多種類化学物質過敏症の考察ラットの肝ミクロソーム内酸化酵素に及ぼす床敷の影響http://www.ratfanclub.org/litters.html針葉樹である杉や松のカンナ屑などを実験用の小動物のケージの床に敷いておくとその中に住んでいるラットやマウスなどの薬物代謝酵素のひとつであるチトクロームP-450系代謝酵素のいくつかが活性化しベンゾαピレンを水酸化する酵素が活性化し代謝が亢進する。 針葉樹だけでなく広く広葉樹にもテルペノイド系の有機化合物が含まれている。モノテルペノイド、ジテルペノイド、トリテルペノイド、セスキテルペノイドなどの環状(シクロ)有機化合物が主になっている。 このような代謝酵素を活性させる化合物はダイオキシンやフェノバルビタールが有名だが、それらの化合物だけでなく前述したテルペノイド類にもこのような作用がある。このような作用を起こすことを酵素誘導という。 多種類化学物質化敏症はさまざまな有機化合物による副交感神経が興奮する持続的な状態であたかも有機リン中毒に似た症状を示す。中には有機リン中毒も含めた複合的な疾患の患者もありえるが、そうでない患者もあるので有機化合物中毒とは別に考えたほうがよいかもしれない。 考えられる原因はふたつある。 1 汚染された環境が多い都会に長らく住みつづけることにより天然の有機化合物(テルペノイド類)と疎遠になり摂取が不足し本来テルペノイド類などにより活性化する酵素ができなくなり、有害化学物質を分解できなくなる。(酵素誘導不能) 2 同じく1のような環境下で偏った有害な化学物質を多量に持続的に摂取することによりその代謝酵素を作るために必要なビタミンCなどの材料が不足し有害化学物質を分解する酵素が生成できなくなる。 以上のふたつが考えられる。 対策 1環境のよいところに移転する。 2森林浴を行う 3住宅環境が原因な場合は有害な反応が生じない中古住宅に引越しする |