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はっきり言えば、広告倒れの感があった。TVでのPromotion Videoはよく出来ているので、期待で胸を膨らませて映画館に行く人が多いと思う。
ストーリーは、事故死した夫の亡骸を乗せた飛行機に、娘のジュリアとともに乗り込んだカイル(ジョディ・フォスター)が、機内で突然消えた娘を必死で探し、助けるというものだが、場面の設定やストーリーそのものにかなり無理があるため、何度となく「は?なぜ?変じゃない?」という気持ちになる。また、カイルの言動があまりにも傍若無人なため、同情どころか観客の反感を買うのではないだろうか。 しかし、そこに目をつぶって割り切って観れば、シーンとしてはダラダラ感がなく、最初から最後まで引き付けられる楽しい作品である。緊張する場面も多く、とても楽しかった。 舞台が狭い飛行機内のみにもかかわらず、広さ、深みをうまく演出している点も優れていると思う。 ここで強調したいのは、ストーリーそのものはカイルが愛する娘をハイジャック犯から救うという分かり易いものだが、この映画はもっと奥深いものを表現し、訴えようとしていると思う。 すなわちメインテーマは「ハイジャック」ではなく、「母子愛(娘を愛する母親の強さ、執念)」であり、さらに言うならそれ以上に「現代社会の人間関係の希薄さ、他人に対する無関心さ」を間接的に批判しているように感じた。また、日本人の観客はピントきたかどうかわからないが、米国らしい人種差別も露骨に表現され、批判されている。 確かに、自分自身を振り返ると、飛行機に乗って周囲にどのような人が乗っていたかなど覚えていない。アパートやマンションに住んでいて隣の人の顔を知らない人も多いだろう。また、米国に住んでいて、犯罪が起こったときにまず疑われるのが黒人でありヒスパニック系住民である。 日本の社会でも、コミュニティーの大切さが再認識されている中、周囲の人、地域の人との関係を見つめ直し、深める努力が必要だと感じた。 このような見方をしながらこの映画を見ると、結構面白い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 2, 2006 09:08:20 PM
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