すべりこみアウト。 9すべりこみアウト。 9 すべりこみアウト。8へ <ボクは何もしていない> ボクは何もしていないのに ずっとここでいつものボクでいたのに ボクの周りでどんどん色んなことが起きていく。 ボクは途方に暮れたまま傍観者になりすます。 それでもボクは何もしていないのに ずっとここでいつものボクのままだったのに いつの間にかに当事者に。 ナニガオコルカワカラナイ。 ナニヲスベキカワカラナイ。 <確信> 確信が持てないと前に進めない。 確信なんて一番怪しいものなのに。 <遠いお別れ> ボクのテーマはいつもここ。 見分けることができないらしい。 時間の流れは止められず、人の歩みも同じこと。 戻れる場所はもういない。 遠く、ここから、肩越しに いつかのように、視線だけ 交わす言葉も ないグッバイ。 <いつかどこかで> いつかどこかであうことがこのさきあったりするのかな。 いつかどこかでであってもぼくはしらないふりをする。 いつかどこかでであってもきみもきっとそうだろう。 だってぼくにはそうすべきりゆうがたくさんありすぎて。 だってきみにもそうすべきりゆうがどんどんふえている。 <道化> キミがおどけてみせるたびにボクの心は救われる。 ボクが間違いだらけのこの道をここまで歩いた意味がある。 キミの笑顔に照らされて、僕の涙は砂になる。 <涙> ちょっと涙がこぼれてきたのでここに書いておこう。 ほんとに辛い時はちゃんと見なくちゃだめだ。 辛い気持ちを肌で感じなくちゃ、あとでどうこうなんて出来ない。 ココロの奥の奥の底の底のほうに澱が沈んでしまって もう二度とすくい上げることは出来ない。 時々片鱗は見える。 どこかにあるんだとわかる。 パーフェクトにピースが揃ってないことが。 でももうどうしようもできない。 あの時が勝負だったんだ。あの時じゃなきゃだめだったんだ。 時々こうして流れてくる涙を もう誰にも告げることなく、自分ひとりでやり過ごすしかない。 <ライフ> 君と一緒にいたことに何かしら意味があったのならば 君と一緒にいないことにもきっと意味があるのだろう。 そっちへ行かなかったことに何か理由があったのならば こっちへ来たことにも確かに理由があったのだろう。 僕が何故今ここにいるのか、君は知っているの? <道標> 僕たちは長い時間を一緒に歩いた。 とても長くて一緒にいるのも忘れるほど。 僕はいろんなものに目を奪われる。 君も君の好きなものへと静かに突き進んでいたね。 いつどこにそれはあったのだろう。 僕は全然気付かなかった。 横を見ればいつも君がいると いつの間にかに思い込んでいたから。 ある日隣に誰もいないことに愕然とした。 君は気付いていたの。 だとしたらいつ? それはどこにあったの? <確信> やはりこのことに間違いはないのだと 渋滞の車の中で確信を得る。 何がきっかけになるかわからない。 湧き上がってくるそれをまた再び封印して 愛すべき我が家へと急ぐ。 それは確かに確かなものだけど 今このとき顕すべきものではなく。 今このとき顕れるはずもなく。 おそらく永遠に封印してしかるべきもの。 <赤ら顔> 赤ら顔のおじさんたちに囲まれて その酒の匂いを体中に浴びながら 愛想笑いを浮かべるのが大嫌いだった。 おじさんたちは優しく愛にあふれていたが ただただ酒臭くうっとおしかった。 上機嫌で色々と話しかけてくるのだ。 踊りを踊り、杯を回し、説教をする。 大嫌いだったそのお酒を 今、私は飲んでいい気分。 今ならおじさんたちの説教を嬉しく聞ける。 今ならおじさんたちと同じ酒をおいしく飲める。 今ならおじさんたちと踊りだって一緒に踊れる。 もう。 今となっては遅いのだけど。 <キエユクオモイデ> 僕らはしばらくのあいだ視線を盗んで時を過ごした。 誰にも気付かれぬよう誰もに気づいてもらえるよう。 注意深く探せば一日に何度もその一瞬は光る。 それだけで満たされてそれだけでは飽き足らず。 もう一度もう一度と何度もつぶやけばつぶやくほど その光から遠ざかる。 二人は確かにあのとき一緒だったよね。 ずいぶん遠くに見えていたけど。 知らない間に同じ匂いをかいでいたよね。 今となっては遠い煙のような、消えゆく思いで。 キエユクオモイデ。 <夏の残り香> 夏の匂いをかぎながらいつも 秋の気配を待っている 夏から秋へ移るほんの一瞬に香る あの残り香を逃さないように <サヨナラ> サヨナラと言ってケリをつけたい。 つないでもいない手を振りほどいて。 寄り添ってもいない心を閉ざして。 贈られてもない愛を拒んで。 一度でいいから走り抜けたかった。 僕たちはまだ出逢ってもいなかった。 出逢ってさえいないのにサヨナラが言えるはずもない。 <きつねになりたい> 知っとぉ?きつねのしっぽってふわふわなんよ。 あのね。きつねのしっぽってクルンッてまくらにもなるんよ。 あんなのまくらにして寝てみたいよね~。 いいよね~。きつねって。(心底ホレボレ) きつねに生まれたかった~。 あ。 でも。 撃たれるかぁ~。(心底残念そう) <不器用な愛> 不器用な愛は自由から僕を遠ざける 知らないうちに絡め取られて これがそれかと気づいた頃には 無責任な束縛のクモの巣の中 |