倖和（サチナゴム）の妄想小説・・・

　ラストオブアスPart2には3人の重要な登場人物がいます。ジョエルにエリー、そしてアビーです。それぞれを操作してゲームを進めていく。それが私の今回炎上気味のストーリー批判に対する答えです。

　ジョエルはハンター相手の制圧戦。
　アビーは感染者相手の探索・ワクチン開発
　そしてエリーは二人のバックアップ、ストーリーの進め役となります。

　ジョエルとアビーは似たもの同士です。「何があっても戦う目的を見つけ」て生き延びてきました。若いアビーの方が柔軟で父親の仇であるジョエルとも手を結びワクチン開発に情熱を燃やす、という設定にします。ファイアフライの残党としてジョエル以上に殺戮を繰り返したアビーはジョエルたちに出会う頃には殺すことに疲れていてワクチン開発こそがこの地獄を終結する唯一の道だと信じているのです。

　葛藤はエリーの存在です。ジョエルはエリーを守るために人類の未来を犠牲にしました。アビーはエリーさえ解剖できたら、つまり殺したら念願のワクチン開発に道が開けるのに目の前の彼女を殺すことはもうできません。一人のために99人を犠牲にせざるを得ないジョエルとアビーはゲームで苦労してもらうことになります。

　デスストの小島監督は今までのゲームで当たり前とされていたことを変えようとしました。実際に変わりました。大きく変わったのは破壊しない、殺さないをプレイのテーマとしたこと。一方でヴォイドアウトという対消滅でゲームオーバーでも状態は完全に元に戻らずステージそのものが進入不可能なクレーターを生じてしまうとしました。死の世界に反物質という概念を絡めて死んで生き返るが当たり前のゲームに復活の意味を与えようとしたのです。ストーリー内容のわかりにくいゲームですが、やっていることは単純です。配送です。プレイヤーは「戦争という破壊の中で、唯一、物を作って行くことができる」存在としての補給部隊に意義を見出しているマチルダ中尉の立場ですね。

　だとするとジョエルもいかに殺さないで済ますかがゲームプレイのテーマとなります。ゲージにダメージが溜まっても死なないようにするといいでしょう。つまり気を失って捕虜になってしまうのです。デスストもミュールにやられると気を失い荷物を奪われテリトリーの外に放り出されます。殺されません。元にも戻らない。荷物を奪い返す手順が増えてしまうのです。これは新鮮でした。ジョエルも捕虜になったらアビーやエリーに助けてもらうことになり、その分ワクチン開発や町の発展が遅れてしまうことになります。賠償金を支払うからです。殺してしまった人数が多いほど賠償金が高くなるといった感じでしょうか。戦闘は追い込み漁のように敵を一箇所に追い詰め降伏させるという流れになるでしょうか。西欧人にその感覚がわかってもらえるでしょうか。

　アビーは私好みの探索と研究開発編の主人公です。ここはXCOMシリーズでもあった研究開発部門と似ています。実験道具とかを使って感染者のDNAを解析しワクチン開発を進めていくのです。そしてもちろん「感染者」の駆除も仕事になります。住民の生活を守らないといけません。研究が進むにつれ便利な駆除用の道具も開発されます。アビーは「感染者」が元は人間だったことにこだわりがあり、「感染者」にまだ人間性が残っていないかどうか調べようとします。実際に捕獲した「感染者」の中に時々その兆しを見せる個体があり、それが本当なのか、それとも単なる反射行動なのかわかりません。仲間が感染し発症するまでの間ずっと観察するステージがあってもいいでしょう。開発したワクチンで一時的に「感染者」を人間に戻せたという展開もありです。ここでプレイヤーはそもそも「感染者」とは何かという情報を整理することができるとします。私個人としてはワクワクしますね。デスストではBT、BBなどの正体はスルーされていました。あまり小島監督の得意分野ではないのかも知れません。実は「感染者」とは共存しなければならないということが現実的な解決なのだとは思います。コロナ禍と同じです。

　エリー編は難しい。ゲームとしてはジョエル編とアビー編で完結するからです。しかしエリーのいないラスアスなど考えられません。前作ではNPCだったのに存在感が半端ないのです。相棒としてしっかり働いていたエリーはジョエルが普通なら死んでるやろという重傷を負った時には操作キャラとなって窮地を救います。なのでpart2でも基本NPCで登場してもらいジョエルやアビーがピンチになった時に操作キャラとなるようにします。この扱いは難しい。ストーリーの基本はエリーが進めることになります。彼女は「感染者」なのです。死ねば全人類を救うことができます。ジョエルもアビーもそれを理解しながら彼女に生きてもらおうとする、そこに感動を起こすような展開が望まれます。

　ジョエル編でもアビー編でも基本エリーはNPCとしてミッションに参加します。プレイヤーの腕が向上するほど、つまりジョエルが鮮やかに敵を屈服させアビーが駆除をスムースに行えるようになるにつれ、それだけエリーを操作する機会が減ることになる、ストーリーを語る部分が多くなるとしたらいいでしょうか。いや難しいです。

　それより開発に相当お金がかかる感じがしますよね。
Destiny 体験版を遊びつくしてみた。
貴婦人の乗馬他　オーケストレーション


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↑ストーリーをつくるのは本当に面白いです。これでオリジナルな漫画かイラストが書けるといいのですが・・・がんばります！
もう一つのアリとキリギリス
by 倖和（サチナゴム）