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だめだよね。
分が悪すぎる。 桜と同時に咲いちゃ。 めだたないうちに気前よく花ごと落ちるしさ。 たぶん勝ち目はないだろうね。 あ、もとからあんなの相手にしてないって? ほほー、なかなか言うじゃん、あんた。 西神田三丁目の街路樹(一部)は、木蓮。 きょうの強い風が前のブロックあたりまで花のかおりを運んでいた。 見た目の地味さから、この花のにおい?とは連想されないんじゃないか。 どばっと咲いて、ぼたっと落ちる。 バナナの皮みたいに赤黒くなって、そこらへんにカラカラになって、 舗道の石にへっぱりついてる。 強い風に花ごと舗道に転んだひとつを、手に乗せながら歩く。 つよい香りとべたべたした感触、それから水分を感じる重さ。 何かとても「いきもの」だなと思える存在感。 田んぼなんかでうっかりアマガエルをてのひらにのせてしまい、 どこでお別れしようか迷ってしまったりするのだけれど、 ちょっとそういう気分に近い。 ナマナマしい花。 濃い紫のグラデーション。 古代・中世に「高貴な色」という刷り込みをすでにされていてもおかしくない。 気になって、検索してみた。 なに、一億年前にはすでにこの姿を完成させてたんだって? なんだかすげーやつ。 どうりで何かココロひかれる存在だ。 DNAにかなり何代も前から、この花をみたことがあるかもしれない記憶は 織り込み済みなのかもしれない。 少し蓮にも似たくらくらする甘いかおり。 どこまでさかのぼれるかな。 リアルタイムで進化しあってきて現在に至る同士といったら、 きっとごきぶりくらいのもんかねぇ。 ごきぶりと木蓮のある世界。 ほかには何があったのだろう。 ああ、銀杏もひょっとして? ともかくね。 一億年前からこの姿でやっとります。 あんたはまだ魚かみじんこみたいな存在だったけど、 あたしゃ知ってるよ。 あんたたちがどうやって今みたいになったか、見てきたんだもの。 何でもきいてよね。 え、「さくら」? 誰。それ。 新しいひとのことはよくわかんなくってねー。 たくさんいすぎて。 うつくしくふてぶてしく気前よい終わりっぷり。 ついでに街路樹になるなんて。 往来の排気ガスを吸ってもなおあの花のつけようだ。 相当タフ。 好きだなあ。 散った花びらはバナナほどじゃないけれど、まともに踏むとずるっと滑る。 まるでわれわれのデビュー間もない二本足歩行をわらうかのように。 the other side of O-HANA-MI. ちどりがふちまで歩いて5分。 さくらも見てやらねば。 あれもあれで、たいしたやつだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 7, 2005 07:37:34 PM
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