いるものです。

しかし、読む側が「強いられる」ことすら苦痛にならず、心地よい表現力が生きています。詩を創作するときに必要な詠む側(創作側)の倫理、「創作の普遍性」とは、こんなところにあるのだと、私は感じています。

 良い作品と、普通の作品は、創りや並べに大して表現における差はありません。しかし厳しく、明確に感動の落差をつけます。そして、説明を不要にする永遠が息づいているものです。そんな作品は、自ら呼吸を開始して、作者をいつか離れて、永遠に生命を謳歌していくと思うのです。

2、詩の定義について

 文章とは?まず読んでもらえる、魅力が存在していなければなりません。

それは、読む側の気持ちの良さにあります。すんなりと、流れるような文章。その上で、納得や共感を相手に持たせることができたなら、その文章は、成功という結果を収めます。(私も、いま、論文を書いていますが......チョット心配です。)

 俳句や短歌、また最近注目を集めている「自由句」などは、総じて詩です。長き文化の申し子として、世界に誇ることができる、日本の崇高な文化なのです。

そして、私たちが書いている「自由詩」も、もっとも、詩的な文芸文化です。

詩が詩であるためには、文章にはない、卓越した連想と感動を読者から引き出さなくてはなりません。

ただ、語句を連で区切ったり、美辞麗句を並べたとしても、「心の共有」がなければ詩ではないのです。私の詩作論の目的と効果について次に述べていこうと思います。見逃しては損をしますよ。

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3、てんとう虫を知らない人について

 あなたの友人に、なんと!「てんとう虫」を知らない人がいたとしましょう。その友人は、てんとう虫を見たこともなければ、聞いたこともない。そのようにしましょう。

 あなたは、どんな説明をしますか?

「王宮の絨毯のような色で」、「ビーチボールに似た丸みで」、「例えば幼児のお出かけルックのいでたちで」、「さながらパソコンマウス」、「星を背負っている如く」、「少女めいた好み」、などなど。

 他にも、「ちょうど」、「まるで」、「見るよう」などの言葉を駆使しながら汗だくで、伝えようとするでしょう。これは「まるで」昔のテレビ番組にあった、連想ゲームさながらですね。

 これを、技法的にいうと、修辞法と呼びます。そんなこと知らなくても、しっかりと、説明はできるのですが、詩を詩として書いていくには、どうしても知っておかなければならない「ヒント」なのです。

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しゅうじ しう【修辞】

言葉を効果的に使って、適切に表現すること。
また、美しく巧みな言葉で飾って表現すること。
また、その技術。「―を凝らした文章」

三省堂提供「大辞林 第二版」より
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4、基本的修辞法の「比喩(ひゆ)」について


 学校で習ったことがあると思います。わたくし、多聞も中学校の国語で、確かに習った覚えがあるのですが、詩を創作する上で、とても重要かつ、便利な表現方法が、「比喩表現」です。てんとう虫で、あなたも無意識に使っていたではありませんか。

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ひゆ 【比喩】

物事を説明するとき、相手のよく知っている物事
を借りてきて、それになぞらえて表現すること。
その方法により、直喩・隠喩・換喩・提喩・諷喩
などがある。

三省堂提供「大辞林 第二版」より
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 そう。この表現は、一番に表現したい対象に、とても類似した「物」や、「事象」など、感覚的発見を探し、見つけて対象を説明する方法ですね。

ウーーム。難しいかな?それじゃ、もっと簡単に多聞流で言うとね、「綿アメみたいな雲」なのです。ただ、「雲」といわれるよりもその雲のイメージが、断然!何倍にも広がりますね。

 比喩とは、突き詰めていくと、あるいは、より上手に使用すると、心により近い「詩」を描く筆にも利用できるのですが、簡単に考えられるほど、単純ではありません。ここからが、私の真骨頂!心して聞いてくださいませ。



5、比喩の種類を知ることの重要性について


 比喩とは、詩(短歌・俳句・自由句・自由詩)を描くものに、必要だと、書きました。どのように必要で、どんな風に使えば、上級者の道が開かれるのでしょうか。まず、比喩には種類があります。次の二法は詩を営むものが知っておかなければならない基本です。憶えておいてくださいね。

●直喩:一つの事物を直接に他の事物にたとえることだね。てんとう虫
 で使ったやつです。

●隠喩:私は「暗喩」って言っているけど、言葉の上では、表現されていないのに、伝わってくる比喩を言うんだ。。「…のようだ」とかを使用しないで起こす技法です。あとで、詳しく説明するね。

