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2020.05.09
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カテゴリ:読んだ本いろいろ

​​レンタル落ち(笑)でゲットした中古DVDで、
あらためて『​夜半歌聲​』を観賞しました。
良質なメロドラマですね。

ロミオ役で大人気の舞台俳優タンピンと
旧家の令嬢ユンエンの、秘めた激しい恋。

春の日のような
しあわせな日々は短く、

そのあとの苦しみと不幸は熾烈だった。

親同士の決めた強制婚で引き裂かれるばかりか
タンピンは火傷で役者生命の顔を失い、
ユンエンは絶望して嫁いだものの
処女でなかったというだけで離縁され実家にも捨てられ、
悲しみのあまり気がふれて
タンピンとの愛の夢の世界にのみかろうじて生きる。



1920年代の北京では、いかに有名でも一介の役者

と令嬢の身分違いの恋愛は許されなかった。


・・・恋にのぼせあがっているとはいえ
当人たちも自覚していたでしょうに、
もう少しなんとかならなかったのか??

ふたりが引き裂かれずに、幸せな結末を迎えるにはどうすればよかったかな
と、足りないあたま(爆)で妄想。

スターの驕りもあったのか、
やはりタンピンがわきがあまかったのは否めないかと。

少なくとも、
敵役のお金持ちとそのドラ息子が上演中の舞台に乱入してきた段階で、
みすみすユンエンを帰宅させるべきではなかった。
さすがに劇場に放火されるとまでは思わなくても、
ちょっと思慮深ければ
ユンエンが軟禁されて無理やり結婚させられるとか、じゅうぶん想定範囲内でしょうに。

ユンエンたち(忠実な小間使いの女の子も)
をかくまって、そのあとは??

事実上のかけおち。
かなあ。

遠方に巡業の旅に出る。

海外が最も望ましいけど、
(ユンエンたちが立場上、パスポートやビザをとるのが困難そう、
まあメロドラマでそんなこと考えてもしかたがないが)
シナ大陸内でもじゅうぶん広大。

北はハルピンから、魔都上海、香港まで。
上海や香港で西洋の風にふれて
ユンエンの美しさはみがかれ、
さなぎが蝶にかわるように
「良家の子女」から「新時代の女性」へと成長してゆく。

・・・ここまでうまくゆかなくても、タンピンがもっと度量があれば
ましな展開になったような気がしてならない。

最愛の女性が、自分と相愛になったがために
結婚も破れ実家に勘当されて
正気をうしないよるべなき不幸な境遇になっているのに、
火傷でみるかげもない自らの容貌を恥じて
彼女を救い出そうともしない
(10年も!! 1年かそこらなら、心の葛藤も、それなりに共感できるのですが(泣))。

10年めに偶然
ドサまわりで現れた若い旅役者を自分の代役にして
不幸なユンエンを慰めよう
という発想も、かなり(相当)ゆがんでいる。
それでうまくいったとして、
巡業が済めば彼はまた旅立ってゆくわけで、
のこされたユンエンの悲しみを深くするだけとは、おもんぱからないの??

身代わりにされて
たくらみに気づき、
「あんたもくるってる! 医者にみてもらえ!!」
と一括する青年が、唯一まともだ(悲)。

こんな彼を
落莫してなにもかも失い
気がふれてまで
恋い慕う、ユンエンの一途さがいとおしくなる。

つくづく罪作りだなあ
(演ずるのがレスリーだから素敵にみえるのですが)。



美しいラストシーン。

うち重なる苦しみの果てに目が見えなくなったユンエンが
恋しいタンピンとやっと再会。

幸せと喜びのあまり彼女の見えない目から涙があふれてとまらない。

そして、馬車で北京を去ってゆくふたり。
膝の上の安らかなユンエンの寝顔をみつめるタンピンの表情が、神々しいまでに美しい。


今週の一枚(どこが?)、ドラちゃんの毒舌。 




「くだらないこと気にするな! 男は顔じゃないぞ、中身だぞ」
「・・・もっとも、きみは、中身もわるいけど」

どうもすみません😅。


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Last updated  2020.05.23 13:55:15
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