テラタケの『MANZAI』
手紙興収10億円突破らしいですね。何はともあれ、たくさんの人が映画館に足を運んでくださったのは、素晴らしいことですね。私も最終までに後1回見れたらいいな~と思ってます。そしてそんな「もう一回!」な人に、ぜひオススメしたいMANZAIの話...。テラタケの漫才が寒いという意見がありますが、私はめちゃ受けました。ま、山田孝之が直貴としてやっているという前提がありますが、それでも普通に面白かったです。ただこのネタ、かなり考えられているなと…。見るたびせつなくなります。「気まずいねー!」と日常生活の中で起こる様々な気まずい瞬間ベスト3をマンボーにのせて、演じるわけです。が、直貴にとって、気まずい瞬間ベスト1は、相手に自分の兄貴が殺人犯だということが分かること…。このネタはいつ、誰が、どんな風につくったのか書いてはいなかったけど、気まずい思いばかりをしてきた直貴を見守り、そんな瞬間を「気まずいねー」と乗り越えろよ、「お前はお前だ」という傍らに寄り添う裕輔の気持ちがにじんでいる気がしていて、切ないです。実際直貴がコンビ解消を申し出たとき、裕輔は「気まずいねー」とまぜっかえすわけですが、愛する朝美にお兄さんのことがばれてめっちゃ気まずくなってるとき、直貴は「気まずいねー」と返すことはできない。なんだか裕輔となおの対比を通して、なおの背負っているものの重さが際立つように、漫才のネタさえもストーリーによく絡んで作りこまれている気がします。そして6回目の鑑賞で初めて気が付いたのが、最初の頃二人で漫才の練習していて、倉田に「何がお笑いだよ、辛気臭い顔しやがって」といわれた時に、裕輔が凄い顔で倉田を睨んでるんですよ。「お前なんかに直貴の何が分かるんだ」って顔して…。それ見たときにね、なんか泣けました。裕輔はどんな気持ちで直貴の側にずっと寄り添ってきたんだろうって。こんな風に直貴と裕輔の関係をかんがえるようになったきっかけは、ある1冊の本との出会いです。MANZAI あさのあつこ 山積みの手紙の文庫の隣にひっそりと置いてあったこの「MANZAI」を見つけたとき、なんだかわからないけど、「これだ!」と思って、その日に一気読みしました。もうね、ぜひ読んでください。映画「手紙」をもう一度最終上映までに見ようと思っている人も、DVDで見返そうと思っている人も。なぜお笑いなのか…。MANZAIの主人公二人を通じて、ナオの切ないまでの想いが胸に迫ってきます。そして手紙と全く関係なくても、この小説純粋に面白いです。私の今年読んだ小説ベスト3に間違いなく入りました。2時間くらいで読めます。なんたって活字嫌いのうちのだんなが、3日くらいで読みましたから(笑)。それもシリーズ3まで全部読んでます。二人で映画化するならキャストは誰にするか盛り上がれるくらい、面白くて、キュンとする話です。特にドラマ版セカチュー&ロクサヨファンのあなたなら、絶対心の琴線に触れる何かがあります。読めばわかります。森下さん、これ読んでセカチュー書いたんじゃないかなという気にさせられます。個人的には1がベストで、読むのは1だけでもいいのですが、はるかファンのひとは3まで読んでください(笑)。MANZAIぜひ映像化してほしいです。で、するならどんなキャストがいいか?山田君が関根秋のころなら、漫才の主人公の歩を演じられたと思います。楽天BOOKSでみたら、MANZAIに興味がある人は「手紙」に興味があるようです。こちらみんなテラタケをもっと分かりたいのかもしれない。