気仙沼・仙台の方々との出会い(その3)
◆双葉保育園の副園長先生この保育園はご夫婦と息子さんの家族経営の私立の保育園です。坂の上にあるにも関わらず、私のおへそくらいの高さまで水が入ってきて設備がかなりやられたそうです。園児とその両親に犠牲者はひとりも出なかったのは不幸中の幸いだと笑顔を見せて下さいました。でも、お庭が海水のせいで荒れてしまったこともあって、他の園に園児が移ったり、やめた保育士さんがいたりと悲しいことがたくさんあるようで、いろいろなことをお話し下さいました。どこへ行ってもわりとみなさん笑顔で話して下さって、そんなに辛くないのかな?と一瞬思ってしまうくらい平静を装って下さる方が多い中、副園長はフレンドリーで率直な生の現状を聞かせて下さいました。命やおうちが助かっても、仕事や生活に不安があればやっぱりストレスは大きい、ダイレクトな気持ちが伝わって来ました。お話してくださってありがとうございました。一方、園長さん(副園長の旦那さま)は歌が大好きで、私でも知らないような古い日本の童謡や抒情歌を園児に教えています。毎月、歌のプリントを出していて、それをいただきました。私にとっても素晴らしい資料となりました。バックナンバーから今後出す号までFAXで送ってくんないかな・・・。その活動、ほんとうに素晴らしいです。ずっと続けてください!!下の動画は双葉保育園の被災1週間後の様子です。ちらっと映る坂の下が瓦礫で埋まって通れない風景にびっくりします。http://www.youtube.com/watch?v=dryF0XfjVis◆のびすくの職員さん東北最後の演奏場所、仙台市内の「のびすく長町南」。駅ビルの中の綺麗な施設です。東京でいうとルミネみたいな感じの建物。でも、震災後は建物の被害で一ヶ月半ほど休館したままだったそうです。ここの職員の佐藤さんは5月にやった「のびすく仙台」のコンサートの日にそうとは知らずたまたま来ていて、そのときに自分自身がすごく元気になったからと「のびすく南長町」でも演奏して欲しいとその場でご依頼をいただきました。こういう話を聞くと仙台のような被災の少ないところで無料で演奏する意味ってあるのかしら?とちょこっと思ってた自分が恥ずかしくなります。東北に住んでいる限り、みんな傷ついている。少しでもその傷の痛みを忘れる瞬間を作れればいいと思って始めた活動なのにね。さて、そんな佐藤さんの思いの強さゆえか、のびすくでは異様なVIP扱いで戸惑いました(笑)ポスターはいっぱい貼ってあるし、お出迎えはたくさん来るし、楽屋にはお茶とお菓子があるし、メッセージカードまであるし・・・。そこまでしなくていいよ!と思うくらいでした。「木村さんは著名な方ですので、目立たないルートを通ってお通りください」とか言われちゃった。(笑)いやいやいやいや、だれーも気づきませんので大丈夫ですし! その佐藤さんの熱意のおかげでのびすくはなんと170人ものお客様が!!この日、仙台市内では大きなお祭りがやっていたにもかかわらずこの数の集客。感激です。佐藤さんはじめ、スタッフの皆様方ほんとうにありがとうございました。帰りにはブリザードフラワーの手作りの飾りのお土産もいただきました。そのお花を作って下さったスタッフの方とお話したのですが。その方はご実家が石巻近くにあってやはり津波の被害がひどかったそうです。でもとてもニコニコしてらっしゃるので「ご実家やご家族は大丈夫だったんですか?」と聞きました。「父がね、亡くなったんですけどもね、だから今日は楽しみにしてたんです」と思いも寄らない答えが返ってきました。胸が詰まりました。亡くなった方の数が膨大だからでしょうか、みなさんあまり悲しそうな顔をなさいません。でも悲しくないはずありません。なんだか、それが気の毒でなりませんでした。そういう方が、私の歌を楽しみにして下さっていたんだと思うとやりがいもあるし、責任感もあります。私のようなチャラチャラと東京で贅沢に暮らしている小娘が、被災地の方々の傷の痛みを歌の力でどれだけやわらげることができるのか、自分でもまだ自信があるわけではありませんが、聞きたい、歌って欲しいというひとがいる限り、必ずまだ東北に行きたいと思います。歌が私の仕事でよかった、ディズニーのお仕事してて良かった、本当にそう思います。みなさん、本当にありがとうございました!----------------7/20発売、ジブリカバーアルバム詳細は7/17のブログ記事にて。ご購入は楽天ブックスでどうぞ♪