 自由詩に、もちろん決まりなんてありません。何度もいいます。しかし、日本語の基本。創作の基本。それを知らずして、苦悩する人が多いのです。この「ヒント」を知ったならば、あなたは大きくライターとして、成長できます。多聞が約束します。その本質を次に書きますね。


6、私の創作における具体例について


 花は散る
 まるで死に行く
 美しき蝶のように

           多聞

 これは、まったくの「直喩」にほかなりません。「まるで」、とかね、「~ように」を直喩を二回も使っています。こんな幼い作品です。幼稚で、私し個人としては、見るに絶えません。


 散る花よ
 蝶が命を失いて

           多聞

 読む方の力量にもよりますが、ここでは、春を謳歌して命を燃やした桜と蝶が映像として交差し、「美しき」と表現しなくても、「死」と言う言葉を使わなくても良いのです。

また、文章が作者の勇気により縮まるからこそ、心に響いてきます。加えて、鏡のように人生の無常までもが、自分に跳ね返ってきて、読者の心を、初めて引き出す力を有します。

 いまだ、理解できない方もいらっしゃると思いますので、もっと簡単に感じてください。前者にも、後者にも文章が続くとしましょう。あなたは、どちらの続きに、心惹かれるでしょう。

 比喩の使い方は、これほど重要なのです。そして、直喩が悪く、暗喩が、最高と私が述べているわけではないことを知ってください。俳句の詩の世界では「幼稚」とされる直喩ですが、自由詩は17字の絵画の世界とは異なり、押し寄せる言葉のシネマです。大波を「暗喩」とし、さざ波を「直喩」とした組み立てが、感動を誘います。

 私の作品は、そのバリエーションを駆使しながら、もうひとつ高い、人の心を詠い上げることを目標にしています。とても大切な技法ではありますが、すべからく、これは、詩を創作する「足場」であり、心ではないのです。

 美辞麗句を並べる文章がうまい「詩人もどき」と、私たちの違いは、知らないでやっていても、知っていてやっていても、たくさんの技法に生きる「ポエム」があるのです。

ポエジーでもポエトリーでもいいのですが、そこには、心の空間が表されています。

 情景を美しく語る人がいる。心像風景をたんたんと顕すひとも。

でも私は「だから、なんですか?」と、聞きたくなります。お願いだから、私が隠して止まない、私の心を、詩の力で取り出してください。そのように叫びたい気持ちでイッパイです。

 書かずに読ませる。これが、暗喩。あるいは隠喩の極意です。


6、松尾芭蕉に聞いてきたことについて


 芭蕉には、たくさんの弟子がいました。日本一有名な詩人ですね。その彼が語り、記録された本。売っています。「三冊子」。これは、古い日本語の文章言葉で書いてありますので、苦手な人も多いと思います。

 その中で芭蕉は、このようにのべています。

「巧者に病あり」また、「心の作はよし」と、現代語に多聞が訳することを許されるならば、前者は「詩の心を暗喩の難しさに破れ、知らずして、言葉のパズルにはまり、より、高度な言葉や、美しい言葉を使うことが、詩であると錯覚した愚かなオナニスト」、また、後者は、「哲学や、生き方をふまえ、経験を心の発露として伝えたい、愛ある詩人。」


 柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺   芭蕉


 どこにも書いてはいないのに、説明さえも受けていないのに、夕日に染まる法隆寺を丘の上から見つめる、旅に疲れた芭蕉。なんと美しい秋の風情でしょうか。そのように感じるのは、わたしだけでしょうか。ここに、暗喩がきわまっているではありませんか。

 しかし、自由詩とは、本来、もっと創作が困難なものかもしれないと感じるのです。だからこそ、挑戦していける素晴らしいものです。


連想と、そこから発展する「静か」の空間。詩人はそこに生きています。

今日は私の「五月雨(さみだれ)」でお別れします。是非、読んでくださいね。いつもありがとう。今週も頑張っていきましょうね。バイバイ!

BGMつき五月雨を聞きながら素敵な思い出を掘り起こしてくださいね。←クリック

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「五月雨(さみだれ)



花よ花よ 清かなる命よ

問わず語らぬあるがままよ


孤独をさいなむ風に向き

他の生き方も求めずにいて

五月雨に頭を垂れ目をつぶる

やがてを夢見て散ってゆく


あの人が残した僕の想い出よ

何も言わぬシネマの映像よ

ただ美しくかぐわしく溢れ

夢だけを心に焼き付けて



君よ君よあるがままの人よ

僕を見つめて最後に俯いた人

僕はあなたのようにいたいよ

信じる夢の花に埋もれるまで


ああ花よ花よ あの人の姿よ


五月雨に見つけた名もなき花よ

いつも僕は詩を詠っているよ




詩作・松尾多聞

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