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人生の楽しみは後半にあり!

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2026年07月12日
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カテゴリ:Oの人生論
先週は夏休み前の最後の授業だった。
工業高校の定時制に、
週に一度、非常勤講師として通っている。

学業という面で言えば、
レベルは高くない。
意欲をもって勉強する子もほとんどいない。
「高卒の資格くらい取っておこう」
くらいの気持ちで入学してきたのだろう。
ほかに行ける学校もなく仕方なく入学し通っている子たちだ。

昼間はバイトをして、
夕方5時半から80分授業が2コマ。
終わると8時35分。

それを4年間。
気分が乗らないと、
「今日くらい休んでいいだろう」と思うときもあるはずだ。
一度休むと、
学校へ行くのが面倒になったりする。
興味のない授業はつまらない。
先生の側だって、
ぼくも実際にやってみてわかったけれども、
やる気のない生徒に向かって話をするのは、
気持ちが乗らないもの。
適当に80分を過ごすのは生徒ばかりではないのだ。

かと言って、
熱血の先生はうっとおしいわけで、
どっちにしろ、
彼らにとって平日の夕刻は、
遠い世界の出来事のように他人事として流れていく。

それが週に5日。
高卒の資格くらいというモチベーションではなかなか続かない。
お金がもらえる分、
アルバイトの方が面白いわけで、
結局、学校へ来なくなる子も少なくない。

ぼくが所属する科の4年生の場合、
12人が入学したが、
6人が退学した。
残った6人も好きで通ってきているわけでもないが、
それでも4年間通っただけでもほめてあげないといけないのではと思うのだ。

昨日は休み前なので、
4年生は雑談の時間にした。

ヤギやワンコの話、
これからは世の中が大きく変わって農業が大事になる気がするという話、
イルカのことも少し話した。

教壇に立つぼくの前にいるのは3人だけ。
だけど、
真面目に聞いてくれる連中なので助かる。

一人、ほとんどしゃべらない子がいる。
寝ることもなく、
よそ見もせずにきちんと話を聞いている。
しかし、
授業の内容がわかっているかと言うと、
ほとんど理解していない。
わからないのに毎日学校へ来て、
居眠りもせずに話を聞いているというのも、
またすごいことだ。

この子の良さを見つけてあげたいと、
いつも観察している。
今日は発見があった。

「お金を稼ぐのも大事だけど、
もし農業がダメになったら食べ物が手に入らなくなるよ。
輸入という手もあるけれども、
世界中で食糧不足になったら、
米や野菜を売ってもらえなくなる。
そんなことあり得ないと思うかもしれないけれども、
東日本大震災のときには東京でもスーパーの食料品の棚が空になったし、
去年は米が足りないと大騒ぎになった。

日本人がお腹いっぱい食べられるようになったのは、
高度経済成長以降のことで、
その前は食べ物がなくて餓死する人もたくさんいたわけで、
また同じようなことになる危険性だってあるわけだ。

自分の身は自分で守る。
家庭菜園でいいので、
食べ物を作るということを意識した方がいいと思うよ」

そんな話をした。

「でも、若い人は農業をやろうと思わないものな。
農業やりたいと思うかい?」
順番に聞いてみた。
「いえ」と2人が答えた。
3人目が無口な子だ。
「君ならどう?」
その子に問いかけた。
こっちをしっかり見ているけど声は出ない。

「農業は嫌いですか?」
首を横に振った。
「えっ、農業やりたいと思っているの?」
うなづいた。

ひょっとしてひょっとして、
その子は4年間で初めて自分の意思を表示したのではないか。

たしかにたしかに、
その子が企業でうまくやっていけるとは思えないが、
畑や田んぼで作物を育てている姿はイメージできる。
人とは話せなくても、
動物や植物とは気持ちを通わせることができるかもしれないのだ。

「一度、うちに遊びにおいで。
ヤギもいるし犬もいるし、畑もあるし。
将来の参考になるかもしれないよ」

下を向いてしまった。
本当は来たいのだと思う。
でも、
それをぼくに伝えるのは、
ちょっとハードルが高いか。

ぼくができるのはそこまでだ。
これから半年、週に一度だが授業がある。

もう少し密なコミュニケーションができたら。

畑で働く若者が一人増えるかもしれない。















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Last updated  2026年07月12日 16時18分15秒
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