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イルカみたいに生きてみよう~心の力を抜いて楽しく生きていきませんか

2020年01月20日
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カテゴリ:誘水日記
古市憲寿さんの「奈落」という小説を読んだ。
人気絶頂の女性ミュージシャンがステージから落ちて、
体も動かせず、言葉も発せられない状態になってしまった。
まわりから見れば、
彼女はまったく意志のない、いわゆる「植物状態」に思えた。
しかし、
彼女にははっきりと意識があった。
家族の会話も全部わかっているし、
痛みやかゆみという感覚もあった。
怒りや悔しさという感情もある。



情報をインプットできてもアウトプットできないもどかしさ。

動けず話せずという中で、
彼女は歌を作る。
どうがんばっても発表できない歌。
健康なときは浮かんでは消えていく歌だったけれども、
アウトプットできなくなってからはずっと記憶に残る。

この残酷さ。
自分しかいない聴衆。
どんなにすばらしい出来であってもだれも喝采してくれない。

その後、自分に意識があるとわかってくれた人の登場。
体が動くようになるかもしれない、
言葉を発することができるようになるかもしれないという希望の光。

しかし、その希望の芽を摘む家族のエゴ。

ぼくは、
重度の障がいがあっても言葉も思いもあることを伝えようとする「きんこんの会」で、
気持ちや意志を表現できないもどかしさの中で苦しみながら、
指筆談という方法でやっと言いたいことが言えるようになった人たちを見てきた。

彼らが作った詩を本にした。
(『こうやのロマン』『らりるれろのまほう』)

植物状態と判断されてベッドに寝たきりになっている人はたくさんいる。
多くの人が彼らには意識がないと見ているけれども、
もし意識があったとしたら、
この小説の主人公のような激しいジレンマや絶望を感じて日々を過ごしている。
そのことに目を向けることができれば、
違った関係が築けるはずだ。

著者の古市さんが、
指筆談のような、まだ科学的とは言えない方法に理解を示してくれるのかどうかはわからないが、
この小説では現実が語られていると、ぼくは思って読み進めた。

体が動かなくても、言葉を発することができなくても、
意識があるかもしれないという接し方をするだけでも、
彼らは救われるのではないか。

ラストの落としどころも考えさせられた。まさに「奈落」。







Last updated  2020年01月20日 09時41分16秒
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ハピハピハート@ Re[2]:意志が弱く集中力がない人のために(02/17) さそい水さんへ あー、分かります(°▽°) 空…
さそい水@ Re[1]:意志が弱く集中力がない人のために(02/17) ハピハピハートさんへ だらだらと食べてし…
さそい水@ Re[1]:テーマや目的のない集まりってすてきだよ(02/16) ハピハピハートさんへ 集まってワイワイや…

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