カテゴリ:Oの人生論
「問題が悪いですよ」 中間テストを返したときの一人の生徒の反応だ。 ぼくは、 4月から工業高校の定時制で非常勤教員をしている。 クレームをつけた彼は100点満点中10点くらいだったか。 「何が悪いの?」 「だって、どの公式を使って解くのか書いといてくれないと。 記憶力がないもんで」 公式に当てはめれば解ける問題ばかりだ。 それがすべて全滅。 公式を覚えてなければできないのは当たり前なのだ。 考えてみれば、 彼らのほとんどは勉強などしたことない。 何かの事情があって中学校へ通えなかったかもしれない。 親や学校に反抗して勉強を放棄した子もいる。 いわゆる発達障がいと呼ばれる子もいる。 普通のテストでは興味がもてないと思う。 彼らがもっと楽しんで受けられるテストってないのだろうか? メインで授業を進めてくれている先生がテスト問題の解説をしているのをぼんやり聞きながら、 何かいいアイデアがないか考えていた。 いくつかひらめいた。 ひとつは、 問題が悪いというクレームは、 それなりに言い分があるのかもしれなということ。 公式は、 覚えることではなくて使えることが大切。 だったら、 ヒント集のようなコラムを作って、 そこには、さまざまな公式がずらりと並んでいるというのはどうだろう。 自分で、この問題はこの公式を使えばいいというのを探し出して解答を出す。 ゲームみたいで面白いのではないか。 たくさんの情報の中から、 必要なものを探し出すという訓練にもなるじゃないか。 これを少し発展させて、 中間テストまでの何カ月間を文章にして、 試験用紙に添付する。 そこには公式も書かれている。 それを読みながら、 数カ月を振り返りつつテストに臨む。 もうひとつが、 20点をとれば赤点を免れるのだから、 生徒たちに配点20点の問題を作らせる。 それを完璧に解答できれば合格するわけだ。 みんなで相談しながら問題を作成し、 できる奴から答えを教えてもらい、 丸暗記でもなんでもいいから、 必ずマルがもらえるようにする。 「教えてやる」という従来の勉強方法では、 彼らは何も学ばない。 何かわからないけど面白いよ、 というものを提供していかないと。 今年の前期は助手という立場なので、 あまり出しゃばったことはできないが、 後期から徐々に自由にできるようになると思う。 今のうちに、 面白いこと考えておこうと思う。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025年06月14日 18時15分40秒
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