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今日のお昼、曇り空と寒風のなか西神田をまたいであかね書房の横を通り神保町へと向かう途中で。
夏までクリーニング屋さんの建物があった空き地の端に、古本の束が放ってあった。 ぜんぶ古い。古本だからなぁ。 ぜんぶ国文学。10冊くらいか。 近代の詩歌とかそういうタイトルのものばかり。 まあ、本が捨ててあるのはべつに驚かないがこういうのばかりまとめてなんでここに。 その中から一冊引き抜いた。 「柿の種」寺田寅彦 小山書店版 昭和16年 函入り 函に少々破レ・カスレ有り・・・これじゃ古書店目録のようだわね。 白地(もとは)に赤い小花風の模様の並ぶ、函と表紙がおそろい。馬糞紙の函(カスレ有り・・)もいい味わい。 その本を持ったまま専修大学の横をとおり、「カレーとおにぎり ようこ」 の前をとおり、横断歩道をわたり「上海朝市」へ。 麺類を頼んで待つ間にひらいてみる。 何かとても引き込まれる言葉がいろいろ入っている本だ。 冒頭の4行あがまんづこんなだし。 棄てた一粒の柿の種/生えるも生えぬも/甘いも渋いも/畑の土のよしあし ただの柿の種ぢゃなくて「棄てた」柿の種なのね。 何度かこの4行を反芻しているうちになんだかいろいろ考え事をしてしまう。頼んだ麺類を待つ時間が短く感じられる。 道端で拾った古本の中にあっといふ間にすいこまれてしまう。 そんな展開がまるでチェコのパペット・アニメーションに ありそうでおかしな感じがする。 それにしても、なんでこんな本がここに。戦火を免れて2004年末のまっぴるま、西神田3丁目におっこってるのか。 当該書籍氏はかよーなモノとしての運命を予想していたろうか?否、とも言い切れぬ。 大方出会いなどといふものはすっきり説明できるもんぢゃないよね。本に限らず、なんでも。 日本に帰ってきてからのはじめの「日本語の本」、はこれ。 ただし持ち歩くとさらに「カスレ」増えそうで。 やっぱりパラフィン紙かける? 欲かいて帰りにもう一冊「三太郎の日記」角川文庫。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Dec 15, 2004 09:07:11 PM
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