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カテゴリ:医療マメ知識
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘サプリの大半は心血管に効果なし?’という報告です。
米疾病対策センター(CDC)の調査によると、米国人の52%が日常的にサプリメントを摂取しており、購入費用の総額は年間310億ドルに上るという。しかし、大半のサプリメントは寿命の延伸や心血管疾患の予防に結び付かないことが示された。米・West Virginia Universityの研究者らが、ランダム化比較試験(RCT)277件の解析結果を発表した。解析対象は、16種類のサプリメント(ビタミン、ミネラル、抗酸化物質など)と8種類の食事法(減塩食、低脂肪食など)が全死亡または心血管アウトカムに及ぼす影響を検討したRCT 277件の計99万2,129例。解析の結果、大半のサプリメントおよび食事法では、死亡または心血管リスクとの関連が認められなかった。
食事法に関しては、食塩摂取の減量により、正常血圧者の全死亡リスクが10%低下し〔リスク比(RR)0.90〕、高血圧患者の心血管死リスクは33%低下した(同0.67、エビデンスの質は中等度)。サプリメントに関しては、長鎖ω-3多価不飽和脂肪酸(ω-3 PUFA)サプリメントの摂取により、心筋梗塞リスクが8%低下し(リスク比0.92)、冠動脈性心疾患リスクが7%低下した(同0.93、エビデンスの質は低い)。また、葉酸サプリメントの摂取により、脳卒中リスクが20%低下した(リスク比0.80、エビデンスの質は低い)。一方、カルシウム(Ca)+ビタミンD複合サプリメントの摂取では、脳卒中リスクが17%上昇した(リスク比 1.17、エビデンスの質は中等度)。Ca単独またはビタミンD単独のサプリメント摂取では、健康上のリスクもベネフィットも認められなかった。
以上の結果から、同研究者は「大半のサプリメントや食事法では、死亡または心血管リスクに対して測定可能なレベルの有効性は認められない」と結論している。研究責任者で米・Johns Hopkins Universityの別の研究者は「大半の健康な成人は、サプリメントを摂取する必要がないというデータが増えつつある。心疾患の予防においては健康的な食事から栄養を摂取すべきである」と述べている。
日本でも様々ないわゆるサプリのコマーシャシャルが多く流れていますが、その効果はかなり疑問符が付く様に感じます。ご本人が効果ありと感じているのなら何ら問題はありませんが、上述の様に健康的な食事からの摂取が基本の様です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.08.21 08:36:38
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