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カテゴリ:Oの人生論
我が家は20数軒の小さな集落の北から二番目にある。
すぐ裏には急な下り坂があって、 その先には田んぼが広がっている。 坂道の脇に畑を借りて、 そこをヤギたちが草を食む場所にしてある。 今、柵を改装中。 これまでは高さ1メートルほどのワイヤーメッシュを並べただけの、 簡易的な柵だった。 最近になって、 ぴょんぴょんという女の子が柵を飛び出して脱走することが何度かあった。 知らない間に脱走して人の畑にでも入って、 野菜をむしゃむしゃ食べてしまうと困る。 そこで、 去年の12月から、 柵をもっと丈夫で高いものにしようということで作り始めたのだ。 作ると言っても、 ぼくだけの力では1年たってもできないだろう。 たまたま近所の人が手伝ってくれることになって、 作業はどんどん進んでいく。 せっかく柵をきれいにするなら、 ここをヤギ牧場にして、 ヤギとふれ合ってもらおうということになった。 入場料なりエサ代をいただき、 ヤギたちにも稼いでもらおうという算段だ。 休憩場所も作って、 お茶やお菓子も出せればいいいじゃないか。 そうなると、 トイレが必要になる。 さてどんなふうにするか。 去年の暮れごろみんなで思案していた。 正月のこと。 一番北にある家に車が止まっていた。 そこはおばあちゃんが一人暮らしで、 2人の息子が訪ねてきたみたいだ。 ぼくは2人に声をかけた。 そしたら、よく知っている長男がこんなことを言った。 「実は、うちのおかん、市営住宅に引っ越すんやわ」 「えっ」 びっくりだ。 急に決まったことらしい。 「そうか。寂しなるなあ。うちのお地蔵さんにも花をあげてくれてたし」 そんな雑談をしていたら、 ふっとひらめいたことがある。 市営住宅に娘を住まわせるという手があるなと。 「市営住宅って猫も飼えるんやろか? うちの娘が春にこっちへ来ると言うてて、今、アパートを探しているんや。猫がおるもんやから、けっこう家賃も高いし」 豊田市で働いている三女が、 春には仕事を辞めて帰ってくることになっている。 どこに住むか、そろそろ考えないといけない時期だ。 そんな話をして別れたわけだが、 1~2時間後、 思ってもみなかった展開が始まった。 兄弟と母親が我が家を訪ねてきた。 何事かと思ったら、 「もし良かったら、娘さん、うちのおかんが引っ越したあと、ここに住みませんか。 ぼくたちはそれぞれ家があるし、 ここは空き家になってしまうので、 住んでもらえるとありがたいので」 という話になったのだ。 すぐに返事ができないほど戸惑った。 想像もしてなかったことだから。 冷静になって考えたら、 こんなありがたいことはない。 三女の住むところが見つかったということもあるが、 そこの家には外に立派なトイレがあるのだ。 ヤギたちを見学に来た人たちに使ってもらうことができるではないか。 庭も広いので駐車場として使える。 南側の窓を開ければ、 お茶とお菓子でくつろげるスペースになる。 「ほんとにええの?」 ぼくたちにとっては、天から降ってきたような話だ。 そんなわけで、 我が家の周辺が楽しいスペースになりそうなのだ。 世の中、 何が起こるかわからない。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2026年02月11日 16時01分42秒
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