間違いだらけのインフルエンザ

 インフルエンザ対策は世界で一番弱い国は日本です。一番強い国は発展途上国です。
 その理由は
1 感染が広まる日本の「美?」習慣
 日本は世界で類をみない「くすり消費国」です。日本人の病気の判断は「発熱」です。熱さえあれば会社や学校を休むことが認められています。仮に40℃近い高熱が発生していても解熱剤を服用しいわゆる平熱37.0℃未満になればマスクをつけて出勤、登校します。
 病気になっても発熱さえしなければ社会活動をすることが「美」であり「正しいこと」と認識されています。
 この習慣あるいは美の概念が新型インフルエンザが発生すると最悪な場合は日本人を滅亡に追い込む可能性があります。インフルエンザウイルスの感染力はたいへん強いものです。

2 日本を守るための対策
 インフルエンザから日本という国を守るためには、会社や学校を休む勇気を身につけることです。ただし、経済活動、社会活動はストップします。これは日本を滅亡から守るためにはこの方法しかないからです。

3 インフルエンザウイルスの強さの秘密
 日本にとっては核爆弾以上に脅威のインフルエンザですが、その秘密をいくつか記したいと思います。
(1)くすりの耐性
 ウイルスは生き物でなく、すなわち細胞でなく粒子という概念です。したがって無生物と理解できます。特殊なタンパク質であるカプシドタンパク質の中にDNAあるいはRNAが入っています。ウイルスが細胞の中に入り細胞の力を利用しウイルスのコピーを作り増殖させ細胞から放出します。細胞の乗っ取り屋です。
 同じものをきちんとコピーして放出してくれていれば、ワクチンやタミフルなどのくすりはかなり効果がありこの世からインフルエンザは絶滅します。
 ところがコピー間違いがいたるところで発生してしまいます。そのためワクチンやタミフルの効果がなくなってしまいます。
 インフルエンザだけでなく、特にRNAウイルスにコピーミスが多くなりくすりの耐性が発生します。
 インフルエンザにかかったらまずは休むことが一番効果的なことです。

(2) インフルエンザウイルスの特徴的症状

 まずは前触れがない急激な発熱です。30分間で36.2℃の熱が40.0℃近くまで急上昇します。このときに金縛りにあったように全身がふるえ悪寒を生じます。小児はそれにくわえ熱性けいれんを起こすことがあります。
 このような場合は電気毛布で体を温めます。熱が上昇中は悪寒などを感じますが、40.0℃でも熱がフラットになれば悪寒は止まります。
 解熱剤は38.5℃以上になれば服用するきまりになっています。インフルエンザのような急熱になれば解熱剤は飲んでもよいのですが、解熱するときに多量の汗をかくので脱水症状になることがあります。水分の補給が必要です。着替えも必要です。
 一説によるとペニシリン系抗生物質がウイルス感染細胞からウイルスの放出を抑制するという報告もあります。

(3) 抗インフルエンザ薬を使用するなら飲みきりする
 耐性ウイルスを防ぐためには完全にウイルスを撲滅しなくてはなりません。5日から7日後にウイルスがたくさん放出されます。なおった、すなわち平熱に戻ったということで服用を中止する日本人がたくさんいます。それが耐性ウイルス発生の原因になっています。

4 日本は絶対にパンデミックは防げない
 異常のような理由からインフルエンザは絶対に防げない日本ですが、これが新型になれば絶望的です。
 新型インフルエンザの特徴は今までのインフルエンザの特徴に加え眼や腸管をはじめとする全身の粘膜でウイルスが増殖します。最終的には多臓器不全で死亡します。
 この理由は既存インフルエンザは気道にある感染細胞から新しいウイルスを放出するときに細胞内のトリプシン様酵素(タンパク質分解酵素、機動粘膜に存在)が必要としますが、新型はフシンというどこの細胞でも持っているタンパク質分解酵素で放出されます。全身中でウイルスが増殖可能になります。


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