2006/10/08(日)16:16
2006年日本グランプリ
注!レースの結果についての内容なので、まだ結果をご存知無い方は見ない方が良いです。
現役最年長であり最長キャリアでもありかつ最強の呼び声高いミハエル・シューマッハ。
今季限りでの引退を決断しても、勝利への執念は衰える事無く史上最強の称号を手に舞台を去るつもりでいるのは誰の目にも明らかだった。
実際にそれはシーズン後半の成績にも表れていて、前戦の中国グランプリでは遂に対抗のフェルナンド・アロンソと116点の同ポイント、しかも優勝回数は1つ上と非常に有利な状況で鈴鹿にやって来た。
流れは完全にシューマッハ。
そう信じて疑わなかった。
このまま強いシューマッハで引退して欲しいと願っていた。
けれど、残り18周でのエンジントラブルでのリタイヤ。
本当に驚いた。
そして不謹慎ながらもマッサの車であって欲しいと願ってしまった。
しかし現実はシューマッハの車。
そんな馬鹿な。
残りたったの2戦、上位チームの車なら熟成されつくしてトラブルなどとは無縁なのが常だと思っていた。
しかもチャンピオン争いをしているチームであれば、万全に万全を重ねた体制だと思っていた。
それを一番やってはいけないコトをしでかしてしまうとは・・・。
車を降りて、チームの待つピットへと歩き始めたシューマッハの姿を見ていたら、本当に涙が出てきてしまった。
これまでF1を観戦してきて、応援してきたドライバーはほとんど対シューマッハの誰かだった。
そう、自分にとってシューマッハは常に敵であった人のはず。
それが何故今になってこんな涙を流しているのだろう。
セナが死んでしまった時ですら、泣くことなど決してなかった自分だったのに・・・。
それほどまでにミハエル・シューマッハが自分のF1という領域にしっかりと存在していたとはと改めて感じさせられる。
それでもレースは結果が全て。
アロンソは勝つべくして勝ったのだから、賞賛を受けて然るべき。
それにリタイヤした後もくさらずにチームクルーの労をねぎらったシューマッハの姿に少し救われたような気持ちになる。
さあ、残るは最終戦のブラジルのみ。
状況はシューマッハにとってはとても不利。
一気に逆転してしまった形勢を再逆転するのはとても困難だけれど、最後まで勝利に執念を燃やし続けるだろう彼の最後の雄姿、しっかりと見届けたい・・・!