「遠距離恋愛哲学~ロングディスタンス・ラブ・フィロソフィー」第1話
「リカ~っ! お疲れ様~♪ 今日も疲れたねぇ。でも完売やん^^」隣のレーンで握手をしていたキャップのれんちゃんが抱きついてきた。「いやいや、、ありがとうございます。握手とは哲学です!きりっ」 笑「さすが哲学者様~^^ あははは さあ、行こうおなかすいた~」れんちゃんと手をつないで会場から後ろへ下がっていった。いつもの仕事というかイベントの一つである。午後8時を回ってやっと夕食になった。私の名前は神埼リカ20歳、大阪に拠点を置くアイドルグループ「大阪ラック7」に所属しているアイドルなのだ。ラック7は作家で作詞家の天才プロデューサーと異名をとる少和痩手(すこしわやせて)先生が10年前に東京の浅草に「浅草ラック7」を結成させて苦労した時期もあったけれど人気メンバーが何人も出てきてヒット曲にも恵まれてブレーク、メンバーも増やしてついには全国展開計画を発表埼玉県さいたま市に「浦和ラック7」、愛知県東海市に「東海ラック7」、そして大阪府東大阪市に「大阪ラック7」の4グループが活動しているのです。 ちなみに私は東京都出身で高1の時にラック7のスカウトスタッフに声をかけてもらいその時の同期と候補生としてレッスンをつんで1年に1度ある4グループ合同オーディションで大阪7から指名を受けて加入を決意したのです。家族は大阪に行くのを心配していたけれど、憧れのラック7に加入出来る嬉しさもあり高校に転校する旨を伝えて大阪で一人暮らしと単位制の高校に通いながらアイドル活動を始めたのです。・・・それから今年で4年、いろいろあったなあ・・シングルではセンターにもなったけれど生意気なのが玉に瑕で、ネットを炎上させたり小娘には珍しく尊敬する人物がアリストテレスと言う事で変わりもあつかいさ 苦笑 でも冠番組ももたせてもらったり、可愛い後輩の加入もあって人気は真ん中くらいで辞めようかなあと思った時もあるけれど、仲間やファン、スタッフや家族の支えや励ましもあってここまでこれたのです。 そしてラック7グループ最大のイベントがグループ合同人気投票祭り。数百人の加入アイドルをファンの皆さんが人気投票してくれてその順位でシングルとカップリングを歌うメンバーを決めて合同CDを出してもらえて多くの音楽番組やメディアとかに名前と顔を売るチャンスになるのです。なんと私神埼リカは加入してから3年目の去年に念願の50位になってカップリングに参加できたのです! そして4年目の今年お仕事順調一筋の私に・・・私に・・あの・・秘密の出来事があったのです。 それは一年前、久しぶりに休日を頂いて東京の実家に帰った時の出来事でした。 つづく人生を危険にさらせ!/須藤凜々花/堀内進之介【2500円以上送料無料】