2005/02/10(木)20:20
わたしのアイドル(エリック・・・ではない)
べつに皆がいいねといわなくても。
誰、それ?って聞かれても。
自分が無条件にキャアっ、といえたらそれがアイドル。
70年代の少女漫画の異常に手足の長ーい男子、あれをリアルにしたような男なの。
ドラムセットの前に座ると、ひざ頭が思い切り前に出てる。
そうねー、虫でいったらナナフシみたいな感じ。
でも、でっかい男って「骨身に知恵がまわりかね」っていう感じ、あるじゃない。そーはいかないのよ。
何じゃこりゃっていうくらい、タイトなドラミングを「決して楽しそうじゃない」表情で続けている。
音もクールだしね。叩くパターンの選び方というか。
ドラマーって、楽しそうか苦しそう、ふたつに分かれると思う。
この人はどっちにも入れられない。「たのしくなさそうに」見せているけど、だからといって「苦しい」ようにも見えない。この無表情さって、いったい。
よく、西欧の異文化圏の人間がサムライ映画みて、あるいは武道を見学して「無表情のままであんなことするとは」とかいう感想を持つけど、なんだかそういうことに「お!」と思う気持ちがちょっとわかった。この人のプレイを見て。
(わざと無表情を装う演奏スタイルがはやったこともある。ヒカシュー、プラスチックス、P-MODEL・・でも限界があるやね)
はじめは何年も前、ヘルシンキのVANTAA空港のCDやさんで手持ちのフィンランド・マルカを使ってしまうつもりで買った一枚だった。”TRIO TOYKEAT"の”SISU"。
のっけからなんじゃこりゃ!なアレンジ。
どこで聞いたら一番気分出るか、ってそりゃもう、
青森-弘前間の誰もいないやたら立派な高速道路を時速140KM
でとばしつつ、目の前には岩木山。決して「街」じゃなくてこういう場所。色でいうならLEDの灯りの色。
一体どんなひとたちなんだろう、特にこのタイコの人。
音からはいるアイドルもあるのよね。
それでいて、「ふつうのあんちゃん」だったりする。
秋葉原に買い物しにきた旅行者ふうでもある。
演奏が終わるとお客とビールのんでガハハ、なのだ。
フィンニッシュ・タンゴとサンバの話、
ミカ・カウリスマキのブラジル音楽映画”MORONOBRASIL”のこと、パーカッションの話なんかするととまらない。
ドラムセットに向かったときのあの人かいな、というかんじ。真冬の東京でTシャツ一枚で笑っていた。鍛え方違うよね。
RAMI ESKELINEN、っていってどれだけ「ああ、あの人ね」って言うかな。(ありぇなーい、ですわね。きっと)
ともかく、毎朝この人の異様にタイトな音で気合を入れている。
この人の叩くポルカやイェンカもきいてみたい。