2004/11/23(火)00:27
小津監督のセットのような
バイクを洗いたかったらしい相棒に旅用の買出しにつきあってもらう。立川市の旧市街まで歩く。開店して間もない様子の中華料理屋に入る。タチウオの揚げたのなんかを食す。ぶつ切りにして表面に格子模様の切り目を入れてかりっとあがるようにしてある。塩こしょうだけの味。ぱりぱりといける。ほかにもじゃがいもの細切りいためなど。うま。
帰り道、行きに目撃して気になっていた古本屋へ。
木製の台にえほんを平たく並べている。
売り物、・・・にはみえないぞ。
そういえばこの店、戸がないや。
勇気をもって入ってみる。
「専門書」などとキバっているがよくみれば全部の本にパラフィン紙がかかっている。それがずらっと並んで異常な遠近感を演出している。
たての棚はそんなかんじ。
さて、そのしたの台は、といえば極端にもマニアックそうなSM本(70年代ぽい)が店頭絵本同様ひらたくならんでいる。
ここでこれをたち読むのには心臓毛もじゃにしてこなければなるまいて。
で、二名で探索に入った45秒後。
ガラッ!と戸が開いてはたきを持ったオババ登場。
戸の向こうはいきなりタタミの間。
番台はさほど大きくもなく。
「専門書」は一応きちんと分類されている。くわしいことはくわしそうだ。棚の構成を背表紙だけで判断してかなければならないのでじろじろと見ていたら、くだんのオババがバタバタバタバタバタバタ!とはたきを使いはじめた。
(こ・・・こえぇよう)
一応、客には気遣ってくれてるようで私どもの反対からまわってはたきをかけている。だんだんいづらくなってその棚から逃げるとオババがそっちをはたくから、なんだかこれでは追いかけられているような形だ。
もう、あまりに典型的な古本屋-絶滅危惧種といふ意味で-だったため思わず吹き出してしまいそうだった。
こんなたたずまいと行動がセットになったとこがあったとは!買うのに相当、勇気がいりそうだ。
小津監督ならばこういうセット、作るかな。
あるいは実相寺昭雄監修の食玩のコレクションにでもしてもらいたいような。
先日の野猿街道とさほど離れていない場所に、こういう店も共存している。多摩奥深し。嗚呼。