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カテゴリ:★「パピヨンパピヨン」第2話★
400字詰で80枚ほどの短篇だったのに、妙に数を消化。長い?
編集プロダクションの人にはかないませんが、味のあるキャラクターの 妙なお話をお楽しみいただけましたか?【笑】 関西人の関西人による小説なので、東京とかスタイリッシュなお話を 愛する方にはつまらないかも【笑】誤字脱字、たくさんあり。 数年前に、投稿済みのため、 似たようなのが出ていても、その辺の人は関知いたしません【笑】 あっちは有料。こっちはタダ。それだけね(笑) ビンボー人でも読めるビンボー人による小説。ネット環境は必要ですが。 「過剰」10 ラストきた~! 貼り付けるのも大変。これで猛烈に閲覧者が増える? 楽天の回し者じゃないし~。楽天さんって、アレ買えコレ買えってうるさい (笑)長編は書いても、自費出版する費用が工面できないので書いてもね。 すぐに似たようなのが出るし。アホがみるブタのケツ、ですか。 そうして熊川は思い付きの作戦を毎日決行した。これで容疑者が炙り出せるかどうか確信がなかったが、やらないよりはましだ。早くオンナのボディガードを終わらせるためにも、これが一番効果があるように思えた。 三日たって彼の思惑どおり、ウワサがたち始めた。 あの現場には幽霊が出る。毎夜毎夜殺された社長の幽霊が徘徊しているというものだ。 と言ってもも熊川が毎日現場に通って、懐中電灯で照らし、巡回していただけなのだが。それを一週間続けた。 すると、最後の夜に現われたのだ。 「来たか」「そのようだ」 保安部長と鈴木主任と熊川は毎日巡回のあと、トイレに潜んでいた。 廊下を歩いてくる人影を、毎日息を潜めて待っていたのだ。 夜のオフィスのトイレは恐ろしく怪しげで、さすがの屈強な男たちもキモが潰れそうになる。「トイレの花子さん」というホラーを思い出して、ドキリとした。もちろん、警備の時は平然として振る舞っているのだが。 しかし今夜で、キモ試しのような任務も終わるだろう。待っていた人物がやってきたのだから。 「ほら、しっかりと照らせ。アニキの幽霊が出てくるぞ」 「幽霊なんていないわよ。あの人は成仏したわ。だって葬儀に五百万円もかけてやったんだから。坊さんもかなりの高僧なのよ。戒名にだってかなりお金を出したんだから。まったく生きていたときは五十円の値打ちもないようなオンナたらしの男だったけど。死んで保険金を残してくれたから、いい葬式出してあげたわよ。これで子供たちと幸せに生きていけるわ」 「ねぇさんも悪人だな。オレを骨抜きにして、アニキを殺させるなんてさ」 「そんなこと言ってないで、何も落とさなかったか調べてよ。あんたが証拠になるような物を落としたりしていたら、あたしにだって疑いがかかるんだから」 「アニキは恨まれてたから、容疑者はこの世に一杯だ。うちの輸入食品のお得意さんたちはすべて容疑者だ。誰が犯人でもおかしくはないさ。もちろんオレも容疑者リストには載っているだろうが、そんなことは平気さ。うまく殺したんだから」 「誰もいないわね。誰かが何か探してるんじゃないかって思ったんだけど」 熊川たちがそっとつけていくと、二つの懐中電灯の描くライトが何度も交差し離れ、動いている。オフィス中をくまなく探っているようだ。 「やっぱりないぞ。幽霊もいないし、誰もいない。探っているやつなんていないぜ」 「そこまでだ」 熊川と保安部長と鈴木主任が一斉にライトを向け、容疑者たちがそこで照らしだされていた。 「だ、誰だ、お前たちは?」 「大帝国警備会社の者です。あなたたちはここの社長を殺し、それを目撃した美咲陽子さんを何度か殺そうとしましたね」 「美咲陽子? やっぱりあのオンナ見ていやがったのか?」 「いいえ。何も。彼女は病気でね、仕事中に居眠りをするクセがあるんです。ナルコレプシーという病気ですよ」 「ゴミ箱にテンプラ屋で拾ってきた揚げだまを大量に入れておいたのに、火事にもならなかった。クソ」 「駅のプラットホームから突き落とそうともしましたね?」 「いいや。そんなことはしてない。たしかにそっちの方がうまく殺せたかもな。もっと早く気がついてりゃよかった」 目撃者の彼女は、残業をしながら意識を失うように眠っていたことに、彼らは気づかなかったのだ。二人で交互に命を狙っていたらしいが、実はゴミの中に揚げだまを大量に入れただけだった。ニュースなどで知っていたので、入れたらしい。転落事故は違うという。二人とも意外に意気地がなかったらしい。 「あなたたちを逮捕します。もちろん我々は告発するだけですが」 こうして美咲陽子のボディガードサービスは終了した。あまり金にはならなかったので、保安部長のしかめっ面は治らなかったが、警察のような逮捕劇ができたのでそれなりに満足していたようだ。 それから三日後、むしゃくしゃしていたといった理由で、女を突き飛ばしていた男が捕まった。 美咲陽子はそのうちの一回、被害者になっていただけらしい。後の一度は、ナルコレプシーの発作で意識が飛んだだけだった。 熊川はやっとオンナのお守りから解放されてほっとしていた。今度は、法人や大物vipのボディガードをさせて下さいと保安部長を拝んでみようと思った。それが男の仕事というものだ。 過剰。陽子はカードの分割払いをしてでもボディガードを必要としていた。必要以上に恐がっていただけだ。そしてあの二人も、犯人独特の怯えのせいで、陽子が犯行を見ていたと思い込んでいた。 しょせん、人とは弱いものだ。小さなことに怯え続けることになる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年05月04日 10時45分00秒
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