2007/03/07(水)09:09
白夜行【東野圭吾】
いつ行っても借りられていて、なかなか手にできなかった「白夜行」。
テレビドラマにもなって話題だったらしく、遅ればせながら読了しました。
ドラマは見ないでしまったので、内容不明のまま読み始めました。
久しぶりに、上下二段組の小説。な、ながい・・・・。
と思ったのですが、さすがの東野圭吾は、その長さを感じさせずに夢中になりました。
古いビルの中で、質屋の主人の遺体が発見されるところから物語は始まります。
容疑者は何人か出るけれど、結局は決め手がなく事件は迷宮入り。
その時の容疑者の娘と被害者の息子は全く関係のない道を歩んでいるようで
光と影のように離れることができずに生きている・・・というストーリーです。
容疑者の娘である雪穂の人生は、彼女の計画どおりにすべてが進んでいく。
被害者の息子である亮司は、その名を捨て、雪穂の人生計画を成功させるべく
陰から見つめ、犯罪に手を染めていく。
小説は、小学生から大人になるまでの時間枠で進んでいて、短編集のようにさまざまな物語が
入り組んでいますが、読み進めていくと、その全てに雪穂と亮司の関わりが見え隠れします。
前の物語の謎が、次の物語で明かされる。
でも、はっきりと明かされるのではなく、読み手に推測させる形で分かるという感じ。
始まりが小学生の二人だからか、この二人の人生を想うと切なさが募ってしまうと同時に
女の怖さをヒシヒシと感じてしまいます。
これ、ドラマではどんな風だったのかな。
レンタルビデオ、借りなくちゃ。と思ってます。
しかし、東野圭吾の作品は、どれを読んでも読んだ後の充実感がすごいです。
ちょっとひきずってしまう重さがいいんだね、きっと。