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カテゴリ:Oの人生論
テレビドラマはあまり見ないけれども、
「日曜劇場」は楽しみにしている。 間もなく始まるのが『VIVANT』の続編。 前作は3年前。 妻と長女と、ああだこうだと展開を予想しながら見ていた。 ネットニュースで流れてきたのが、 原作者で演出を担当する福澤さんにパワハラがあったという話。 でも、 パワハラとかセクハラとか、 ほかにもいろいろなハラスメントがある。 だいたい、ハラスメントって何なんだ? 「嫌がらせ」のことらしい。 意図的な嫌がらせならパワハラと認定されても仕方ないが、 仕事ができなかったり、大きなミスをすれば、上司からしかりつけられたりするわけで、 果たしてそれを「パワハラ」と騒いでいいのかという疑問がある。 まだ25~6歳のころの話。 こんなことがあった。 ぼくは名古屋にある小さな会社で営業マンをしていた。 大手の自動車部品メーカーに商品を卸していて、 在庫を最小限に抑えるという経営方針から、 「すぐにもってきてくれ」 「3日以内に」 短納期の仕事がどんどん入ってくる。 一番売り上げの多い会社だったので、 「できません」なんて返事はできない。 しかし、 こちら側の現場も段取りがあって、 「これ急ぎでお願いします」と発注すると、 「またか」「そんなのできるか」とぼろくそに言われて、 納期が遅れれば、 大企業の購買係からはひどい言葉でののしられる。 つらい苦しい板挟みだ。 下請けの悲哀に何度悔し涙を流したことか。 「なんでこんなことを言われないといけないのか」と、 歯を食いしばりながら車を運転していると、 涙がボロボロこぼれてくるのだ。 これくらいはぼくたちの世代の人なら体験しているだろう。 ぼくがあきれ返ったのは、 1982年(昭和57年)。 中日ドラゴンズが8年ぶりに優勝した。 今日勝てば優勝だというので、 ぼくは仕事が終わるや栄に出て、 街頭テレビの前にいた。 そして、優勝が決まった瞬間、 大声をあげて万歳を繰り返していた。 そしたら、 目の前に長いマイクが伸びてきて、 「おめでとうございます! 今の気持ちは?」とインタビューされた。 「最高です! もう最高!」 涙目になりながら興奮の声を返した。 夜、喜びを反すうしようとNHKのスポーツニュースを見ていた。 そしたら、 「最高です! もう最高!」 栄で興奮しているぼくの姿が映し出されたのだ。 翌日、 営業に回った。 例の大企業には毎朝顔を出す。 「おはようございます」 とにかく元気にあいさつをすることは心がけていた。 むすっとした顔をした購買担当者が出てきた。 いつもむすっとしているので慣れっこなのだが、 彼のこの日のひと言目は、 「お前、今日から出入り禁止」 なんじゃそりゃ。 納期の遅れもないのに。 「はあ」 素っ頓狂な声を上げたと思う。 理由の言わず、 彼は部屋へ戻っていった。 「おい、おい」 もう一人の購買担当者が声をかけてくれた。 「お前さあ、昨日テレビでおおはしゃぎしていただろ。 あの人も課長も巨人ファンで、 スポーツニュースを見て怒りまくっているよ。 しばらく姿を見せない方がいいぞ」 一週間、ぼくは出入り禁止になった。 会社の上司にも、 「何やってるんだお前は」と叱られた。 無茶苦茶理不尽な話だと思うがどうだろうか。 今でもあの購買係の仏頂面は覚えている。 職場において行われる
これがパワハラの定義。 営業マンとお客さんの関係で、 関係性の優劣は明確だし、 業務上の範囲を超えているし、 ぼくの就業環境も害された。 職場ではないから、 カスタマーハラスメントになるのか。 ぼくは、 小さな会社の営業マン時代の3年間で、 企業社会の構造がよくわかった。 大企業中心の社会に疑問をもつようになったのだ。 その後、 「西洋医学だけが医療じゃないんじゃないの?」 「農薬や化学肥料を使う農業ってどうなの?」 「便利さばかりを追求していいんだろうか?」 「人間が一番という考え方もおかしいよ」 「動物たちにも植物たちにも意思や言葉がある」 「障がい者たちの才能を生かしたい」 といった考え方になっていったのは、 あの3年間の理不尽さがあって、 現代の価値観や常識に対して、 クエスチョンマークをつけることができたからだと思う。 本当に そういう意味では、 とても貴重な体験だったのだが、 ああ、あのころはハラスメント漬けだったなあ。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2026年07月17日 18時26分59秒
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