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カテゴリ:白夜行
セカチューのなかで、一番好きなシーンはたぶん選びきれない。
ただ私が何度となく思い出すシーンがある。 それは1話のラストで、ラジオの投稿ハガキに導かれるようにして、公開放送のところにたどり着いたサクが、雨の中で、骨の入ったビンを頬につけながら、「このままじゃいけない」と悟るシーン。 もちろん最初に見たときは、こんなにたくさんの人が大雨の中、公開放送を聴いてるって言うのも変だし、ひっくり返っているのをみんなが放置っていうのも変とか思ってた(笑)。 野暮だね・・・お前さん。 で、何度目かに見たときに・・・これは心象風景も兼ねての演出だと思ったので、そこに引っかかることはなくなった。 そして気がついたのが・・・その次に、朔が骨を撒くことを決心して、歩道を渡るシーン。 信号の点滅。 朔太郎が信号を何にもなく渡っていったのではなくて・・・点滅してもう少しで赤信号になってしまいそうなところをギリギリに渡りきったところに、ああ・・・と感じ入った。 きっともし、あそこで赤信号に引っかかったら、サクはせっかくの故郷に帰ろうという決心が鈍ってしまったかもしれない。 人生なんてそんな「一秒」の積み重ねでできていて、それが取り返しのつかない「永遠」につながっていくのかも・・・という無常をワンシーンで感じた。 私は「世界の中心で愛をさけぶ」をちゃんとみたのは、「白夜行」を見た後だったので、セカチューでこのことに気がついたとき鳥肌がたつ思いだった。 「白夜行」で、チビ亮司はあの雨の夜、横断歩道の向こう側に母親から無理やり手を引かれている雪穂を目撃する。 声をかけようとするけれど・・・、信号は点滅し、赤に変わる。 サクは間に合ったが、亮司は間に合わなかった。運命の交差点を渡りきれなかった。 そして、雪穂が連れさられたビルに入っていった亮司の運命は闇へと落ちていくことになる。 あの時、信号に間に合って、ビルに連れ込まれる前の雪穂に声を掛けられたら・・・。 「白夜行」と「セカチュー」は脚本家やキャストが一部同じであることから、よく合わせ鏡のような作りだといわれてきたけれど、この一連の信号のシーンも誰の人生にも訪れる一瞬がもたらす明と暗を照らし出しているような気がして・・・。 堤監督をなぞってるだけという批判もあるかもしれないけれど、これをちゃんと1話に盛り込んだ平川監督はやっぱり素敵だなと思ったりする。 そして白夜行には他にも交差点のシーンや、横断歩道、信号のシーンが何度となく登場する。 今ごろ気づいたの?と笑われそうだが・・・・、人生のなかで何度となく交差する運命の交差点を、亮司と雪穂がその都度渡っていることが物語の中で、映像を通じて暗示されていたんだろう・・・。 そうそう。セカチューと白夜行といえば、 私は最終回のレビューの中で、篠塚の会社の男性が家族写真の下に初恋の人の写真をかくしていたことを「ありえない!!!」と断罪してたんだけど・・・・。 証拠(笑)。 これってセカチューへのオマージュだったのね(爆)。 亜紀ママが、亜紀に家族写真の下に隠して飾るようにアドバイスしてたのを後から見て・・・「これか!!!」って苦笑したよ。 雑につくってるとおもった最終回だけど、こんな遊びだけは忍ばせてたって解釈でいいのかな? 白夜行から初めて作品に触れた私にはわからなかったよ(笑)。 今ならちゃんとわかるんだけどな・・・・。 あとは、これはブログを閉じる前に書いておきたいと思ったことなんだけど・・・・ どうでもいい人にはどうでもいい話だけど、 どうでもいいっていうのも、夢のない話じゃない? だから書いちゃうけど・・・・ 最終回の感想で、歩道橋から飛び降りる亮司を見て・・・私は 世界で一番美しいものをみた と書いてます。 ブログ記事(2006年4月4日) これはセカチューを見てた人なら、あの3話に引っ掛けて書いた感想なんだと思ったと思うんです。 でも・・・私は確かに本放送のときこの3話は見たような気がするけど、そのあと全然再放送とかはみていなかったから・・・ この感想は、セカチューとは全く関係なく出てきた感想。 (もちろんいろんなレビューなどを見て潜在的に刷り込まれた表現だったのかもしれないけど・・・) だから、個人的には『白夜行』のあとに、『セカチュー』のDVDBOXを購入して、3話になって、あの山田君の台詞がでてきて、これも・・・ゾゾゾ!!!!と鳥肌立ちました。 狙ったものでは全くないにしろ、初恋と再生、罪と罰という全然別物のストーリーを演じながら、人間にとって本質的なもの・・・魂の美しさというものが二つの物語できっちり描かれていたからなのでしょう。たとえ一方が他人には醜くみえる狂気により近づいていても。 何に本質的な美しさを感じるか・・・というのはきっと個人個人で全く異なる。 そんな私たちがこのブログで交差するようになって、人生ってなんとも不思議だなと思います。 あのとき、笹が気と対峙した交差点の亮司に衝撃を受けて、その衝動のままブログを開始しようと思い立たなかったら・・・、今私はこんな風にいろんな人の笑顔や言葉を思い出しながら、この記事を書いていない。 私も亮司と一緒に運命の交差点を渡ったんだと思います。 今でもブログを閉じることにしてよかったのか・・・悪かったのか・・・よくわかりません。 でも・・・渡りきった後の、今の別れも、きっと新しい出会いと交差していると思うから・・・ 今は・・・この道を歩いて行こうと思います。 素晴らしすぎる出会いと長年のご愛顧に感謝!!! みんな、愛してるよ(ロックスターか!!)!!! 頑張って、もう一つ書きます。 お付き合いください!間に合うかな??? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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