池井戸潤著「オレたち花のバブル組」
半沢直樹シリーズ第2弾。 本作も、窮地に追い込まれ、組織の中では立場の弱いはずの主人公が、悪に敢然と立ち向かう物語。 本書に出てくるような嫌な奴はどこにでもいて、そんな奴にいびられている人間にとっては、半沢の活躍ぶりは痛快である。 著者の作品を読むたびに、銀行に就職しなくてよかったと思うのだが、著者は間違いなく銀行が嫌いだ。 あの膠着した組織の中で生き延びるのは、おそらく大変な労力が必要であろう。 それにしても、ことあるごとに、課長失格、次長失格なんて言われたら、精神がおかしくなってしまう。 さて、本書で面白かった点が2つある。 ひとつは、銀行は融資先を正常先、要注意先、破綻懸念先、破綻先に分類するのだが、著者はこれらを「安全な先」、「ちょっとアブナイ先」、「かなりアブナイ先」、「もうイッちゃってる先」と表現している。 これは非常に分かりやすくで非常に面白かった。 2つ目は、「代金取立て手形」。略して「代手(だいて)」と呼ぶらしいが、新人の男性行員がお姉さん行員に「抱いて(だいて=代手)ちょうだい」と言われて、ドギマギするなんていう笑い話だ。 さあ、第3弾はいつ読むことにしようか・・・。