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ガラスごしでなく、手が触れそうなほど間近でイコンを見るのははじめてです。
東京復活大聖堂のイオアン高橋神父様のギャラリートークに参加しました。20名弱の参加者でイコンの前でひとつひとつ丁寧に解説していただきました。 想いを抱く相手の肖像を描くことは自然なクリスチャンの行為で、2世紀に描かれた使徒イオアン(ヨハネ)の肖像画が残っています。3世紀のカタコンベの壁画。あまり知られていないが,イコンは西洋美術の源流です。オーバーに言えば2000年の歴史があります。 イコンは美的言語。イコンは描く人の自己表現ではありません。型があります。イコンを描けるのは,修道士と聖像画師、イコンの言葉がわかる人だけです。 イコンは神との語らいです。キリストの顔の右半分は優しさと慈しみ,左半分は聖書を持ち、裁きと,厳しい顔。眉毛と目の表情の微妙な違いで差があります。 建物が横に描いてあると,実際は建物の中での出来事をあらわす、浮いた感じに描くことによって、心の中の体験や内的体験をあらわす,正教の十字架の足台が斜めな理由など、面白かったです。 まず,手本通りに描くことで謙虚さを身につける。そして初めて見いだせる精神があります。その後に,オリジナルのイコンを描くことがゆるされます。 東では2000年ずっとキリストの復活が最重視されているが、西(プロテスタントもカトリックも一緒)は中世以来、血みどろの十字架に重点がおかれました。 正教徒の家では各部屋のすみの棚にイコンを置くことで部屋が祝福されます。 東のマンディリオン(聖顔布)はエディッサの王に顔を拭いて送った布の顔。 西の十字架の道行きの時の聖顔のようにいばらや血がありません。ルオーの描く聖顔はマンディリオンによく似ています。 『苦悩』のキリストを超え,『救い』と『再生』を象徴する姿です。 西の血だらけ苦悩の極みの十字架と比べると、ルオーの十字架はイコンに近い。キリストの聖顔は哀しいまなざしの道化師へと変化していきました。 遠藤周作氏はルオーに傾倒していて,ルオーの絵をめぐるエッセイなどもありますね。 高橋神父様は髪を後ろに結んだ黒い修道服が似合うがっしりした方です。 1時間半ずっと立ったままで足が痛くなりました… 信徒さん達は慣れているのか平気そうです。 十字架を復活とセットにしてとらえる東方の教えに、うなずいてしまいました。 http://shiodome.nais.jp/museum/kaisai.html 6月13日まで開催されてます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004.04.19 19:58:13
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