カテゴリ:★1「パピヨンパピヨン」★第一話
こんにちは。
キンドルアプリで作品が売れていました。 外国では高め、日本では安めで売っています。 どうせ海外じゃ売れないもん。オール日本語だから。 時代物です。どうも現代物は人気がない。 作者のお薦めは現代物と、ホラー系ファンタジーなんですけど。 リカちゃんとかトウヤ君とか良く動いていると思いますが。 似たようなのがバンバンでるので、投稿は危険です。 頑張っただけに、首をつりたくなります。 あまり売れなくてもキンドルがいいよ。 一ヶ月で千円以上でないと、なかったことになるので、 社食代にもならないでしょう(笑) 時代物のほうがいいのかしらん。拙者とかワシとかいう主人公っていやだな。 丁髷の主人公も頭の中で動かすのがつらい。 女性が主人公でも、江戸時代はアッシとかいって、 男言葉と女言葉って同じだったらしいし。 関西の少女は「うち」にしたけど。 少々田舎の100年前に少女だったオバア様が、「ワシ」といっていたので 仰天した覚えがあります(笑)今でも、アテとか、ワシという中高年がいる。 同級生にいなかったので、ひきました。彼氏にはちょっとね。 キンドルアプリ(入り口)をアンドロイドマーケットでもらって、 アマゾンアカウントを入力し、ストアに入るとすぐ買えるようです。 「パピヨンパピヨン」12 (十二) そして三日目も熊川は約束どおり、九時ぴったりにやってきた。一分だって遅れはしない。それがプロだ。 とうとう二日目も、ストーカーを特定できなかった。熊川と武川たちが、何度も成田杏子を見失ったことも、原因かもしれない。 また黒星だ。敗北だ。御灸をすえるのが、また伸びた。 成田杏子の自宅マンションの付近では、すでに通勤するサラリーマンたちの姿はなく、通学する子供の姿もない。 生ゴミも回収され、パートに出る主婦や営業の車が時折通りかかるだけだ。朝の遅れた喧騒だけがそこにはあった。 また主婦や子供の人並みの中を、スーツで歩くのは制服と同じくらい浮いていたので、今日からは私服にした。 彼女の行動は予測不能だ。恥ずかしくない程度のラフなシャツにブラウンのジャケットに綿パンだ。 突然(いい女)になった成田杏子に、ダサイと言われる覚悟でやってきた。しかし身辺警護をするのに、ダサイも何もないだろう。 今日も成田杏子は、出かける予定だと行っていた。内心ぞっとする。昨日目撃した彼女の万引きを、どのように処理するか、まだ考えあぐねていた。ずっと家に引きこもってくれていれば、どんなにか気が楽だろう。 主任は、未遂に終わった杏子の万引きを見逃すつもりらしい。というよりも見なかったことにするのだろう。 今日も女は、なにをしでかすかわからない。保証金をもらって契約をかわした以上、任務を降りるわけにはいかない。 ストーカーも、上司が回しているビデオには映らずに、まだつきとめられないでいる。それを解決するまでは、成田杏子の気まぐれにつきあうのだ。体力には自信があったが、彼女に振り回されているとこっちの神経が先にやられそうだった。 女の気まぐれの前には、さすがの熊川のタフな心身も、すっかり疲弊していた。契約の中に、VIPの行動に不適切なものが見られたときは、契約を解除できるなどの条項があればと思った。社長に嘆願しても、加えてもらおうと思っていた。 マンションのエントランスホールに降りてきた杏子は、一昨日買ったニットのワンピースを着ていた。 どこかのスナックのママが着ていた、ブランドもののデザインにそっくりだった。靴もどこかで見たようなデザインだ。たぶん高級ブランドのものだ。これも、あのとき買ったものなのだろう。 変身も三日目になると、眉の線もさらにプロのように思い切りよく描かれていた。 マツゲも見事に上がって、マスカラで固定されていた。口元もピンク色の三日月のように、光っている。シャドウにはいま盛んにコマーシャルで宣伝されているゴールドがちりばめられていた。 美容室から出てきたときのようにプロのメイクアップアーティストのメイクが再現されていた。 きっと、何時間もかかったことだろうと思われた。たった一回の講習で習得した杏子のセンスに感心した。 とにかく仕事が完了するまでは、万引きのことには触れないことにする。 「今日はどこへ行きますか? 昨日はよく聞きませんでしたが、たしか無職だとおっしゃってましたよね」 「そうよ。だから毎日ヒマなの」 「そ、それで、よく保証金が払えましたね」 「オヤが残してくれたお金よ。でもいいの。あたしあまりお金いらないから」 「でもあんなに洋服にお金かけてたんですから、これからも買物したいんでしょ」 杏子の買物の仕方には驚いたが、女は元来買物好きだ。恋人がいたときよく突き合わされて足が痛くなり、フットケアマッサージにかけこんだものだ。 「いいの。お金だけがすべてじゃないでしょ?」 「は、はあ、確かにそうですが。働かないと困るでしょう」 「景気が悪いのに誰もあたしなんか雇わないわよ。もう若くないし何もできないの。景気がよくなったら捜してみるわ」 「見合いでもして結婚もいいわね」 「そ、そうですね」 扱いにくい女だと熊川は思った。しかし今日には、室井がメールアドレスをたどって、ストーカーを突き止めるだろう。 そうしたらちょっと待ち伏せして、御灸をすえてやる。もちろん傷害罪で訴えられない程度でだ。ストーキング行為をやめろといえばいい。体に触らないことが大切だ。それでこの仕事は終わる。 「ねぇ、ストーカーはみつかった。昨日のビデオ見たんでしょ? 」 「ただの通行人ばかりで不審者は特定できませんでした。絶対にいるはずですから、カメラの死角にいるのかもしれません。なかなか手強いやつです」 「そう、まだわかんないんだ」 成田杏子はあくびをして、伸びをした。買ったばかりのバッグを大事そうに抱える。 「おれたちはプロですから、必ずみつけます。絶対です。今日は応援がもう一人ついてきていますから、容疑者を特定できるでしょう」 「そう、任せるわ。あなた・・・・・・」 「は?」 「洋服のセンス悪いのね。今度あたしが選んであげようか?」 「結構です。職場に行かないのなら、どこへ行きますか?」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.07.30 21:28:50
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