カテゴリ:経済
ワーキングプア 解決への道(5) NHKスペシャル「ワーキングプア」取材班 実は「ワーキングプア」の問題は、日本だけの問題ではない。日本よりも早く構造改革や規制緩和を推し進めた欧米の国では、すでに1980年代から健在化し、「ワーキングプア」という言葉も、その頃から使われていた。それが今、経済のグローバル化とともに、日本をはじめとする各国にも飛び火しているのだ。 解決へ ~つながり始めた人々 ばらばらにされる非正規雇用者 ばらばらにされたままの非正規雇用者の労働条件が、良くなるなずはない。そういう意味では、働く人を取り巻く状況は今、戦前に逆戻りしかけているのかもしれない。 芽生え始めた新たな連帯 非正規雇用の人たちでも入れることを謳った労働組合は、ここ数年、活動を活発化させている。こうした労働組合の一つ、「首都圏青年ユニオン」。東京、豊島区に事務所を構える。組合員数は約300人。非正規雇用者にも正社員にもへだてなく門戸を開いているが、目立つのはやはり非正規雇用の若者たちだ。 ワーキングプアと言った時に、低賃金だけが問題なのではありません。非正規雇用者は多くの場合、労働の現場で権利の無い状態にさらされています。例えば残業代がまったくつかないとか、社会保険や雇用保険がないとか。不当解雇はもちろんです。これに対抗するためには、企業と対等に交渉できる団体交渉権をもってするしかありません。 今、若者たちが、階層として、まるごと非正規雇用者になって不安定化し、貧困化しています。だから、若い世代全体に呼びかけるような運動をしていく必要があります。これは、組合というツール、武器を使った新しい社会運動です。職場での権利の獲得を、社会運動として大規模に展開していくのです。権利の無い状態が当たり前だと思い込まされている若者たちが、「おかしい」と声を上げていくことが重要なのです。 首都圏青年ユニオンの執行委員会は、いつも夕食を自炊して、皆で食べながら開かれる。大きな鍋に湯気を上げているおかずを皿によそい、どんぶり飯をかき込む若者たちの姿を見ていると、これは新しい形の共同体の芽生えではないかという思いがよぎる。 ワーキングプアの問題は、日本社会の中でひそかに進行してきた共同体の崩壊を無縁ではない。家族、地域、そして日本型企業。こうした共同体が弱体化し、脆くも崩れ去る中で、誰からの支えもないまま孤立し、ばらばらにされる非正規雇用の若者たち。そして弱い立場を狙い撃ちするかのように襲う貧困。 「つながること」で見え始めた光 無くした「誇り」を取り戻す よみがえった「人間らしさ」 「働きがい」と「人とのつながり」。 つながっているすべての人にありがとうございます! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年04月22日 20時19分47秒
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