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残念なことに、野生児とみなされて有名になったこどもたちの多くは長生きしません。
急激な環境の変化に対応出来ない、とも解釈されますが、少女アマラとカマラの場合、 孤児院の待遇が意外にも、劣悪だったのかもしれません。 (オグバーンはカマラとアマラが常にがつがつしていたという関係者の証言から、 彼女たちが充分な食事を与えられていなかった可能性を示唆しています。) また、よつんばいで移動したり、犬のように皿をなめている有名な写真が残されていますが、 現代なら障害児差別で問題視されそうですね。 そして、マクリーンの著述には次々気になる事柄がでてきます。 孤児院は財政的に逼迫していた。 (その理由は不詳とされていますが、運営がかなり困難だったと述べています。) シング牧師は「オオカミ少女」を見に来る客の寄付は拒まなかった。 (家族で「オオカミ少女」を見に行って、牧師にお茶の接待をうけた人の証言が載っています。) 少女カマラが推定17歳で逝去した後、孤児院の経済危機はますます深刻化した。 アメリカのジング博士らから「狼に育てられた子」の手記公刊の要請をうけたことは、 孤児院を救う起死回生の機会であった。 しかし、シング牧師は完成した手記のアメリカでの出版に先立ち、 なかば失意のうちに亡くなった。 戦後、インド独立の激変の中で孤児院は閉鎖され、 そこにいた人々はちりぢりばらばらになった。 最後まで孤児院を守ったシング夫人は飢餓のため亡くなった。 シング夫妻とアマラ、カマラの墓には今日(1975年現在)まで 墓標が建てられていない。 少女カマラが有名なアヴェロンの野生児ほどに長生きしていたら、 欧米の学者・研究者の知遇をえて、より多くの事実が明らかになって いたかもしれませんね。 動物行動学の大御所・デズモンド・モリス氏あたりが 彼女たちに関して仔細な検証本を出してくれないかな?と期待します。 あるいは、世界史にくわしい桐生操さんが『20世紀の嘘』とかのテーマで この件について書いてくれると興味深いのですけれども。 真偽はともかく(くりかえしますが、私は「嘘」と思っています)、 「人間ってなんだろう?」とつくづく思わせるエピソードですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.08.29 15:23:25
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