2018/02/12(月)23:05
先発打順別OPSと得点数の相関
先日の記事で、チームOPSに対する得点の相関を見てみました。
その結果、Bsは他のパリーグ4球団(H除く)と比較してOPSから見積もられる値よりも実得点数が少なく、
またHもそうなのですが、こちらはそもそものOPSが高いことから、チーム得点数の多少の減少は問題ない、
つまり、点の取り方の拙さで苦しんでいるのはウチだけ、という結果でした。
---
そこで、この原因は、ひょっとして打順の組み方に問題があるのでは?と考えまして、
2011-2017のパリーグ6球団、のべ42球団分の
先発選手の打順ごとのOPS,出塁率、長打率と得点数の数値をプロットして見ました。
なお、チームとしては、これ以外にも途中出場選手による得点が多数あります。
↑この途中出場選手による得点は、チーム得点数とは相関が0に近いデータでして、
チーム総得点の5~10%程度、平均7%程度に入っています。
ですので、先発選手の得点数が増えれば、チーム得点数も増える傾向に働く、
少なくともマイナス方向に働くことはほぼ無いと考え、
以下の数値は、先発野手の打順と得点、その他データに絞り込んで書いていきます。
---
まず、打順別OPSです。
過去7年間で見てみると、傾向がきれいに見えますね。
・Eが(3番打者の所は、私の色付けミスです、失礼します)
3~6番でOPSが最下位、でも1,8,9番のOPSが高い
→中軸打者で苦労していますが、周囲の「脇役」キャラが充実している。
・Lが1番4番の数字が断トツ →1番秋山と、4番に中村、メヒア、山川のうち調子よい打者がどしっと座っている。
・HがやはりOPSが高い!!が、4番はそこまでではなく、9番はリーグ最低 →9番捕手の徹底。
また4番が内川の場合、彼は早打ちなので出塁率が伸びず、OPSが伸びない?
といったところが見て取れます。
肝心のわれらがBsですが、どの打順も最下位は無いけど、1位も無い。
その中で言うと、5番打者の数字が物足りません。
見積もられる得点値ですが、それは
2011-17の各チーム、各打順のOPSと得点をプロットし、
それを直線近似して算出した、以下の式があります。
この、傾きをa,切片をbとしまして、
OPSの値をxとすると、得点数y=ax+bで表される。
よって、各打順ごとのこの式に、各チーム各打順のOPSを代入して算出したのが
1つ上の表に示した数値でした。
ただ、この相関の正しさを示す値がR^2の値で、これが1に近い方がより正確です。
興味深いのが、この値が打順ごとに大幅に異なっていることで、
1,4~7番といった中軸の得点とOPSとの直線近似式が0.6以上とそれなりの数値になるのに、
2番だけが、0.2台と、ほとんど相関が無い、という結果が出てきました。
これが何を意味するのか・・・?
2番に攻撃的な、繋ぎを無視した人を置くか、繋ぎ最優先で非力な人を置くか、
そのばらつきが大きすぎてこのような形になったのでしょうか?
何にせよ、R^2=0.2台の式に導入するのは、ツッコまれる所ですが、
あくまで今回のことは、素人が数字で遊んでいる程度ですので、
温かい目で見てやってくださいませ。
---
さて、各チーム、打順別でOPSから上記近似式に代入した結果の得点算出値の1-9番合計を
実際の各チーム、先発打者の得点数と比較したのが、以下の結果です。
こういう観点で見ると、先日記した、チームOPSから見込まれる得点数より高低とは別に、
OPSの低い3チーム(Bs,M,E)が計算値よりも実際の得点が少ない。
そして中以上の3チーム(F,L,H)が実際の得点が多い結果になりました。
この違いが出たのはなぜか?というのを考えているのですが、
下位3チームは、出塁等しても、それがホームまで到達していない、つまり残塁が多い、
一方上位3チームは、ホームまで結びつけている、
ということなのでしょうか?
いずれにしても、こちらの結果からも、
Bsの選手は、個人ではもっと多くの得点が取れていてもおかしくないのに、
それができていない、しかもその能力がパリーグ最下位ということが数字で出ました。
こうなってしまうのは、進塁が下手であること、
犠打や盗塁のみではなく、
例えば無死2塁でセカンドゴロを打つ、といった形の進塁打の少なさが
本来、ある打順で、これだけのOPSを残せば得られるはずの得点を得られていない事実に
繋がっているのではないか?と考えています。
---
今回の計算は、非常に乱暴に「OPS」のみで実施しました。
ここでOPS=出塁率+長打率です。
これは、OPS=1×出塁率+1×長打率 とも表せます。
出塁率に掛けられるパラメータをxとし、長打率の方をyとしたとき。
x=y=1の時が、通常のOPSです。
それでは、打順ごとに、この両者の数値を変えることで
より、線形近似のR^2を1に近づける解は無いのか?
その値こそが、各打順ごとに選手に求められる能力ではないか?
(たとえば、2番なら出塁率に掛かるxの方が高い方が、線形近似精度が上がる、とか)
そう考えまして、x,yを変更することで、R^2を最も1に近づけることが可能な
最適な解を、excelのソルバーに計算させることにしました。
---
その結果は、また後日、続きで記載いたします。