カテゴリ:誘水日記
昨日は、2人の知り合いの訃報に接した。
一人はずいぶんとご無沙汰している方、 もう一人は、数ヵ月前にがん体験のお話をお聞きした人だ。 妙な因縁がある。 がん体験をお聞きしたMさんとは品川で会った。 待ち合わせの喫茶店で彼女の顔を見たとき、 「どこかでお会いしたことがある」 と感じた。 そのことをお話しすると、彼女もぼくのことを思い出してくれた。 「どこでお会いしたんでしたっけ」 と記憶をたどっていくうち、 ある人の事務所で紹介されたことがわかった。 実は、そのときにぼくとMさんを引き合わせてくれた人が、 もう一人の訃報の方だった。 Mさんは、ぼくがお会いしたとき、妊婦さんのようにお腹が膨れていた。 腹水がたまっていたのだ。 腹水を上手に抜く病院を見つけて、 そこで治療をしてもらっているのだと話していた。 彼女は、手術も抗がん剤も拒否して、自分なりの方法でがんを克服しようとしていた。 その甲斐があって、がんは小さくなったし、腫瘍マーカーもどんどんと下がってきているのだと、 意気軒高に語っていた。 小笠原ドルフィンツアーの話をすると、 「ぜったいに行く」 と、手帳を取り出し、スケジュールを書き込んでいた。 そんな姿に、奇跡的な回復もあるなと、ぼくは希望をもった。 彼女が小笠原にいるイメージも浮かんできた。 ちょうど、4月終わりに、彼女を会う約束をしていた。 そしたら、「ちょっと具合が悪くなったから、来月にしてほしい」とメールがきた。 その数日後、意識を失って救急搬送されたようだ。 小笠原のあのきれいな海を見せてあげたかった。 もう一人の方は、何年もお会いしてないけれども、 10年ほど前は、毎日のように会って、 イベントをしたり本を作ったり、 楽しいことをやっていた。 発想が面白い人で、 ずいぶんと頭を柔らかくしてもらった。 ときは流れていく。 人も去っていく。 はかなきかな人生。 だけど、はかないことは悪くはない。 はかないことを知るからこそ、 人は、日々の生活の中に、喜びや感謝を見出すことができるのだから。 ぼくは今日も生きている。 そのことに感謝しつつ、今日やるべきことを一所懸命にやって、 夜にはおいしいお酒を飲もう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017年05月22日 07時42分30秒
コメント(0) | コメントを書く
[誘水日記] カテゴリの最新記事
|
|