「石子順造的世界」
早起き。ひさしぶりにチケット争奪戦に参加。マキタスポーツの60席限定ライブを予約のため、イープラスにアクセス。回線が混んでてなかなかつながらず、つながったと思ったらパスワードが間違ってたりして手間取ったが、22分かかって無事に予約できた。手数料無料の公演なのがうれしい。良かった良かった。午前中に家を出る。小雨。クロネコメール便、4点。東横線から京王線。東府中へ。急行で府中まで行ってからひと駅戻ったほうが早いんじゃないかと思ってそうしたが、駅でけっこう待たされてしまった。素直に各駅で行ったほうが良かった。時間がない。コンビニでパン買って歩き食い。缶コーヒーも買うが、早歩きではなかなか飲めない。それよりも、手を温めるのに役立った。雨のなか、府中の森公園まで小走りで急ぐ。とても寒くて鼻水が出る。ホームページには徒歩15分と書いてあったけど、公園に入ってからが長かった。府中市美術館、「石子順造的世界」。急いだのは14時からのトークイベントを聴きたいからだった。中沢新一と椹木野衣が今日は出演する。これにあわせて日付も決めた。受付でチケットを買おうと並んだら、前に並んでいたひともトークイベント目当てのひとで、イベントは無料で企画展のチケットがなくてもいいと説明しているのを後ろで一緒に聞いた。そのまま会場のほうへ移動する。入り口はひとがいっぱいで、なかに入るのに並んでいるのだと思ったら、なかもいっぱいで入り口までひとがあふれているのだった。まさか、こんなに人気があるとは!この時点でもう14時、どうやらトークが始まってしまったようだが、ほとんど聴こえない。入場を切らずに、とびらを開けたまま始めるというのもすごいが、聴こえなければ意味がない。とも思ったが、警備員さんがマイクのボリュームを上げるように言ってくれて、なんとか声は聴こえるようになった。背のびをすると、中沢新一の顔は見える。部屋の外だから音がよく届かないのだが、この状態でわかったのは、中沢新一は話が上手いということだった。明瞭でよく聴こえる。対して椹木野衣はぼそぼそぼそぼそしゃべっててなんだかよくわからない。中沢新一のセリフだけがよく聴こえて、中沢新一のひとり芝居を聴いてるみたいな妙な気になった。満員電車のような状態で2時間、そのあいだに、疲れたのか飽きたのか出ていくひともぽつぽつといて、そのたびにちょっとずつ前のほうへ近づいた。最終的には部屋のなかにぎりぎり入ることができて、話はだいぶ聴きやすくなったのだが、体力的に限界。結局、ふたりはなにをしゃべっていたのだろうか。トークイベントは16時過ぎに終了した。企画展は17時までだというので、休んでいるヒマはない。チケットを買って、大急ぎで入場する。展示は「美術」「マンガ」「キッチュ」というみっつのブロックに分かれている。まず「美術」。石子が論じた作家たちの作品が展示されている。赤瀬川原平、横尾忠則といったよく知られる名前も並ぶ。有名な赤瀬川のニセ札もあった。今展覧会の題字も赤瀬川によるもの。つぎに進むと、石子が企画に関わったという「トリックス・アンド・ヴィジョン展」が再現されている。個人的には、去年にたまたま川崎で観た福田繁雄とつなげて考えたくなるが、石子とは関係があるのかどうか。2番目は「マンガ」。僕が石子順造の名前を知ったのはそもそもマンガ評論家としてで、呉智英の著書のなかに、似た名前の「石子順」を批判する文章があって、そこに優れた評論家として並べてあった。「ガロ」との関わりでも、なにかで読んだことがあるかもしれない。ここの目玉は、つげ義春「ねじ式」1話分の原画の展示だ。これを楽しみにしていたのだが、しかし、展示の部屋が薄暗くて見にくいのは少々残念だった。光や熱で劣化しないようにとのことだろうけれども。スミの濃淡、ホワイトでの修正箇所など、それでも原画ならではの迫力はあって、これがあの「ねじ式」かという興奮は大いに得られた。【送料無料】 ねじ式 つげ義春作品集 / つげ義春 【コミック】価格:3,045円(税込、送料込)そして最後は「キッチュ」。このブロックだけは撮影可だった。ペナント、チラシ、食品の模型、モナリザグッズ、お札グッズ、トロフィー、ピンナップ、怪獣の消しゴム、石、銭湯の壁画、そういったものが並べられている。これらはまるっきり、現在のみうらじゅんの仕事のようだ。石子順造が「美術」「マンガ」を経てたどりついた「キッチュ」に、直感的にたどりついているのがみうらじゅんということじゃないか。しかし、石子の仕事がなければ、みうらじゅんはやはり現れなかったのかもしれない。みうらじゅんと同時には「VOW」があり、「VOW」の前には赤瀬川原平の「超芸術トマソン」とか、あのような視点ともつながっているのではないかと思える。そのすべてが、「キッチュ」という言葉で説明がつきそうだ。そのあと、15分ほど余らせたので常設展をぐるっとまわる。売店で図録を買うつもりでいたが、ISBNがある一般書籍だったのでここで買わなくてもいいやと思う。【送料無料】石子順造的世界価格:2,100円(税込、送料別)府中駅へ歩く。府中駅も15分ほどで到着した。東府中と変わらないなら、急行が止まる府中駅をホームページで案内すればいいのに。松乃家、ロースとんかつ定食。ブックワールド。期待せずに寄ってみたら、田中慎弥が2冊あったので購入。モスバーガー。居眠りと雑務、バッテリー切れまで。啓文堂書店、寄り道。京王線から東横線。各停で本を読みながらのんびり帰る。ひと駅手前下車。西友、買い物。深夜0時過ぎ、帰宅。ラジオ。「エレ片のコント太郎」をなにげなく聴き始めたら、300回の記念の放送で、今までにゲストで出たひとたちが電話をかけてくるという企画。この番組、いつもはあまり最後まで聴かないけど、今日は楽しくて最後まで聴いた。マキタスポーツ、山里亮太、渡辺正行、ワタナベイビー、IMALU、氏神一番、キングオブコメディ高橋、西寺郷太などなど、あと、宇多丸はスタジオに登場、大槻ケンヂは事前収録コメントだった。豪華。◇1月21日のツイログ