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こころのお散歩

今のままのあなたでいいから

今のままのあなたでよいからわたしを愛してほしい

           モンシニョール・ルブラン、石川康輔訳
イエスは言われる
あなた自身のみじめさ、あなたの心のたたかいと苦悩
あなたの体の不自由さと病とを
わたしは知っている
あなたの卑しさ、あなたの罪を
わたしは見通している
しかし、それにもかかわらず、わたしはあなたに言いたい
「あなたの心がほしい。今のあなたでよいから
わたしを愛してほしい‥‥」と

愛に身を任せるのに
天使になるときまで待とうとするなら
いつまでたっても
あなたはわたしを愛せないだろう
任務の遂行や徳の実践において
あなたがぐずついていても
また、二度と犯したくない過ちにしばしば陥っても
わたしを愛さないことを
わたしはゆるさない
今のままのあなたでよいから
わたしを愛してほしいのだ

いつ、いかなるときも
熱心なときであれ、無味乾燥なときであれ
忠実なときも不忠実なときも、わたしを愛してほしい
今のままでよいから‥‥

わたしはあなたの貧弱な心の愛で満足なのだ
もし、完全な人になるときまで待つとすれば
あなたはいつまでたっても
わたしを愛せないだろう
わたしが一粒の砂から
清さと気高さと愛とに輝く熾天使(セラフィム)を
造りあげられないとでも思うのか
わたしは全能者なのだ
全能者のわたしがあのすぐれた存在者たちをさしおいて
むしろあなたの心のみすぽらしい愛を選ぶとしても
わたしは自分の愛の支配者として
振る舞っているだけである

わが子よ、わたしにあなたを愛させておくれ
あなたの心がほしい
もちろん、少しずつあなたの向上を図るつもりだ
でも今は今であるがままのあなたをわたしは愛している
だからあなたにも同じようにしてほしい
みじめで、低い場所から
愛の昇ってくるのが見たいのだ

わたしはあなたの弱ささえも愛する
弱く、貧しい者の愛を好む
取るに足りない者のロから出る
「イエスよ、あなたをお愛しします」という
叫びが聞きたい

わたしはあなたの心の歌のみを欲する
あなたの学識も才能もわたしには必要ない
わたしが見たいのは、愛によって働くあなた自身なのだ
わたしが望むのはあなたの徳ではない
徳ならあなたに与えることができる
でもあなたは弱いので
徳をもらえば自己満足に陥ってしまうだろう
だから徳のあるなしにこだわる必要はない

あなたを偉大な者にしてあげてもよいのだが
それはやめておこう
あなたは無益なしもべであればそれでよい
わたしは、あなたが持っている
わずかなものまで取り上げる
あなたは愛のためにのみ造られたのだから

今は、わたしは物乞いのように
あなたの心の扉の前に立つ
王の王であるこのわたしが
そしてあなたの心の戸をたたく
急いで開けてほしい
あなたのみじめさを
戸を開けない口実にするな
みじめだと言うがもしあなたのみじめさを
ほんとうに知ったなら
恥じ入って死んでしまうだろう

わたしの心を傷つけるのは
あなたがわたしのことを疑い
わたしへの信頼に欠けることである
どうか昼も夜も
絶え間なくわたしのことを考え続けてほしい
どんなにつまらないと思われることでも
愛のためにのみ行ってほしい
わたしを喜ばせておくれ‥‥

とにかく忘れてはならない、今のままでよいから
わたしを愛してくれることを
私の母をあなたに与えよう
すべてを、この清い母をとおして
受けとるがよい

どんなことが起こっても、愛に身をゆだねるのに
聖人になる日まで待ってはならない
何度も言うように、待っているなら
いつまでたっても
わたしを愛することなどできないから

さあ、今すぐ、このわたしを愛してほしい



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