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カテゴリ:白夜行
私の白夜行第9話のレビューをNobさん(気まぐれ気ままなブログ)がご紹介くださったことにより、大変多くのご訪問をいただきました。9話を見て余りの壮絶さにドラマの製作意図に疑問を抱いたみなさんが多かったのかしら。少し追加の感想を。
![]() やっぱりこんなドラマやるべきじゃないと感じる人もいるかと思います。 上は製作発表時の写真ですが、なんとまあ綺麗に向かって 左半分のメインキャストが最終回までに死亡するというドラマです。 でもゲーム的な連続快楽殺人ものや2時間サスペンスなどとこのドラマは大きく違う。 自分たちを守るために必死で犯罪を選択していく子どもの未熟さと愚かさ、そしてその犯罪者として生きる人生の悲惨さをこれでもかと正面から描います。 人の命を奪う行為の先にある果てしない闇と白夜の日々。 こんな悲惨な人生に憧れること、ありえねぇだろう。 ま、そうとも言い切れないから怖いし、批判も出てるんですけどね…。 それでもこのドラマを支持するのは、武田さんの制作発表コメントに垣間見える意図に共鳴したからです(ザ・テレビジョンの白夜行製作発表での武田さんのコメント全文はこちら)。 武田さんコメント 「今まで弾劾して鉄格子の中に放り込んでいた悪に対して、もう少し悪を具体的に知るいい機会になるんじゃないかと。でも悪っていうのは全員にありますからね。どんなにどんなに逃げようが、悪さをする部分というのは心の中に、皆さん全員にあるわけですからね。だから自分の内に眠っている悪を知るというきっかけに、この笹垣という刑事の正義が、その水準まで達することを目指して演じたいと思います。」 毎日毎日、リアル白夜行のようなひどいニュースに接して、「ひどいな、この犯人は人間じゃない」とか「こんなやつ許しておけん」とかいう怒りを感じます。ただその時、無意識に自分は絶対こんなことしないという前提があり、禁を犯した犯人を私は上から断罪してしまいがちなんです。 だからニュースを聞いて瞬間的に怒り、嘆き、悲しむけれど、悪魔を救う方法まで考えない。犯罪者は変態、異常者として片付けて、自分は違うとして安心してしまう。 けれど、白夜行を見たことによって(そして犯罪が二人の美しく若い俳優たちによって悲劇的に繰り返されることもあって)、許されない「罪」と「悪」とはなんなのかということが少し分からなくなった。 殺人は絶対許されない。自分だってこんな環境におかれたらやってしまうかも、否、やっぱりしないだろう。亮司と雪穂は間違っている、許せないはずなのにその魂を救ってあげたい。本当に悪いのはそこまで彼らを追い込んだ大人なのでは、社会では?でも彼らもやっぱり悪い…。 逡巡、葛藤、混乱。 この善悪の基準の混乱こそまさに武田さんが意図していた製作者の思惑かな。自分の中の闇に向き合い、罪びとに寄り添う、でもそのうえでやっぱり相手をそして自分をも傷つけることになる罪を問う。ドラマ白夜行はただ犯罪や悲劇を描くよりも、もっと大きなことを問いかけようとしているんじゃないか、なんて考えてしまうんです。賛否両論を読んでいる時点で、その 目的は十分果たせているのでは。 なーんていろいろ考えてますが、最終回見たら全然違ってた!なんてことも ありですからね。後2回楽しみに見守りたいですね。 山田亮司とも、もうすぐお別れだ。 ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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