若者カップルが訪ねてきた
昨日は、突然、若いカップルが訪ねてきた。グーグルマップを見て、「ヤギに会える」ということでやって来たようだ。ちょうど、夕方のご飯をあげる時間だったので、準備をしながらお話をした。大学4年生で、4月から社会人。春休みを使って、羽を伸ばしているとのことだ。「サラリーマンが嫌になったら、田舎でヤギと暮らすのもいいよ」そんな話をして笑っていたが、彼らとしては、きっと就活もがんばって、希望に燃えている時期だから、余計なことだったかもしれない。あの年代でのぼくの人生設計だと、大手の企業で出世して、たくさん給料をもらい、貯金と退職金と年金で、悠々自適の生活だった。自分の目論見とはまったく違う67歳を生きている。何もかもが中途半端で、何かを成し遂げたということもなく、成り行き任せでたどり着いた現在。いばれることは何もないけれども、間違いないのは、今を楽しく生きているということ。そして、これからの人生も、何ができるかはわからないけれども、何もできないかもしれないけれども、ぼくはとても楽しみにしている。期待感というか、希望があって、日々、ときめきをもって暮らしている。いろいろあったけれども、ぼくは幸せだと思う。昨日の若者たちも、これからいろいろあると思う。何か行き詰まったときに、ふと、山梨の山里でヤギを飼っていた老夫婦を思い出してくれて、「ああいう生き方もあるな」と思ってくれるとうれしい。「桃の花が咲くころおいで。きれいだよ」「また来ます」「すももがなるころくるといいよ」「ハイ」「おっきくて甘い桃を食べさせてあげるよ」「楽しみにしています」「やぎにはまってしまいました」そう言って帰っていった。そう言って帰って行った2人。彼らの先がどうなるのか、今まで以上に予測のつかない時代になるだろうと思う。大変だとは思うが、幸せになってほしいと願っている。